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日本のODAはフィリピンに何をもたらしたのか? 7・17にシンポ
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■■7・17「日比友好(国交回復)50周年」「マルコス疑惑20周年」を問い直す緊急シンポジウム in 京都■■

日本のODA(政府開発援助)はフィリピンに何をもたらしたのか? フィリピン現地 からの告発

 −徹底検証「日比関係」〜人権・環境・債務・貧困の視点から−

今年は、「フィリピン・日本国交回復50周年」に当たります。日比両国政府は、「日 比友好50周年」を祝うとして、7月23日にマニラで記念式典を行い、小泉首相もこれ に参加、アロヨ大統領との首脳会談も予定されています。一方、今年はマルコス独裁 政権がピープルズ・パワーにより打倒された「エドサ革命」からも20年目。民主化後 に押収・公開された「マルコス文書」により独裁者マルコスによる数百億ドルにもの ぼる不正蓄財が明らかとなり、日本のODA(政府開発援助)がいかにフィリピンで の汚職・腐敗を招き独裁政権を支え、また日本企業や政治家の食い物にされてきたの かが暴露された「マルコス疑惑」発覚からも20周年の年に当たります。ODA改革の 必要性が日本の市民社会で認識され、改革のためのキャンペーンが始まったのもこの 時期でした。それから20年、日比関係や対比ODAはどうなってきたのでしょうか。

■アロヨ政権下、マルコス独裁以後、最悪の人権侵害状況

現在、フィリピン各地で、市民、ジャーナリスト、教会関係者に対する殺害、誘拐な どが次々と起こっています。アロヨ大統領が就任した2001年から今日までの5年間、 アロヨ政権下で起こった超法規的処刑の犠牲者数は、フィリピンの人権団体によれ ば、今年6月20 日までで690名にものぼっています。今年の5月16日、日本企業が国際 協力銀行(JBIC)の融資約7億ドルでフィリピンに建設したアジア最大級のダム「サ ンロケ多目的ダム」が引き起こした甚大な被害を訴え、破壊された生活状況の改善の ため問題に取り組み続けてきた地元農民団体の代表ホセ・ドトン氏もこのような状況 のなかで犠牲者となりました。日本の資金援助によるプロジェクト(最近ではODA によるサンロケ灌漑計画)に反対して現地で活動していたNGO活動家が何者かによ り殺害されたのです。こうした市民、ジャーナリスト、教会関係者に対する殺害続発 の背景には、国軍・警察がいると各方面から指摘されており、アムネスティ・イン ターナショナルや米国務省、ノルウェー政府なども人権侵害に関してアロヨ政権を批 判する見解を示しています。しかし、アロヨ政権は、6月に入り反政府ゲリラを「2年 以内に壊滅させる」として「対NPA(新人民軍)全面戦争」の開始を宣言、政府側 からの住民に対するテロ・人権侵害の激増が国内外から危惧されています。

■フィリピンでの人権侵害に加担する日本のODA

日本はフィリピンにとって、最大の政府開発援助(ODA)供与国です。ODA白書 によれば、2004年度の援助額は57億4400万円。累積額は2兆 4521億円にのぼります。 ODA大綱は、重大な人権侵害が行なわれている国への援助供与には慎重であるよう うたっています。フィリピンの人権侵害状況に対して、日本政府は実態を把握し、状 況の改善をアロヨ大統領にもとめる責任と義務があります。にもかかわらず、日本政 府はフィリピン政府の「対テロ戦争」に協力するとして、「治安強化」のために対比 ODAを使おうとしています。すでに6月末には東京にASEAN各国の治安担当者 を集めて「テロ対策対話」を開催、「テロ対策無償資金協力」の使い道を討議してい ます。今年6月初め「海賊対策」を名目にしたインドネシアへの軍用船舶供与により 道を開かれたODAによる「武器輸出」「ODAの軍事化」の危険性は「全面戦争」 が戦われているフィリピンにとって差し迫った問題です。ODAが直接、現地の人権 侵害に加担する危険性がかつてなく大きくなっています。

■「日比友好50周年」「マルコス疑惑20周年」を人権の視点から検証する

かつてマルコス独裁政権を支えた日本のODAは、今また「全面戦争」を行うアロヨ 政権を支援するものとなっています。7月の日比首脳会談(予定)では、日比FTA (自由貿易協定。看護師・介護士の受け入れが問題になっている)の締結とともに、 在沖海兵隊のフィリピン移駐を含む「日比防衛協力」も話し合われるとされていま す。戦後賠償に始まった日本のODAがこの50年でフィリピン現地に何をもたらして きたのか(債務危機や環境破壊も含めて)、今、何をもたらそうとしているのか、徹 底検証するシンポジウムを開催したいと思います。特にフィリピンでいま、何が起 こっているのか、フィリピンの出張(サンロケ現地)から戻ったばかりのFoE Japan の波多江秀枝さんをお招きし、フィリピンの人権侵害の実態と最新情報の生々しい報 告をお聞きしますので、ぜひ、ご参加ください。

  ◆日時:2006年7月17日(月・祝日) 13:00〜17:00

  ◆場所:京都大学文学部新館(新講義棟)第3講義室
  (京阪「出町柳」駅下車東へ徒歩5分、市バス「百万遍」「京大正門前」下車)

   〔交通手段〕
   http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/traffic.html
   〔構内地図〕
   http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/psy/jpn/map2/campus.htm

  ◆資料代:一般 700円 /学生・フリーター・「障害」者・高齢者 500円
  ◆報告者:
 ・波多江 秀枝さん(国際環境NGO FoE Japan)
「フィリピンにおける人権侵害の実態(サンロケ・ドトンさん殺害事件)と日 本の『開発援助』」
       日本の公的資金で行なわれているフィリピン各地の        開発事業の現場を回り、地元団体とその環境社会問        題に取り組んでいる。今年5月、サンロケダム事業        に反対する地元のリーダー・ドトン氏が殺害された。
  ・ネストール・プノさん(名古屋国際子ども学校校長)
「フィリピン人から見た日比友好50周年(マルコス疑惑20周年)」
       フィリピン出身。日本聖公会中部教区・名古屋学生        青年センターのスタッフとして現職。また、フィリピノ・マ        イグランツ・センター(FMC)理事及びボランティアスタ        ッフとして、在住フィリピン人の権利保障や支援活動        に精力的に関わっている。そのほか、「在日フィリピン        人会」広報担当なども務め、ODA(政府開発援助)、        グローバリゼーションや反戦などに対する活動にも携わ        っている。
  ・藤本伸樹さん(アジア太平洋人権情報センター〔ヒューライツ大阪〕)
   「マルコス疑惑発覚から20年−日本のODAはフィリピンに何をもたらしたの か?]
「日比FTA(自由貿易協定)何が問題か−看護師の受け入れと深刻化する フィリピン医療危機」       フィリピン在住中からカラバルソン計画など日本のODA       (政府開発援助)が現地にもたらす環境破壊や住民被       害について調査、日本に紹介してきた。現在は、エンター       テナーや人身売買の問題などジェンダーの視点も取り入       れながら日本国内に住むフィリピン人労働者の人権問題       などについて取り組んでいる。看護師受け入れ問題につい       てフィリピン医療危機の実態を現地調査、日比FTAの問       題点などを指摘している。
    ・その他ジュビリー関西ネットワーク、CFFCなど関連NGOからの報告
  「日本の円借款が生み出した債務危機−マルコス独裁の負の遺産『不正な債 務』帳消し運動 」
    「米軍再編と『日比防衛協力』−在沖海兵隊フィリピン移駐と『対テロ戦 争』」     「アロヨ政権による『対NPA全面戦争』の発動 」など

  ◆ビデオ上映
  (1)「People's Food Sovereignty」(日本語版。イボン財団制作)
 フィリピンの農民運動を描いたビデオ。このビデオの主役が殺害されたホセ・ドト ン氏。殺されたドトン氏とはどんな人だったのか。なぜ殺されなければならなかった のか。普通の農民であるドトン氏がなぜ住民運動のリーダーとならなければ!!!ならな かったのか、その背景などが理解できます。
     「ルイシタ農園の虐殺」
 2004年11月16日、中部ルソン・タルラック州のハシエンダ・ルイシタでは、ピケッ トラインでの国軍兵士の発砲により、ストライキに参加していた7人の労働者が虐殺 されました。そしてこの事件は新たな殺害と失踪が全国に広がっていく警鐘となりま した。フィリピンでの人権侵害の実情を生々しく描いた映像です。

  ◆今後の取り組みの呼びかけ(対フィリピン総領事館行動など)

  ◆主催:「日比友好50周年」「マルコス疑惑20周年」を問い直す緊急シンポジウム in 京都 実行委員会

  ◆お問合せ・お申込み:
        ジュビリー関西ネットワーク事務局
         TEL: 070-5650-3468
         E-mail: jubilee_kansai@yahoo.co.jp
         http://www.kit.hi-ho.ne.jp/jubilee-kansai/
フィリピンのこどもたちの未来のための運動 (CFFC)(担当:藤 原)          TEL: 0774-48-1100 FAX: 0774-44-3102
         E-mail: fujiwara_toshihide@yahoo.co.jp
         http://www.geocities.jp/fujiwara_toshihide/

   *資料準備の都合上、なるべく前日16日(日)までにお申し込みください。

   *シンポジウム終了後、近くのお店で懇談の場を設けたいと思いますので、     お時間のある方はご参加ください。

【東京】
「フィリピン 人権侵害の状況は今
     ――次々に起こる「暗殺」に弾圧される市民の声」

  ◆日時:2006年7月15日(土) 14:00〜16:00
  ◆場所:全水道会館 7階 会議室
     (東京都文京区本郷1−4−1
      JR水道橋駅 東口(お茶の水寄り) 徒歩2分
      都営地下鉄三田線水道橋駅 A1出口 徒歩1分)
      地図→
http://www.mapion.co.jp/c/f?el=139/45/31.440&scl=5000&pnf=1&sfn=all_maps_00&uc=1&grp=all&nl=35/41/59.672&size=500,500

  ◆共催:水源開発問題全国連絡会(水源連)/FoE Japan
  ◆お問合せ・お申込み:FoE Japan (担当:波多江)
              〒171-0031 東京都豊島区目白3-17-24-2F               TEL:03-3951-1081  FAX:03-3951-1084               E-mail:hatae@foejapan.org

東京の報告会の詳細な内容については以下参照
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/sr/event/2006jul.html

【名古屋】
  フィリピン 激発する人権侵害
   ――次々に起こる「暗殺」に弾圧される市民の声

  ◆日時:2006年7月16日(日) 14:00〜16:00
  ◆場所:名古屋学生青年センター
      名古屋市昭和区宮東町260
      ( http://www.nskk.org/chubu/nyc/ )
  ◆参加費:300円
  ◆報告者:波多江 秀枝さん(国際環境NGO FoE Japan)
       日本の公的資金で行なわれているフィリピン各地の        開発事業の現場を回り、地元団体とその環境社会問        題に取り組んでいる。今年5月、サンロケダム事業        に反対する地元のリーダー・ドトン氏が殺害された。
  ◆主催:フィリピン情報センター・ナゴヤ(NCPC)
  ◆共催:セブ・ボホールネットワーク
  ◆お問合せ・お申込み:名古屋学生青年センター
        電話(052)781−0165
        または、西井/電話0586−23−5017
               E-mail:nishiikaz@nifty.com

【福岡】   7月18日(火)夜 
       担当:大倉(債務と貧困を考えるジュビリー九州)
       TEL:093-244-0284


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