正規職化を無視した会社が非正規職を死に追いやった

16日に焼身した起亜車非正規職、全身3度の火傷

現代車蔚山工場で働いていた嘱託契約職が4月14日に首吊り自殺したのに続き、16日午後には起亜車非正規職労働者が焼身を試み、現代・起亜車の鄭夢九(チョン・モング)会長の責任論が提起されている。

4月16日午後3時頃、起亜車光州工場社内下請分会(非正規職労組)のキム某組織 部長(36)は工場の中で焼身を試みた。彼は自分のからだについた火が消える まで「非正規職撤廃」を叫んだ。

キム氏は起亜車光州社内下請分会長に「家族を頼む」という携帯メールを送っ た後、正規職転換を要求して二か月間座り込みをしていた社内下請分会テント の前で焼身し、「子供にまで非正規職を譲れない」という言葉を何度も叫んだ。 二人の子供の父であるキム氏のカバンには、家族写真とシンナー1リットルが入っ た瓶が発見された。

一緒にテント座り込みをしていた同僚と、財政事業で光州工場で宣伝戦に出て いた現代車非正規職労働者が駆け付け、キム氏のからだについた火を消火器で 消した。キム氏はかなり長い間スローガンを叫び続け、火が消えた後もひざを ついてシュプレヒコールを叫びながら救急車で運ばれ、全南大病院応急室に運 ばれた。しかし全南大病院応急室で気道確保のための応急境遇をした後ソウル の漢江誠心病院に救急移送された。

起亜車労組関係者によれば、キム氏は「全体に44%の火傷で、胸から顔まで3度 の火傷だ。腕の火傷が深刻で、5日後に腕を手術する。病院で気道から肺までの 火傷があるかどうかは精密検査をして、3日後にわかる」と伝えた。

問題になっている起亜車光州工場は、62万台の増産による新規採用を控えていた。 数百人を選ぶ公告を出し3万2千人が応募したという。

3月13日、金属労組起亜車支部光州支会は起亜車光州工場労組の教室で記者懇談 会を開き、新規採用に「社内下請非正規職を優先採用しろ」と明らかにした。 しかし去る12日、起亜車支部は5千人の起亜車社内下請労働者を排除して、書類 通過者の25%の組合員(退職者および25年以上の勤務者)子弟割当と面接点数5%の 加算点付与、同点者優先選抜に労使合意した。現在、起亜車内部採用規定には 満29歳以下の年齢制限があり、ほとんどの社内下請非正規職は、10年を越える 勤続年数を持つ30代半ばが大半で、ほとんどが年齢制限29歳を越えている。

起亜車光州支会は16日午後に緊急代議員大会を開き『△すべての会社側教育の 中断、△すべての部署協議の中断、△労組、支部、支会、分会が参加する焼身 対策委を構成、△以後の状況は焼身対策委で決める』の四項目を決めた。金属 労組も16日、「焼身事態解決のための対策委を構成し、事態解決のための総力 闘争」を予告した。

対策委構成に関し、光州社内下請分会は正規職支部と『△対策委は金属労組と 支部、支会、分会が共に構成する。△特別交渉を直ちに再開して、非正規職が 正規職化されるまで闘争する。△新規採用は無効にする』などを議論している という。

▲17日午前0時20分、勤務を終えた起亜車光州社内下請労働者は残業を拒否して座り込みをしていたテントの前で集会を開いた。［出処:起亜車光州工場労働者］

一方、キム氏が焼身する前の14日には、2008年から現代車蔚山工場で社内下請 労働者と嘱託契約職で働き、昨年1月解雇された社内下請労働者が4月14日の夜 に自宅で首を吊り自殺した。連続する現代起亜車非正規職労働者の死に、現代 起亜車の鄭夢九(チョン・モング)会長に対する責任論が広がる展望だ。

非正規職のない世の中作りネットワークの関係者は「現代車は、昨年8月2日に 施行された改正派遣法の直接雇用条項を避けるために、社内下請労働者たちを 2年間働けるようにすると言って『嘱託契約職』に転換した後、次々と解雇して いる。起亜車は62万台の増産で雇用が必要だが、10年以上働いた社内下請労働 者を排除して新規採用を行い、非正規職労働者を絶望に落とし入れている」と し「新規採用はしても『社内下請を正規職化しろ』という裁判所の判決は履行 できないという現代起亜車使用者側の態度が非正規職労働者の死を呼んでいる」 と糾弾した。

非正規職のない世の中作りネットワークは、「労働、市民、社会団体は鄭夢九 会長の貪欲が呼んだ災難を防ぐために」、17日午後1時、良才洞現代車本社前で 緊急記者会見を行い、午後6時に永登浦の漢江誠心病院の前で起亜車社内下請 同志快癒祈願・鄭夢九会長拘束要求キャンドル文化祭を開く予定だ。(記事提携= ニュースセル)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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