韓国:餌には賛成だが、釣られるのは嫌だ | |||||||
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餌には賛成だが、釣られるのは嫌だ[ワーカーズ]何でも言っちゃうフェスティバル
ソン・ジフン(沃天新聞記者) 2017.06.05 14:03
今になって告白するが、2012年の大統領選挙で私は文在寅(ムン・ジェイン)に入れた。 その頃多かった酒宴で「文在寅(ムン・ジェイン)が李明博(イ・ミョンバク)や朴槿恵(パク・クネ)と何か違うか」と言った。 FTAや大秋里、非正規職法、扶安、イラク派兵等等。 参与政府は李明博と朴槿恵政権と同じぐらい、 あるいはそれよりさらに労働者と農民、民衆を困らせた。 その時も今も考えは変わらない。 だがそれでも私は文在寅に入れた。 今度はちょっと早く告白すれば、私は沈(シム)サンジョンに入れた(しかも私一人静かに沈サンジョンを入れただけでなく、 周辺に沈サンジョンに入れようと促した)。 相変らず多かった酒宴で私は「沈サンジョンはまた文在寅と何が違うか」と言った。 進歩政治を僭称する自由主義政治、フェミニズムを自任して、 党内で荒れ狂う「韓男虫(訳注:ミソジニー男を卑下するミーム)」には微温的な態度を示す卑怯さ、 血と涙が激しく積み上げた進歩政党の成果を食いものにした日和見主義。 そんな話をした。 こうした考えも当分変わらないようだ。 それでも今度は沈サンジョンに入れた。 [出処:資料写真]
#餌にひっかからないでください当然だが文在寅が大統領になったと言って、あまり変わることはない。 新しい大統領は仁川空港の非正規職労働者たちを正規職に転換するといったが、実状、仁川空港の非正規職労働者たちは直接雇用の正規職転換より、 賃金などの労働条件はそのままで無期契約職に転換する「中規職」になる可能性が高い。 文大統領が仁川空港を訪問した時、こうした憂慮を提起した労働者に 「一度にすべてを得ようとするな」と答えたことがさらに憂慮を大きくする。 仁川空港公社が「良い雇用TF」を作って子会社の設立に言及したのも同じ脈絡だ。 正規職化、労働中心のような言葉は事実、餌だ。 餌の甘い誘惑について行った結果、非正規職法案ができ、大秋里とイラクには軍隊が派兵された。 餌にひっかかれば実状、私たちの人生は彼らの政治に抱き込まれる。 その抱き込みは彼らのアリバイになる。 彼らは相変らずこう話す。 「われわれは君たちのために最善の努力をつくしたんだ、 君たちも喜んだじゃないか」。 残念なことは、まだ自分たちがひっかかっていることを知らない網の中の魚だ。 正義党に表象される韓国の「進歩政党」も同じだ。 本来、進歩運動は殆どの権力と資本に敵対的なスタンスを取ることで「他のもの」を作り出す。 敵対することで亀裂を作り、その亀裂に進歩と政治の空間を作る作業。 しかし進歩政党は進歩より政党を重視したことで公的領域と権力に抱き込まれた。 進歩「政党」の政治は新しいものへの転覆ではなく、体制を容認することによって得られる安定した地位に限定された。 「社会的合意が容認する進歩」、「お兄さんが認めたフェミニズム」のようなことだ。 チュンシギ・バンドによる女性嫌悪の歌詞への対応方式や、キム・ジヨン声優の不当解雇に続く党内のメガリア論争に対処する正義党の方式がそうだった。 「安定した進歩」の餌にひっかかれば、想像力と自活性を剥奪される。 亀裂を恐れるようになり、結局は体制に順応するようになる。 #それでも餌を捨てないでください文在寅や沈サンジョンが大統領になっても私の人生は変わらないと、こうしてべらべら話しながらも、
まさに彼らに入れた理由はあるいはそれが「連帯」の本質かもしれないと考えたためだ。
連帯とは本質的に互いが持つ力を利用することだ。
2012年、文在寅は双竜車解雇者の復職を最優先にすると公言した。
当然、彼の話を全て信頼したりはしなかった。
彼は当時、労働問題の象徴のような双竜車に言及することで、自分の改革イメージを強固にしようとしただけだ。
彼が大統領になったと言っても、双竜車の解雇労働者が一挙に復職することはなかっただろう。
それはせいぜい大統領ごときにできることではないから。
しかし少なくとも労組が朴槿恵政権よりは、もう少し有利な立場で闘争して交渉することはできただろう。
大統領の「言及」の力はぴったりそこまでだ。
そしてぴったりそこまでのために、私は文在寅に入れた。
文在寅は票を得て「私たち」はぴったりそこまでを得たのだ。
今回の選挙で沈サンジョンに票を投じた理由も同じだ。
ずっと劣勢だった沈サンジョンが、TV討論で性少数者問題に自分の1分を割愛した瞬間、
遠くからやってきた性少数者の青年を抱きしめたその瞬間、
沈サンジョンの支持率グラフが動いた。
政治家を利用することは、彼らを論理的矛盾に追い込むことだ。 彼らが大統領になりたくて票を得ようとしてまわる時と、その後の言葉が変われば、 われわれは言葉の武器を握って彼らを促す。 あるいは死んでも彼らはだめだと言う人は、その恩恵授与と権力の大きさをすでに認めているのかもしれない。 ただ当初から彼らを念頭に置かなければ、利用できるものは満ち溢れている。 釣り針を避けながら、釣り餌を少しずつかじり取る方法は多い。 私はひっかかるのは嫌いだが、餌には賛成する。[ワーカーズ31号] 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2017-06-09 13:33:56 / Last modified on 2017-06-09 13:33:59 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |