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沖縄版アブグレイブ事件に抗議を!
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皆さまへ。訴え
沖縄版アブグレイブ事件
辺野古海上基地建設現場で起きた米兵による屈辱的犯罪行為に対する抗議とメディアの報道を                                          近田洋一(ジャーナリスト・在埼玉)

沖縄県辺野古海上基地基地建設現場で起きて起きていることについて、あなた(貴団 体)としてできうることをしてください。

初めて事件を知ったのは知人のジャーナリスト・森口豁(かつ)氏の次の発信です。

「信じられないようなことが辺野古で起きた。本土(広島)から辺野古の浜を訪ねた一 人の青年が、3人の米兵に小突き回されたり、四つん這いにされたうえ、浜を断ち切 る有刺鉄線に結わえつけられた平和を願うメッセージを取り除くよう強要されたとい う。1月22日午後7時頃のことだ。」

僕は驚愕し、仲間に報告、現地と連絡を取り、次のことを確認しました。 (1)事件はフェンスのこちら側(民有地)で起きた。報じたのは沖縄2紙と地元放送局 だけ(2)那覇防衛施設局は抗議文書の受け取りを拒否?米軍は「事件はなかった」と全 面否定(3)所轄の名護署は告発の受け取りを拒否していたが、2月に入ってようやく受 理(4)抗議行動は続いているいが本土メディアは依然無視の状態。

僕はイラクのアブグレイブ刑務所で起きたレイプ・恐るべき屈辱的な暴力を想起しま す。同時に本土メディアの対応はイラクで起きた香田さん事件のよな冷酷さ(ひどい バッシング)と同質のものを感じます。メディアの隅に身を置く者として言いようの ない恥ずかしさを覚えます。 沖縄現地はこの事実を本土が知ることを訴えています。僕たちははこちらの仲間と相 談して森口記者の通信を添付し、先輩、仲間、親しい友人である皆さまが次の行動を 取られるよう、呼び掛けることにしました。

(1)家族、知人に話してください(2)可能な限りメールを転送して呼び掛けを(3)メディア に関わる仲間、組織は同僚メディアに対して事件を取り上げるよう、最大限の働きか け(なすべき当然の圧力)を!

本文(事件内容)は一部、既に発信済みですが、その後の経過(現状)もありますの で、重複を承知で、あらためて送信致します。以下、前文以降の森口記者からのア ピールです。

2001年1月31日 発   辺野古で起きたこと                                               森口 豁 

アピール(抗議文)と、基地反対協議会の平良夏芽さんからのメールを読むと、青年が 受けたの心の傷の大きさと、沖縄米兵の占領者意識ののっぴきならない激しさをひし ひしと感じる。  二人のメールにはこうある(一部略)。

 〈平良さんのメール〉

 『今朝、弁護士と共に本人からの話を現場をたどりながら聴きました。1時間以上 に渡って、こづき回され、他の人が書いてあった「普天間基地はアメリカに持って帰 れ」というメッセージを四つん這い状態で消させられ(膝をつくと、背中を押され再 び四つん這いにさせられたそうです)。またこれも他の人が結んでいた平和のメッ セージリボンをはずさせられ、最後には、砂の上に「SORRY」と書かされた屈辱 は、相当のものです。

 彼は「自分はあきらめても、他の人が同じような目にあうことは許せない」といっ ています。しかし、今後のこともあるので取り敢えず匿名で本人の抗議文を関係各所 に突き付け、その動向を見ながら、本人が表にでるかどうか判断するそうです』

 〈Hさんのアピール〉

 『今回、私が被った事件は絶対に許せないものです。私は沖縄のことを知らずに旅 をしていたものです。那覇に立ち寄った時に辺野古に関連するチラシをもらいまし た。そして、辺野古まで来ました。辺野古に着き、辺野古の浜辺に有刺鉄線が引か れ、砂浜が基地に奪われているのを見てとてもショックでした。そして、それを知ら ない多くの人達に知って欲しいと思いました。その有刺鉄線には「基地は要らない」 というたくさんの人達のメッセージや思いがリボンに書かれてしばってありました。 米兵は私に対してそのリボンを引きちぎるように命令し、強要しました。 私は多くの願いが込められたリボンを引きちぎる行為を許すことは出来ません。そし て私自身がその行為を強要されたことに強い怒りを感じています。 私は私が米兵に されたことを皆さんに訴えます。TVには写らない沖縄があるということを、沖縄の 現状は60年続く戦争状態にあることを、日本中が戦争状態にあることを。このことを 知らない多くの人達に知って欲しい。 沖縄は(日本に)返還されたと聞きました。し かし、私が見た沖縄はいまだに植民地状態にあります。こういう状態を多くの人々が 知らなければとこのようなことが起こらないために』

 なんと不気味な事件だろう。米兵の憎悪の激しとその陰湿さ、執拗さは尋常ではな い。イラクやアフガン体験が、彼らの精神を荒廃させ、人間性を喪失させているのだ ろうか。しかし例えどのような理由であれ、このような行為は絶対に許せることでは ない。 気になることが3つある。その一つは、今回もまた犯人が「3人」だったこ と。95年の少女暴行事件も「3人」だった。他にも3人組による事件はあった。 「3人は社会の始まり」という。人間3人一緒なら理性を働かせる者が一人ぐらいは いるのが普通だ。ところがそうはならない。僕はそこに沖縄の闇の深さを感じる。  二つ目は、アメリカ人、とりわけ兵士たちの対日意識の問題。彼らの心の中に「ブッ シュと小泉」のような“従属関係”、つまり「日本人は何もかもアメリカに従うも の」だとする共通認識がめばえているのではないか、という点だ。だとすれば、日米 同盟の悪しき終着点、というべきだろう。コトは深刻だ。 そして3つ目はマスコミ の問題。今度の辺野古の事件を僕は沖縄からのメールでしか知ることができなかっ た。本土のマスコミでは報道されていないからだ。いったいなぜ報道しないのだろ う。(了)


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