| 韓国:別世界の「ビル資本」の話 | |
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別世界の「ビル資本」の話[ワーカーズ・イシュー(2)]ソウルランドマーク ビルの所有主を探して
キム・ハンジュ、ユン・ジヨン、ウン・ヘジン記者 2019.10.31 08:49
![]() グローバル資本にとって韓国の大型ビルはかなりおいしい投機商品だ。 国内のオフィスビルの取り引き規模は2014年に5兆ウォン、 2016年に8兆ウォンで、2018年には12兆ウォンを記録した。 オフィスを含む商業用不動産の場合、 昨年の取り引き金額は19兆ウォンを越えた。 昨年のソウルの取り引き規模は、ロンドンとニューヨークに続いて世界3位を占めた。 ソウルがビル投機の都市として位置を占めた形だ。 「豊富な流動性と韓国銀行の金利引き下げの動きに力づけられて、 オフィス投資市場は当分好況を続けるものと観測される」。 (JLL、2019年2分期オフィス投資市場報告書) 「国内経済の成長の勢いが緩やかになると予想されている中で、 2020年の大型プロジェクトの竣工を控え、 不確実性に備えて資本効率性を拡大するための売却と社屋需要者の買入が増加している」 (SAVILLS、2019年2分期ソウル プライム オフィス ブリーフィング)。 「2019年の賃貸市場の回復傾向とともに、投資市場の取り引き規模が増加した。 潜在的な空室リスクを保有するオフィス資産を買収し、 リノベーション、用途転換、再開発する資産価値向上、 および収益極大化を追求する戦略は、 今後も活発に検討されるものと見られる」 (CBRE、2019年不動産研究報告より)。 投資業界はビル不動産の不敗神話が続くと展望した。 2019年上半期のオフィスビルディング取り引き規模は6兆6千億ウォン、 2018年上半期の取引額6兆1千億ウォンより多い。 再び史上最高を記録するものと見られる。 空室率が低下し、賃貸収益に対する期待が高まり、 したがってビルの取り引き、投資規模まですべて増加したと業界は説明する。 空室率はビル代金に大きな影響を及ぼす要因だ。 建物を所有していても、賃借人を募集しなければ収益があがらないからだ。 ハンファエステートがソウル地域の延面積3300m2以上のビルを調べた結果、 2017年には10%に迫っていた空室率は2019年1分期は7.4%まで落ちた。 ビルの規模が大きいほど、取り引きが活発になる。 国土交通部によれば、昨年ソウル地域の取引額は、 オフィスビルディング取り引きは2千億ウォン以上が8件、 1千〜2千億ウォンが5件、5百〜1千億ウォンが5件、5百億ウォン未満がたった2件だった。 2千億ウォン以上の取り引きは2013年3件、2015年4件、2017年7件と増え続けたが、 それ以下の価格のビルは明確な増加傾向を見せなかった。 延面積9900m2以上の大型オフィスビルディングの75%は 鍾路区一帯都心圏域(CBD、28%)、江南圏駅(GBD、31%)、汝矣島圏域(YBD、16%)に集まっている。 延面積66100m2以上のプライム級ビルは都心圏域に29件、江南圏駅に18件、汝矣島圏域に11件がある。 プライム級ビルが主導するオフィス取り引き市場の平均売買価格は、 1m2当たり2009年350万ウォン、2012年417万ウォン、2015年471万ウォン、2018年には523万ウォンと急騰した。 ![]() 海外資本もソウルのビル収益率に早目に感づいた。 すでに多くの海外資本がソウルでビルを所有したり、 すでに転売して大きな相場差益を残した。 2017年米国のコールバーグ・クラビスロバートと香港のLIMアドバイザーズが ザKツイン・タワーを売却して約2千億ウォンの収益を上げ、 2015年にはUAEアブダビ投資庁などがステートタワー南山を売って1千億ウォンもの収益を上げた。 不動産コンサルティング企業のアビソン・コリアによれば、 海外の投資家が買収したソウル オフィスの総額は2012年に2兆ウォン、 2014年に3.5兆ウォン、2018年に4.4兆ウォンまで増加した。 売却金額も2012年に1兆ウォン、2016年に2.4兆ウォン、2018年には2.8兆ウォンまで上がった。 別の不動産コンサルティング会社のコリアーズによれば、 最近5年間の海外投資家の投資分布は、 オフィスビルが71%、リテイルが12%、開発8%、物流6%、ホテルが4%であった。 海外の不動産投機資本がビルを中心に動いているのだ。 大型ビルの取り引きが不動産市場に火をつけ、不動産ファンドも急増した。 金融投資協会によれば、全体ファンド対応不動産ファンドの割合は 2014年に7.8%、2016年に9.7%、2018年には13.7%まで沸き上がった。 不動産REITs(不動産投資信託)もまた総資産が2017年8月に29.2兆ウォン、 2018年6月に38.6兆ウォン、2019年8月には46.5兆ウォンに増えた。 不動産ファンドは投資家が一つの組合を作り、 実物資産に投資するもので、 REITsは不動産投資会社の株式を買収し、 建物運用による収益を投資家と共有する集合投資機構だ。 どれも不動産間接投資商品だ。 政府も不動産ファンド市場を後押しする。 文在寅(ムン・ジェイン)政府は去る9月、公募REITファンド活性方案を発表した。 昨年末には6兆ウォンだった公募REITファンドの規模を2021年までに60兆ウォン規模に増やすことが目標だ。 私募96%、公募4%の不動産投資市場で、公募を10%まで押し上げるという方針だ。 私募は少数の特定投資家を対象にしているため進入障壁が高く、 高額投資家だけの商品と見なされてきた。 しかし公募は不特定多数を募集する形でなされ、外部監査などの規制を受ける。 政府はこうした公募REITファンドで発生する配当収益を9%(投資金額5000万ウォン限度)の税率で分離課税することにした。 一般利子・配当など金融収益に対する税率は14%だ。 この他にも政府はREITs取得税減免を検討して、 投資対象物量拡大にも積極的に動くと明らかにした。 8・2対策、9・13対策などで住居用不動産投機を抑えて、 商業用不動産投機を活性化させる意図だ。 事実、このような不動産間接投資の危険はかなりのものだ。 金融監督院の電子公示によれば、都心圏域のグランソウルビルを所有する コクレプREITsの投資危険度は「非常に危険」段階の1等級だ。 最近の契約競争率が63.28対1で話題を集めたロッテリッチも1等級だ。 新韓アルファREITsも1等級だ。 それでもREITsとファンドは「コーヒーの値段でも投資することができる」として莫大な資金を集めている。 このような投資付和雷同の現象で、実物資産は実際価値より高く策定され、 実物資産が崩れるとこれに関連する派生商品もまた被害を受けるという憂慮も存在する。 本質的に収益を最優先とするREITsとファンドは、 不動産賃貸料を最大限に高くする搾取の方式で運用される。 一件に1兆ウォン、一年に数百億ウォン上がるソウルのビルの森は、 資本の運動場だ。 相変らずソウルのあちこちにビルが建ち、リモデル工事が忙しく、 フランチャイズを入居させようとやきもきしている。 さらに資本主義的な姿を備えていく都市の姿。 ビルに入ることもできない5人未満の事業場の労働者558万人、 住居貧困に苦しむ45万青年世帯の姿とは対照的だ。[ワーカーズ60号] 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2019-11-03 03:53:36 / Last modified on 2019-11-08 02:33:31 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ | |