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「ゼネスト、『声明書連帯』ではなくさらに何をすべきか?」

[2015ゼネスト](3)支援団体は何をしているのか

ユン・ジヨン記者 2015.03.19 08:42

[記者の言葉]今から4年前の2011年、済州道江汀村に1か月以上常駐して取材をしたことがあった。 海軍基地建設に反対する平和活動家と住民は毎日公権力と衝突し、戦いは朝から晩まで続いた。 島に閉じ込められて淋しく苦しい戦いをしなければならないからなのか。 彼らはいつも陸地から来た支援団体に熱烈な呼応を送った。 特に彼らは労働者たちの闘争に多大な関心と愛情を見せた。 当時は韓進重工業整理解雇事態とキム・ジンスク指導委員のクレーン座り込みで噴出した「希望バス」の真っ最中の時だ。 青い作業服を着た韓進重工業の労働者たちが江汀村に到着した時、活動家と村の住民が上げた歓声がまだ生々しい。

翌年うれしい話が聞こえてきた。 民主労総が済州道江汀村で海軍基地建設反対を掲げて全国労働者大会を開くという知らせだった。 活動家と住民も一気に期待をしたようだった。 だがあまりにも期待が大きかったためか。 イベントが終わった後、思いがけない空しい話が流れた。 集会に集まった500人ほどの参加者の多くが公式イベントが終わるとすぐ、どこかに消えてしまったという急報だった。 集会の後、海軍基地工事現場への進入を試みて公権力と体当たりをした平和活動家らは、 あれほど多かった人がおばけのように消えるという珍しい風景に大いに驚いた。 四方が海で囲まれた島の中で、彼らはいったいどこに消えたのか?

昨年、露天商闘争の真っ最中、その地域に取材に行ったことがあった。 用役班は毎日露天商を襲い、路上は暴力と悲鳴で修羅場になった。 連帯団体は順番に夜の集会を開いた。 そしてしばらくして、70万労働者組織の民主労総が集会を主催することにしたという知らせが聞こえてきた。 その時は集会現場を取材できなかったので、イベントの後、露天商の関係者と会って聞いた。 「民主労総が集会を主催したそうですね。たくさん来ましたか?」 「30人程来ました」 「ああ...民主労総から30人ですか?」 「いや、みんな合わせて30人です」。 その時、顔が赤くなったのは、ただ差し出がましい性格のせいだけだろうか。

国語辞典によれば、[連帯]という単語は「多数が共に何かをしたり、共に責任を負うこと」 または「互いに一つの塊に連結すること」を意味する。

「ゼネスト、『声明書連帯』ではなくさらに何をするべきか?」

2月25日午前、プレスセンター国際会議場に各界各層の62の団体が集まった。 民主労総4月ゼネスト闘争を支持し、共同闘争を宣言する記者会見の場だった。 民主労総は今年、ゼネストと市民社会陣営の連帯で、広範囲な闘争局面が作られるとイベントの趣旨を明らかにした。 各団体から参加した100人ほどの参加者は共同闘争決議文を発表して 「われわれ市民社会運動は、すべて民主労総の『労働者・庶民生かす』ゼネストを全幅に支持し、 朴槿恵(パク・クネ)の独走を止めるためにそれぞれの領域で共同闘争を組織することを宣言する」と明らかにした。

[出処:労働と世界ピョン・ベクソン記者]

先日の記者会見に参加した62団体のリストを受け取った。 お馴染みの団体の名前がかなり眼についた。 一年に1、2回程度「汎国民闘争」や「汎国民宣言」といったイベントにいつも名前を連ねる団体だ。 労働、農民、貧民と民衆団体、市民社会、元老、宗教、政党などがまんべんなく混ざっている。 ゼネストまで1か月ほどを残す状況で、民主労総の外の連帯団体は何をしているのだろうか。 つまらない主題だと言って失望を隠せない編集局を後にして、各界各層が宣言した「共同闘争」が支障なく進んでいるのかを調べてみることにした。 まず民主労総事務総局の活動家A氏を訪ねた。 「62団体の共同闘争準備状況はどうですか?」 A氏はなぜそんなことを聞くのかというように無関心に答えた。 「何ができますか。ただ支持声明を出す程度でしょう」。

では直接宣言に参加した市民社会陣営は、どんな考えを持っているのだろうか。 62団体に名前を連ねたある団体の活動家B氏に連絡した。 「ゼネスト」という単語を言うとすぐ 「民主労総は本当にゼネストをすると言っているのですか?」と高い関心を見せる。 記者会見の後、ゼネスト共同対応に関する対話テーブルがあったのかを尋ねると 「全くありませんけど」という返事だった。 それと共に「それが本当に心配の中の心配です。 いくらも残っていないのに苦しいですね。 民主労総はゼネストをうまく組織して、国に警鐘を鳴らすべきなのに...」と心配をならべた。 ゼネストに関する団体次元の事業計画も、まだ何も用意していないという。 心配と関心はあるが、何をするのかもわからず苦しそうだった。

民衆団体活動家のC氏。 ゼネスト関連の共同闘争計画を聞くと 「ただ支持声明を出します。できれば集会も参加して」と話した。 他の計画はないか尋ねると 「本当なら96〜97年のストライキの時も昼には市民が街頭での闘いに共に参加したりした」とし 「働いていない人はストライキができないではないか」と声を高めた。 青年団体活動家のD氏。 彼は逆に記者に質問をした。 「私たちは何をすれば良いのでしょうか?」

ほとんどの市民社会陣営は、民主労総ゼネストの情勢的条件に同意しているようだ。 民主労総ゼネスト闘争を始め、下半期の「反朴槿恵戦線」を拡大すべきだという声もあがっている。 だが、集会に旗を持って参加するだけの「旗連帯」や「声明書連帯」以外の共同闘争は、並大抵のことではなく簡単ではなさそうだ。 民主労総の関係者E氏は 「まず(市民社会陣営は)ゼネストに関心を持って見守るということが基本的な観点のようだ」とし 「大衆組織である民主労総と市民社会陣営は、実際、とても性格が違う。 特に市民社会陣営はスペクトラムがとても広く、活動方式にもさまざまな差があるので難しい部分がある」と説明した。

当初、民主労総は4月16日をゼネスト突入日と考慮していた。 この日はセウォル号惨事1周年になる日だ。 だが内部の日程上、やむをえずゼネストの日を4月24日に延期することになった。 セウォル号惨事汎国民対策委と遺族は惨事1周年をむかえ、 予定通りに15日から18日まで、彭木港と安山、光化門広場などでの追慕集会などを開く予定だ。 民主労総のゼネスト日程と一週間ほどの差があるが、時期的にからんでくる闘争だ。 では個別を越えて、共に主導者が額を突き合わせているのか? セウォル号国民対策委活動家のE氏が話した。 「ゼネストの日を4月16日に要請したが、どうしていも日程が合わず、一週間延ばされました。 その後に民主労総とは具体的な話をしたことはなくて、議論構造もありません」。

連帯団体は何をしているのだろうか

無駄な取材をしているのではないかと意気消沈している時、思いがけない電話がかかってきた。 人権団体で活動しているF氏だった。 「私たちが内部のワークショップを始めようとしているのですが、まずゼネストの話をしてみるつもりです。 工団で働く未組織労働者たちに『ゼネスト』でどう話せるのかという悩みがあります。 どうやら民主労総のゼネストは瞬間的な闘争で終わりそうもなく、今後も工団の労働者を相手にゼネストに関する気流を作ろうと考え始めました。 内部では人権運動がゼネストに参加するべきではないかという話があります」。

[出処:チャムセサン資料写真]

全国障害者差別撤廃連帯(全障連)も民主労総のゼネストと共に闘争を作る方案を検討している。 全障連は障害等級制と扶養義務制廃止を要求して900日以上、光化門で座り込みを行っている。 4月20日の「障害者の日」には、民衆連帯闘争を行う。 彼らは4.20闘争を民主労総ゼネスト闘争と一緒にするという基調を定めた。 全障連の活動家G氏は「たいしたことではない」と恥ずかしがって 「民主労総が熱情的に深くゼネストを考えているようで、日程が重なる傾向もあるようだ」として口を開いた。

続いて「私たちがストライキをするのではないが、私たちの闘争の基調も『総闘争』だ。 もちろん個別の事案ではあるが、生存権の問題で民主労総ゼネストと同じ脈絡にあると考える。 共に闘争を拡大させられればうれしい」と説明した。 全障連は3月20日に民主労総単位事業場代表者決意大会に参加し、4.20闘争を知らせ支持と連帯を訴える計画だ。

以前と較べ、最近は労農貧(労働者、農民、貧民)の連帯がぐんぐん強化されているという話も聞こえる。 貧民団体活動家のH氏は「進歩民衆陣営の常設連帯体である『民衆の力』のスタンスはかなり不明瞭だった。 それで労農貧団体が昨年から懇談会を進めて、今年に入り会議体系に昇格させた。 以前には文書のやりとり程度だったが、現在は労農貧連帯を大衆的連帯に拡張させるようと取り組んでいる」と説明した。 「労農貧も民主労総の4月ゼネストにはかなり意味があるという点に同意しています。 ゼネストを導火線として労農貧連帯を拡張し、民衆陣営で闘争が広がるシナジー効果があがるかもしれないと思います」。

韓国進歩連帯の場合、全国執行委員会などの会議を経て、ゼネスト組織化のための民主労総の「ゼネスト地域実践団」に参加することを確定した。 韓国進歩連帯側は3月6日に開かれたゼネスト関連の討論会で 「ゼネスト闘争が勝利すれば、下半期の反朴槿恵戦線が拡大すると見ている。 民主労総が地域実践団参加を要請したので、積極的に参加することに決定した」とし 「ゼネスト地域実践団が11月の民衆総決起まで闘争を続けることを目標として、 ゼネストの実現方法を議論している」と説明した。

3月18日には約300の民衆、市民社会陣営が総集結した「チャン・グレ生かす運動本部」が発足した。 非正規職法、制度廃棄と非正規職労働者権利保障などの活動を行うためだ。 彼らは4月末から5月初め、政府の非正規職総合対策と最低賃金に対する全国民的国民投票を進める計画だ。 6月には全国主要都心を拠点として「10万チャン・グレ大行進」が続く。(続く)

「ゼネスト企画団」と「ゼネスト実践団」で組織化を始動

民主労総もさまざまな経路を通じ、内部でゼネスト組織化を始めている。 現在、民主労総委員長の直属機構として「ゼネスト企画団」が構成されている。 企画団は、民主労総の現場意見グループを主軸として、市民社会や政党なども一部参加している。 民主労総の関係者I氏は「現場の自発的な参加が重要なので、何よりも現場意見グループとの疎通が必要だ」とし 「企画団の会議で現場意見グループのさまざまな話をまとめている」と説明した。 事実上の「諮問機構」としての性格を帯びているわけだ。

企画団はこれまで3回の会議を開いた。 企画団に参加するJ氏は「企画団は各団体が周辺でゼネストを支持、支援する役割を受け持つことになると見られる。 自分の組織の会員がゼネストに参加できるように促す役割を果たするではないかと思う」と説明した。 別の活動家K氏は「3次会議では、現代、起亜車などの完成車でゼネスト賛否投票の雰囲気をどう捕えて行くか、 現在急流に乗っている公務員年金闘争の準備をどうしていくのかなどについて話した」とし 「現在、意見グループが集まっている企画団が公の組織とどう結合するのかについても悩みを分けている」と明らかにした。

ただしK氏は「意見グループごとにゼネストを見るイメージが少しずつ違う面がある。 そのためか、企画団に参加していない一部の意見グループもある」と話した。 実際に「参加の提案を受けていない」という意見グループをはじめ、 企画団に参加していても内部で共有が行われていない単位もあった。

地域を基盤としてゼネストを組織する「ゼネスト実践団」も構成されている。 民主労総の関係者I氏は 「ゼネスト実践団は、組織化のために組まれた実践隊伍だ。 地域でゼネストの組織、宣伝、教育などをしていくようになるだろう」とし 「3月末までに構成することが目標で、現在、実践団発足式を終えた地域もある」と説明した。 別の関係者M氏も 「地域本部や産別連盟と労働関連団体なども実践団に参加しており、 ほとんどの地域で実践団構成が完了している」とし 「現在も募集を続けているが、全国で1500人程度が参加していると把握している」と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2015-03-20 16:30:02 / Last modified on 2015-03-20 16:30:41 Copyright: Default

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