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News Item 20170911
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国防部の時計も回るが、平和の時計も回る

[ワーカーズ ルポ]韶成里にTHAADが配置された日

チョン・ヨンギル ニュースミンの記者 2017.10.02 05:22

つぶれたテント、片方がなくなった靴、はぎ取られた服が墓になった。 家財道具で作ったバリケードの上で戦いを準備した映画「レ・ミゼラブル」の一場面のように、 慶北星州郡草田面の韶成里公民館の前の道路には、その日の破片がそのまま残っている。 9月8日、ト・グミョン(80)氏は韶成里の村に来た放送関係者キム・ジェドン(43)氏を捕まえて凝りを吐き出した。

「キム・ジェドンもうれしくない。 どうすんだ、もう。 キム・ジェドンが文在寅(ムン・ジェイン)に韓国語をちょっと教えてやらなくちゃ。 キャンドルでこちらの味方になるふりをしながら、それでTHAADを持ってくるのか。 THAADを持って行けと言うんだ。 私たちの願いだ。 THAADだけはみな持っていけ。」

とばっちりを食ったキム・ジェドン氏は口をぎゅっと閉ざして、腹を立てた住民たちの話を静かに聞いている。 韶成里の住民たちがジェドン氏を捕まえて訴えるのは理由がある。 住民たちが一番よく知っている有名人だからだ。 テレビに登場する多くの政治家たちは、韶成里に立ち寄らなかった。 7日の晩に韶成里に来た正義党の金鍾大(キム・ジョンデ)議員が唯一の政治家だった。 THAAD発射台を追加搬入した政府の悪口を思い切りできる相手がジェドン氏であった。 与党の国会議員は沈黙し、発射台4基を追加搬入した文在寅(ムン・ジェイン)大統領に怒りをぶつけるおばあさん、おじいさんたちは、 インターネットで徹底的に嘲弄された。 「みんな自業自得だ。洪準杓(ホン・ジュンピョ)に投票して言う言葉がない」という調子で。 そうして星州は徹底的に孤立させられた。 国家に言われるまま一生を生きてきた星州住民たちは、 THAAD(高高度ミサイル防衛体系)配置に抵抗したという理由で市民権を否定された。

2日間、孤立した大韓民国慶尚北道星州郡草田面韶成里
THAAD発射台追加配置作戦は誰のためだったのか

6日午前8時に一本の電話がかかってきた。 「今日準備しなければならないようです」。 国防部の関係者であった。 大邱中心部から抜け出して星州邑をすぎた。 905番地方道をさらに25分行って、韶成里村会館の前に到着した。 午後3時30分、THAAD配置撤回韶成里水曜集会を終えた星州・金泉住民と連帯者は一糸不乱に動いた。 THAAD基地に向かう村会館の前の道路を車両でふさぎ始めた。 車両の間にひとりが座れる空間を作り、車両2台を鉄棒で溶接した。 午後4時になって150余人が車両の暇間をぎっしりと埋めた。 午後5時30分頃、国防部がTHAAD発射台追加搬入を発表し、 他の土地から連帯者が一人二人と韶成里に到着した。 警察もいち早く動いた。 全国あちこちの警察は 「大韓民国慶尚北道星州郡草田面韶成里」にナビゲーションをセットした。 村が出来て以来、人口密度が最も高くなった瞬間だった。 公民館前の道路に400人ほどがいたが、もう人員は増えなかった。 四方の道路がすべて警察にふさがれた。 THAAD搬入の知らせで韶成里に駆け付けた連帯者100人ほどは、 3km離れた道路で地団駄を踏むばかりだった。

「村住民の皆さん、皆さんの主張は十分に支援します」。 午後9時が過ぎて、警察の宣伝カーから解散警告放送が始まった。 ただ一度も「補償」に言及したことがなかった星州・金泉住民たちの顔が赤くなった。 「みんないらんよ。なんでたわごとを言うんだ」。 それから隣に座った人と堅く腕を組んだ。 警察の警告放送と住民たちの叫び声が衝突する渦中にも、 公民館の片隅ではおにぎりを作る手が忙しかった。 一日前に配置を通知するといったので、夜中に戦わなければならなかった。 セヌリ党の党員で、THAADと出会った後に職業も変えて1年以上、 THAAD反対闘争をしているイ・ミンス(38)氏がコンテナに上がって撮影している記者に水とおにぎりを渡した。 対峙して6時間経った深夜12時頃、警察が動き始めた。 400日以上THAAD反対のたたかいをして政治・安保博士になった星州金泉の住民の顔が見えた。 すぐに作戦が始まった。 押して、引くということが繰り返される中で、 警察の足場の面積が少しずつ広がっていた。 住民と連帯者たちはアスファルトの地面に横になって寝て抵抗したが、 時間の問題でしかなかった。 あちこちから悲鳴が聞こえた。 声をあげた救急車は混乱した道路を見て帰り、ひとりで簡単な診療道具を取りまとめてきたソンジュヒョ病院のノ・テメン(55)院長だけが忙しく動いた。 白いチョゴリと黒いチマを着て地面にとぐろを巻いていた円仏教の教務たちが一人二人と引き出され、 大きな十字架を持って警察の前に立っていた文奎鉉(ムン・ギュヒョン)(68)神父も引き出され、また座り込むということを五回も繰り返した。 座り込んでいた市民を押し出した20代の若い警察10数人も息を切らせて苦しんでいた。 修羅場だった。 「君たちはどこの国の警察か」という怒号と共に 「米国の警察は退け」、「THAADは行け、平和よ来い」というスローガンだけが韶成里の明け方の空に散った。 午前2時にドイツから国際電話がかかってきた。 出ずに放っておいたが三回目に電話を受けた。 「後で電話してください」と話したが、受話器の向こう側から 「Do you speak English?」が流れ出た。 とにかく「OK」だけを繰り返した。 全世界が韶成里を見ていた。 その瞬間、ロシア歴訪に行った文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、 この場面を見て何を感じたのか気がかりだった。

午前5時30分、夜が明け始めると、住民たちはまた外に押し出された。 警察の救難車が入ってきて車両を1台ずつ引き出し始めた。 車両の中で扉を閉ざして抵抗する住民たちもすぐ引き出された。 公民館の屋上で、60代のある男性が続け様にタバコを吸いながら、再び上を見ていた。 彼は「はぁ...なんで4月26日とこんなに同じなんだ。 また防げなかった。 1年以上、どんなに熱心に戦ったのか...みんな入ってくる」と深くため息を吐き出した。 何も言えなかった。 午前8時11分頃、THAAD発射台4基と工事車両20数台があっという間に通り過ぎた。 屋上にいた村の住民はTHAAD発射台が入る様子をながめた後にまぶたを閉じた。 徹夜作戦で疲れた警察数十人も頭を深く下げて目をとじていた。 政府が変わる前の4月26日、午前2時に配置されたTHAADは、 文在寅政府では日が昇った後だったということが違うと言えば違った。 国防部は直ちに「残る発射台4基の慶北THAAD基地臨時配置を完了した」と発表した。

傷と怒りで日常を奪われた人々。
それでも国防部の時計は回り、平和を望む人々の時計も回る

8日に韶成里で会った顔たちは、そっくり固まっていた。 そして韶成里公民館前の道路にまた作られたテントには 「THAAD積弊受け入れ、文在寅朴槿恵になるのか!」という横断幕がかかっていた。 100m離れたソソン保健所の前の警察の姿も相変わらずだった。 午後5時に韶成里から10分の距離の草田面事務所の向い側の食堂に入るために車を止めた。 外から来たバンが止まり、「THAADはどこに設置されたのですか?」と尋ねた。 窓の向こう側の車の内部には太極旗と星条旗が載っていた。

星州邑(ソンジュウプ)に出てきて「朝鮮半島THAAD配置反対」の横断幕を掲げて商うある食堂に入った。 食堂の主人が尋ねた。 「これからどうしますか?」記者が話した。 「上げ潮があれば引き潮もあります。 入ってきて永遠に出て行かないということがありますか」。 食事をして電話一本をかけた。 7日、THAAD発射台追加配置を防いで肋骨にひびが入った星州住民、ペ・ミヨン(38)氏であった。 笑わなければ大丈夫だよ、まだ終わっていないと言う彼は、何日か後に入院した。

16日、韶成里で開かれた汎国民平和行動で、イム・スンブン(64)婦女会長は 「THAAD配置以後、われわれ住民は互いに見るだけでも泣きました。 真夜中に眠っていて夢でもTHAADが入ってくるのを見て、 朝の4時に公民館に飛び出してきたおばあさんもいます。 その日から睡眠剤を飲まなければ眠れません。 住民の苦痛は話せないほどです。 皆さんが私たちの手を握ってくれれば、弱気を振り切って長い闘いをしたい。 THAADが撤去される日まで、短い時間ではなく、長い戦いを準備して、 THAADがなくなるまで戦います。 私たちの手を握ってくださいますか」と話した。

もうすぐ秋夕だ。 昨年の秋夕にも星州の住民たちは一日も休まずにキャンドルを持った。 今年もやはりキャンドルを持つ。 星州でマクワウリパンを作る店「パンヤ」を運営するパン・ミンジュ(39)、キム・サンファ(38)、イ・ミンス氏は秋夕を控えて忙しく働く。 その一方で、安山、ソウル、群山などの全国各地を縫う「パランナビ遠征隊」のバスに乗る計画だ。 国軍兵士の生活にストレスを受ける側が自嘲しながらという話がある。 「それでも国防部の時計は回ると」。 そうだ。THAADを配置した国防部の時計も回るが、平和を望み、市民の抵抗権を発動した彼らの時計も回る。 日が沈まない国だった大英帝国も、「解放されるとは思わなかった」と日本帝国に賦役した歴史も暮れていった。 星州郡庁の前のパランナビ広場と韶成里村会館の前には 「THAAD配置反対」と「文在寅政府成功」を祈って焼身した故チョ・ヨンサム氏の焼香所が設置された。 「THAADは行け、平和よ来い。」(ワーカーズ35号)

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-10-10 03:00:23 / Last modified on 2017-10-10 03:00:24 Copyright: Default

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