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初等保育まで民営化手順を踏むか…保育専担士がストライキ予告

保育専担士「11月初めに1次警告ストライキに突入する」

パク・タソル記者 2020.10.15 16:33

全国国公立の保育園が民間に委託運営され、 あらゆる不正があらわれる渦中で初等保育までが民間委託で運営される公算が大きくなっている。 初等保育業務を地方自治体に移管する内容の法案に力付けられているが、 初等保育専担士は運営力量がない地方自治体に移管されると 民間委託が避けられないと主張している。 保育労働者たちは、政府が保育教室を地方自治体に無理に移管すれば ストライキを辞さないという方針だ。

公共運輸労組全国教育公務職本部は10月15日に記者懇談会を開いて 「全日保育体系特別法」に対する憂慮を明らかにした。 権七勝(クォン・チルスン)(共に民主党)、姜(カン)ミンジョン(開かれた民主党)議員がそれぞれ 6月と8月に全日保育体系特別法を代表発議して国会に係留中の法案だ。 主要教員団体らはこの法案を喜んでいて、 教育当局も初等保育教室の地方自治体移管に同調している。

二本の法案は「汎政府次元の統合的な全日保育体系構築」と 「地方自治体が主体になり地域条件に合った保育サービスを提供」することを提案の背景としている。 特にミンジョン議員が代表発議した法案は、 「学校に付与された保育の負担を取り除く」という文句で 直接、学校と初等保育の分離を目標にしている。

教育公務職本部は 「全日保育法案の制定自体は歓迎するが、 全日保育法案は公的保育強化という原則の下で 学校保育と地方自治体の保育の均衡的・発展的および有機的な連係、 初等保育全体の統合的運営を制度化させる方向でなければならない」という立場を明らかにした。 続いて「力量が不足した地方自治体が全的に責任を取る保育なので民間委託の道を開き、 現在公的保育のしんばり棒である学校保育の地位と運営責任を規定していない」とし 「これは初等保育の核心主体で公的保育のしんばり棒である市道教育庁の役割を規定せず、 公的保育を危険にする」と指摘した。

最も憂慮される部分は、民間委託で運営される可能性が伺えるということだ。 まず二本の特別法とも全日保育施設の運営の主体を正確に明示していない。 特別法第10条は「全日保育施設を設置・運営する者は施設および人員を備えなければならない」 という資格だけが提示されている。

教育公務職本部は 「運営する者が公共なのか民間なのか分からない。 公的保育を確立しようとすれば、 初等保育施設を運営する者も公的主体でなければならないが、 施設と人員さえ備えれば民間もできるようにした」とし 「法案第18条により施設を無償で借り受ければ、 民間の進入はさらに容易になる」と憂慮した。

特別法第18条は、国家または地方自治体が全日保育施設の設置・運営のために必要だと認めた場合、 国有・共有財産を無償で貸付けたり使用・受益できるようにしている。 教育公務職本部は、これに 「露骨な地方自治体民間委託の道」とし 「初等保育運営を全的に地方自治体が責任を取る場合、 地方自治体はその力量とインフラの不足で官民移管を必要とし、 したがって法案は民間事業者が初等保育施設を無償で借り受けて収益活動のために露骨に道を開いた」と指摘した。

こうした憂慮に対して政府は9月24日の労政間交渉で 「権七勝(クォン・チルスン)議員の法案は、 地方自治体の民間委託を念頭に置いた法案ではない」と釈明し、 「民間委託憂慮については積極的な改善を検討する」と話した。 だが教育公務職本部は「社会福祉施設を運営した経験と力量が事実上何もない地方自治体には、 当然、専門担当組織などの関連行政要件も備わっていないのに、 こうした実態診断と改善なく『地方自治体主管初等保育』を拡大すれば 民間委託運営の慣行は早期に定着する」とし 「今まで地方自治体中心の統合体系というスローガンは、 官民協力という名分の下で民間委託と民間中心協議体運営の活性化に簡単に活用された」と疑いをおさめずにいる。

また特別法第17条で、国家および地方自治体は予算範囲内で保育施設と支援センターの設置運営に必要な財政的・行政的支援ができるという内容があるが、 これさえも義務条項ではなく、 国家と地方自治体が責任を持って初等保育を公的保育に導けるかという疑問が提起される状況だ。

保育労働者、11月初めにストライキ突入の意志を表明

記者懇談会に集まった全国の保育専担士は15年ほどの間、 根拠法がないまま初等保育教室が運営されながら積み重なった問題点を吐露した。 初等保育教室事業は収容人員全体(42万4081人)のうち約70%にあたる 29万358人の世話をして初等保育の中枢的な役割を果たしているが、 根拠法がないためいいかげんな運営がされている。

特に、時間制人員を中心として保育事業をその場しのぎで運営しているという指摘が続いている。 全国初等保育専担士のうち8時間常時全日制は18%に過ぎない。 残りは4〜6時間の短時間制雇用で、各種の事務も担当しており保育の質が低下している。 特にコロナ19で緊急保育などが行われ、問題はさらに大きくなっている。

▲小学校保育教室姿[出処:京畿道教育庁]

慶北地域の保育専担士のシン・ドンヨン氏は 「大邱慶北でコロナが大きく広がった時も、 社会的距離が2.5段階に格上げされた時も、 保育教室を続けて27〜28人も世話する状況になった。 おやつや給食の責任を持って防疫業務を遂行して、 あらゆる事務を遂行すると与えられた業務時間の5時間ではカバーできない」と話した。

忠南地域の保育専担士のキ・ジョンエ氏は 「今年のように業務が多く窮屈な時期を送ったのは初めてだ。 空の教室に机一つ置いて始めた保育教室が安定したと考えていたが、 コロナ19が爆発した。 私は事務は少ない方だが、防疫業務もして業務が増えたし、 教師も仕事が増えて対立が触発された」と説明した。 キ氏は「人員に問題があれば補充して、業務分配をきちんとすれば良いのに、 対策もなく無条件学校から出て行けという調子で問題を解決しようとするのは間違い」とし 「政府と国会、教員団体などが主張する地方自治体への移管は(初等保育をめぐる) 火種を安全なところに投げるのでなく、森の中に投げるようなもの」と批判した。

教育公務職本部は11月初めに警告ストライキに突入する計画だ。 10月8日に市道教育庁と学非連帯会議間で2020年の賃金を決める集団交渉が始まり、 毎週1回ずつ交渉をしている。 教育公務職本部のイ・ユニ本部長は 「政府が保育労働当事者の意見聴取も対話もなく 一方的に初等保育を外にだそうとする政策を推進している。 われわれは公的保育としての役割をしっかり遂行できるように、 政府のきちんとした対策を望む」とし 「1、2次警告ストライキをしても政府が初等保育問題について前向きな立場を提示しなければ、 全面ストライキをする」と警告した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-10-21 06:24:01 / Last modified on 2020-10-21 06:24:02 Copyright: Default

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