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サムスン嘆願書労組幹部、なぜサムスンとディールをしたか

[ワーカーズ・イシュー]サムスン、過去金属労組中央幹部相手にも『抱き込み』試み

ユン・ジヨン、キム・ハンジュ記者 2018.05.24 10:56

労組破壊容疑で拘束されたサムスン電子サービスのチェ・ピョンソク専務の善処嘆願書を書いた労組幹部J氏が、 4月17日、労使直接雇用合意にも介入したと知らされた。 J氏はこれまで2014年のサムスン電子サービス ブラインド交渉以後、 労使交渉から手を切ったと明らかにした。 だが4月17日の労使直接雇用合意直前まで、 J氏はチェ専務と会った水面下交渉を繰り広げた。

[出処:キム・ヨンウク]

J氏、4月第2週にチェ・ピョンソクと会って『嘆願書』で直接雇用提案
サムスン電子サービス支会「J氏とは無関係、労使調整で直接雇用合意」

J氏が4月21日に金属労組京畿支部運営委会議で述べたことによれば、 去る4月第2週にチェ専務がJ氏に出会いを要請し、検察のサムスン労組破壊捜査に対する対策を尋ねた。 この出会いでサムスンがJ氏に子会社を通じた雇用方式を提案し、 J氏は「直接雇用発表」と「サムスン無労組戦略廃棄」の2種類を要求したと明らかにした。 チャムセサンが入手した録音記録によれば、 J氏は「(チェ専務が)直接雇用は無労組経営が事実上崩れるのでとても難しい決定だとし、 (チェ専務に)直接雇用を今すぐ発表すればあなたが私と(2014年)交渉ラインだった事実を裁判所に証明する、 それではあなた罪が軽減されないか(と言った)」と証言した。

出会いの後、J氏はこの事実を金属労組サムスン電子サービス支会に報告したと見られる。 J氏は陳述で「(チェ専務と)会った事実を支会に話し、『揺らぐことなく直接雇用一貫して推し進めろ』、 『そうすれば可能かもしれない』という意見を支会に出した」とし 「4月の週末に支会から『直接雇用に対する合意文をすぐ発表することになりそうです』という連絡を受けた。 そのままそうしろといってはいけないので金属労組委員長と民主労総委員長に緊急に報告しなければならない、 そう注文をして金属と民主労総に報告するようになった」と主張した。 5月初め、チェ専務はまたJ氏に裁判所に事実証明をしてくれと要請した。 J氏は直接雇用の後続交渉に影響することを考慮して、嘆願書を渡したものと証言した。

J氏は嘆願書の議論以後、サムスン電子サービス支会などの要請でこのような事実に口を閉じたと明らかにした。 J氏は「嘆願書問題が生じた時も、本質は直接雇用争奪で後続事業をしなければならないので、 おかしな論争にならないように支会や他のところで当分沈黙を守ってほしいと言うと、沈黙を守るといった」と説明した。 J氏は2014年に議論を呼んだブラインド交渉を主導してきた人物だ。 当時、労働界の内部で交渉方式に対する問題提起があった時も、彼は沈黙を維持した。 J氏の陳述によれば、2014年の交渉で元請交渉ラインができ、その後、彼は元請と労組の間で意見を伝えて仲介する役割をしてきたと知らされた。 当時のブラインドの慣行が、水面下で「合意」と「嘆願書」をバーターする「ディール」にまで続いたわけだ。 J氏は近い将来嘆願書と嘆願書を書くことになった経緯などを公開する予定だと明らかにした。

しかしサムスン電子サービス支会はJ氏とは無関係に 4月14日、使用者側実務者と会って意見を調整し、 支会統合運営委で直接雇用合意に至ったと明らかにした。 サムスン電子サービス支会のナ・ドゥシク司会長はチャムセサンとの通話で 「その問題(直接雇用に関する使用者側との意見調整)が整理された後に J氏が(支会の)事務室に立ち寄って『サムスンで直接雇用に関する議論がある』と話した」とし 「(当時J氏は)私たちが(直接雇用に)合意したことを知らずにいたが、 それが(J氏が支会側に直接雇用議論事実を知らせたこと)助言だと(主張した)」と反論した。

また彼はJ氏が嘆願書を作成した事実を知っていたかという質問に 「チェ専務という人から組合員たちが5年間大きな苦痛を受けたのに、 それを(嘆願書を)受けるか」とし 「(J氏が)これを(支会に)話したとすれば(組合員たちが)じっとしていない」と説明した。 支会がJ氏に沈黙を要請したという主張に対しては 「そんな部分を議論したこと自体がおかしくないか」とこれを否認した。 彼は現在金属労組側にJ氏と関連した真相調査を要請した状況だと明らかにした。

[出処:キム・ヨンウク]

サムスン、労組幹部の『買収』は過去にもあった
現場労働者たち「強力処罰」声明

一方JTBCは4月22日、サムスンがJ氏から労組が協力業者別協約に捺印するよう促して、 J氏の妻が運営する業者と契約を結ぶと文書に明示したことを検察が把握していると報道した。 これに関連して、サムスンがJ氏だけでなく、金属労組中央幹部にも抱き込みを試みたという主張が出てきた。 パク・ユスン前金属労組未組織非正規事業局長は2013年のチェ・ジョンボム烈士死亡後、 支会がサムスン瑞草社屋の前で野宿座り込みに入る前、 サムスングループの関係者が自身に『商品券が入った厚い封筒』を渡そうとしたと明らかにした。

パク前局長は「ムン・ソンヒョン(現労使政委員会委員長)氏が田舎にいる時、 (彼に)サムスン側の関係者と会えるように橋をかけてくれといった。 しばらくしてサムスン経済研究所で常任顧問をしていた韓国労働研究院院長出身のL氏が連絡してきて、食事をして、 私はこの席でグループ次元で交渉が開かれればいいと話した。 こうした趣旨の話をして夕食を終えて出ようとすると(L氏が)商品券が入った厚い封筒を渡そうとした。 (封筒を)受け取らずにいると会社が出したので受け取れといった」と説明した。

続いて彼は「J氏の場合、さらによく会ったので真相調査が必要だ。 私がL氏と会った時は交渉が始まる前だったが、交渉の大詰めには大きな金額が行き来するので、 そのような形で(買収)する可能性が高い」とも話した。 パク氏は「結局サムスンがP(J氏の夫人)氏と契約をしたが、P氏が拒絶をしなかったのも問題があるとみられる。 サムスンはどれほどおかしいと思っただろうか」とし 「金属労組も大きな問題になるかもしれないので徹底的に調査しなければならない」と繰り返し強調した。

金属労組現場労働者の糾弾声明も続いた。 現代起亜車非正規職支会、韓国GM非正規職支会などの労組代表者らは 「サムスン労組破壊を総括指示してチェ・ジョンボム、ヨム・ホソク烈士を死に追いやった者の不拘束を主張した嘆願書は有り得ない」とし 「労組弾圧に対抗して、最も先頭に立って、殺人者が軽い処罰を受けないように闘争すべき金属労組幹部が行った反労働者的行為を決して見過ごしてはいけない。 再びこのようなことが発生しないように、徹底的に調査して除名措置しなければならない」と明らかにした。

一部では労使の『対話ライン』で活動してきたJ氏の『魔女狩り』ではないかという主張もある。 金属労組京畿支部役員は去る21日、金属労組側にJ氏に対するレッテル貼りを辞めろという提案書を提出した。 J氏の嘆願書が交渉戦術だったという主張だ。 彼らは提案書で「一部ではJ執行委員が個人欲でサムスンの支援を受けて嘆願書を書いたかのように糊塗しています」とし 「私たちが確認したことによれば、彼は『直接雇用』を引き出すための交渉戦術として嘆願書を活用しました」と主張した。 彼らは金属労組にJ氏が嘆願書を提出した経過と内容に対する真相調査を要求している。 一方、金属労組は規約規定により、来る29日の中央執行委員会でJ氏の懲戒を議論する計画だ。[ワーカーズ43号]

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-07-16 10:11:00 / Last modified on 2018-07-16 10:11:01 Copyright: Default

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