韓国:西欧社会主義リブート、未来のないミレニアルの選択 | |
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西欧社会主義リブート、未来のないミレニアルの選択[イシュー(1)]気候・社会再生産・負債・経済危機…不安と心配から自由な世界を
チョン・ウニ記者 2020.03.09 09:26
![]() ▲「未来のための社会主義」 [出処:ローザルクセンブルグ財団] 「神が私たちにこの土地をくれたのに、 貪欲な家主は家族で争わせ、生存権という名目で残った人々を搾取します。」 1854年のシアトル首長の演説と2011年のオキュパイ・ウォールストリートのスローガンを合わせたようなこの言葉は、 米国映画「ホワイト・ボイス(原題はソーリー・トゥ・ボザー・ユー(面倒をかけて申し訳ありません))」の一部だ。 昨年、主要経済紙のエコノミストが「ミレニアム社会主義」を特集で扱い、 その現象の一つとして紹介した映画だ。 ラッパー兼活動家のブーツ・ライリー監督が2018年に製作したこの映画は、 20代の黒人テレマーケッター、キャシーの成功と対立、 そして反乱をユーモラスに扱う。 エコノミストはこの映画について 「これほど労働組合を素晴らしく見せた映画はなかった」と評した。 この他にも映画はさまざまな話題を生んだが、 収益が製作費に6倍に達し、優秀の全米批評家委員会の独立映画賞と インディペンデントスピリットアワードを受賞した。 この映画の興行のように、今、米国の青年たちに社会主義ほど「ホット」なことはない。 ヒップホップ・クラブでは社会主義雑誌のジャコバンが回し読みされ、 アイオワの民主党大統領選挙競選を控えて社会主義者候補の バーニー・サンダースを支持する「#HotGirls4Bernie」のハッシュタグがフォロー1位を記録した。 英国の世論調査業者ユーガブが10月に調べた結果によれば、 ミレニアル世代の70%は社会主義者に投票すると明らかにした。 この支持率は2018年のギャラップ調査当時の51%から約20%増加した数値だ。 米国の「民主的社会主義者(DSA)」会員は10年前の5千人から現在は約5万7千人に増えた。 また、2月12日に実施されたニューハンプシャー競選では、 ミレニアル世代の47%がサンダースを支持した。 しかし、競争者ブティジェッジは20%、バイデンは4%に終わった。 ニューヨークタイムズやニューリパブリック、ニューズウイークなどの主要メディアは、 いったいなぜ青年たちが社会主義にはまったのか頭をかしげている。 米国の青年たちが始めた「社会主義リブート」にこれ以上どんな言葉が必要だろうか。 ではミレニアル社会主義の突風は米国だけの事だろうか? そうではない。 ヨーロッパでも社会主義は青年たちのホットアイテムだ。 昨年5月のヨーロッパ議会選挙では、緑色党が未来世代の政党に浮上した。 世界の10代による「未来のための金曜日(#FridayForFuture)」ストライキデモが生んだ余波の一つだった。 しかしその後の選挙では、社会主義政党の浮上が眼につく。 最近実施された選挙結果を見よう。 昨年12月12日に行われた英国総選挙でジェレミー・コービン労働党首は保守党に敗北したが、 それでも青年たちから圧倒的な票を受けた。 ユーガブが総選挙直後に4万1995人を対象として調べた結果、 労働党は18-24歳の投票者から56%を得票した。 選挙で勝利した保守党が同じ年齢から得た21%より約3倍多い数値だった。 しかも青年女性の労働党支持率は65%で、はるかに圧倒的だった。 保守党に対する青年女性の支持は15%に過ぎなかった。 緑色党に対する青年の支持率は4%に終わった。 2月8日に実施されたアイルランド総選挙で最多得票した社会主義民族主義政党のシン・フェインも、青年層で最も多くの支持を確保した。 18-24歳の31.8%がシン・フェインを支持したが、 これは2016年に行われた前の総選挙から約2倍増えた数値だ。 しかし、これまで第一党を固守した保守党フィナ・ゲールに対する青年の支持は15.5%に過ぎなかった。 この年代で緑色党が得票した数値も14.4%に留まった。 25-34歳の31.7%もシン・フェインを、17.3%はフィナ・ゲールを支持した。[1] 2019年11月のスペイン総選挙でも18-28歳の有権者の19.8%が社会民主党を支持した。 ポデモスと統一左派政党が連合した『われわれはができる』連合も18.8%の支持率を得た。[2] ドイツでは10月末に実施されたテューリンゲン州選挙で18-29歳の有権者の29%が社会主義者を選択した。 これは各政党がこの世代から受けた支持のうち最も高い数値だった。 また2月14日にドイツ世論調査機関INSAが行った調査で、 テューリンゲン州の左翼党は支持率40%を記録して注目された。 たとえドイツ全国では社会主義に対する反響は停滞する傾向だが、 それでも社民党と左翼党に加入する青年は増えている。 左翼党では2007年に34の独立学生組織と左翼党学生グループが連合して 「左翼党社会主義民主学生連合(Die Linke.SDS)」を結成し、 現在、参加学生グループは64まで増えた。 ドイツ社民党青年組織のユーソス(Jusos)内ではBMW集散化のような議題が提起されている。 ここの会員も2013年の5万人から現在は8万人に増えた。 一方、2017年に実施されたフランスの大統領選挙1次選挙当時、 社会主義陣営から立候補したメランションは18-24歳の有権者から30%の支持を得た。 この数値は執権したマクロンが受けた18%と、 極右ルペンが受けた21%の支持率を大きく上回っていた。 ![]() [出処:バーニー・サンダース ツイッター] ミレニアル社会主義はなぜ?ではミレニアル世代はなぜ社会主義を選択したのだろうか? 両親よりさらに貧しいこの世代は、 資本主義が社会主義よりも自分にとってさらに害になる体制だと信じる。 そしてこのような資本主義には人類の未来がないと見る。 彼らは気候と再生産、負債と経済危機などを資本主義が生んだ矛盾と見て、 未来を心配せずに暮らす自由を追求する。 そして自分を99%だと呼び、体制の代案で社会主義を選択したというのが大まかな評価だ。 現在、ミレニアル世代の現実を示す指標は多様だ。 米国の言論ビジネスインサイダーが米国人の口調査国資料を分析した結果によれば、 25-34歳の賃金は1974年以後、せいぜい29ドルしか上がらなかった。 しかし、大学の学費は1980年代基準で2倍以上増加した。 結果的に学生ローンの債務は1兆5千億ドルを越え、 2018年基準で卒業生1人当りの平均の学費ローンは2万9800ドルに達した。 このような債務負担はミレニアル世代の13%が子供を持たないと決めたと言う程深刻だ。 学資ローンを借りている人々は、生計を問題として家を買うことを先送りしたり自制している。 住宅価格は40年前より約40%上がった。 ミレニアルの回答者の27.7%は住宅担保融資があり、 このうち23%は10万ドル、半分は10万ドル以上を借りていると答えた。 またミレニアル世代の半分以上(51.5%)がクレジットカードの負債を負っている。 カード借金がある人の半分(54%)が5000ドル(約595万ウォン)未満だと答え、 5000ドルから1万ドルを借りたと答えた人も24%にもなった。 残りの4分の1は1〜2万ドル、9%は2〜3万ドル、4.5%は3万ドル以上の借金をしていると話した。 青年の81%が約2兆ドル(約2238兆ウォン)に近い集団負債を負っているのだ。 この負債は自動車ローンと住宅担保ローンも含まれるが、 主に学生ローンの負債とクレジットカードの負債で構成された。 米国の世論調査機関ピューリサーチセンターが行った調査によれば、 2019年に23-38歳の青年世代で鬱病と自殺率がすべて増加しており、 これは孤独と経済的ストレスに関連があることが明らかになった。 一方、米国青年層の心配事は、世界的にも似たパターンで現れている。 英国の多国籍コンサルティング・グループ、デロイトが昨年42か国の青年 13416人にインタビューした結果、 43%は賃金や財政的補償に不満を持っていると答えた。 また、一番心配している問題としては29%が気候変動、環境保護、自然災害、 22%が所得の不平等、21%が失業、20%が犯罪と個人安全、20%が政治と企業の腐敗、 19%がテロリズムを選んだ。 つまりミレニアル世代の所得は他のどんな世代より低いが、 さらに多くの学費と賃貸料を払う。 それで恋愛、結婚、出産、家など、放棄するものが増える。 溶けて流れる地球と戦争と内戦、 テロによる不安も目の前に到達した。 彼らは体制に対する質問を持たないほうが、むしろさらにおかしいと反問する。 未来のための社会主義では社会主義者はどんな代案を語るのか? 彼らは少数に集中する社会を多数のための社会に変えなければならないと話す。 1%だけのために作動する現在の体制を変えなければならないということだ。 そして富の源泉の生産を労働者の99%が統制し、 社会が個人の面倒を見る体制が作動するべきだと見る。 ミレニアル世代の支持を一番多く受けているバーニー・サンダースの公約にも こうした哲学が含まれている。 サンダースは「私よりも私たち」をモットーに 皆のためのメディケア(全国民医療保険)、無償大学教育、グリーンニューディール、 性平等賃金、任期内労働組合員2倍拡大など、 資本家ではなく労働者と女性、性少数者の側に立つ点を明確にした。 ▲この調査はニューメディア、エクシオスの依頼で米国世論調査機関ヘリスポールが昨年4月16日から18日まで18歳以上の有権者2024人を対象に実施した。 英国労働党のジェレミー・コービン党首が2017年の英国総選挙で掲げたスローガンも 「少数ではなく多数」だった。 総選挙では「本当の変化のための時間」というモットーで 「労働党は、銀行家、億万長者、既得権者ではなく民衆のもの」と話した。 当時、英国労働党が提案した社会戦略は、鉄道や郵便、上水道とエネルギーのような 主要産業の国有化とグリーンニューディールによる緑色産業革命、 そして普遍的福祉だった。 米国映画「ホワイト・ボイス」で主人公のキャシーと対立関係にある企業の名前は 「ウォリーフリー(Worry Free、心配から自由)」だ。 人材供給業者のウォリーフリーが生計の心配から解放するとして提示した選択肢は奴隷契約だ。 現実を見れば、単に作り話だとばかりは言えない。 結局、問題は社会が誰の未来のために作動するのかだ。 2017年に世界的なフェミニストストライキに積極的に飛び込んだ アルゼンチンのフェミニスト政治学者、ベロニカ・ガーゴは 「革命は未来のためのもの」と話す。 今、ミレニアル世代は革命家ローザ・ルクセンブルグが100年前に 「社会主義か野蛮か」と投げた問いをまた尋ねている。
[脚注] [1] https://www.irishtimes.com/news/politics/how-the-youth-vote-played-out-forsinn-f%C3%A9in-and-the-greens-1.4167316 [2] https://elpais.com/politica/2019/12/17/actualidad/1576623321530256.html [3] https://www.economist.com/leaders/2019/02/14/millennial-socialism 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2020-03-31 09:12:42 / Last modified on 2020-04-04 13:00:47 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |