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ユン・ジュヒョン同志名誉回復のために戦おう

[寄稿]忘れられたいという遺言は守れない

キム・ヘジン(全国不安定労働撤廃連帯常任活動家) 2013.01.30 16:08

訃告を聞いた時、「まさか」と思い、事実ではないことを祈った。いつもあれ ほど目を輝かせて笑っていた彼が、そのように死の道に行くとは信じることも できなかった。夜中に泣き続けたが、悲しみは去らない。三十六の若者が多く の人々の痛みの中で、そうして亡くなった。いつも明るく笑い、その笑いだけ でも闘う人々に喜びを与えたある若い非正規職労働者が、そうしてのように消 えてなくなった。もうひとつの宇宙がそのようにして消滅し、それだけ生き残っ た人々の心には空虚が残った。その空虚が時には鬱憤と怒りで埋め尽くされる が、そのつらい場所、空いた空間は簡単には埋められない。会社の弾圧の前に 毅然として苦痛の前に挫折せず、私一人でも助かろうという誘惑に屈しなかっ た人が、最後の瞬間に膝を屈したその苦痛の深さを見直したい。

▲1月29日起亜自動車華城工場北門で開かれた故ユン・ジュヒョン氏追慕キャンドル集会[出処:ニュースセル]

ユン・ジュヒョン同志は起亜自動車の非正規職解雇者だ。2007年の初めに起亜 自動車社内下請業者に入社し、塗装工場で働いた。非正規職への差別と蔑視を なくそうと労組に加入し、一生懸命に活動した。彼は2年間、労組代議員活動を した。生産ラインを止め、残業拒否闘争をするなど、いつも闘争の先頭に立っ ていた。そのため会社は常にイ同志を解雇しようと虎視耽々狙っていた。結局、 会社は2010年管理者との対立を口実に、ユン・ジュヒョン同志を解雇した。こ れは下請企業だけでなく、労働組合の闘争を防ごうとする元請資本と下請企業 との合同作品だということをわれわれは誰もが知っている。このような不当な 解雇に対抗し、ユン・ジュヒョン同志は3年間、解雇闘争をしてきた。

単にまた工場で働くための解雇闘争だけではなかった。ユン・ジュヒョン同志 を追慕するキャンドル文化祭には、本当に多くの闘争事業場の労働者が参加し たことからもわかるように、彼はいつも他の事業場の闘争に連帯し、力と勇気 を与えた人だった。整理解雇と非正規職、労組弾圧ない世の中を作るために闘 う人々が集まる所、希望の歩み、希望広場、そして共同闘争団、蔚山包囲の日 など、闘いがある所なら、どこにでも彼の姿を見ることができた。双竜自動車 の労働者が初めて大漢門の座込場を作った時、警察の苛酷な暴力に毅然と前を 守り、座込場を作り、守れるように大きな力を貸した同志であった。

しかし2012年の春に始まった起亜自動車支部の賃金団体協議交渉で、彼は復職 対象リストに入らなかった。また現場に戻るためにテント座り込みもし、通勤 宣伝戦もして、数えきれないほど努力したが、彼は復職できなかった。一緒に 解雇闘争をしていた仲間のうち、二人がその復職対象から除外された。ユン・ ジュヒョン同志は、労組活動による解雇ではないという会社側の強引な主張を 労働組合は乗り越えられなかったためで、もう一人の仲間は2次社内下請なので 元請と1次下請けからなる起亜自動車労働組合の組合員にはなれないという理由 だった。この過程でユン・ジュヒョン同志が感じた挫折を感じることができる。 自分の闘争が完全に認められず、解雇者にさえ等級を付ける使用者側の態度に 感じた怒りだ。

今、解雇者の面々を見てみよう。会社側が『労組活動のために解雇する』と話 したことはない。多くの拘束者を見てみよう。司法府が『正当な労組活動をし たので拘束する』と話したりはしない。時には暴力を行使したという理由で、 時には業務妨害を理由に、はてはスト期間中に食堂の飯とキムチを使ったこと を口実とする特殊窃盗容疑で、数えきれないほど多くの理由がその解雇と拘束 の名前になる。だがわれわれは知っている。それは単に名分に過ぎないという ことを。そのため、会社がいくら破廉恥漢と言い、暴力犯だと言っても、われ われは闘う彼らの名誉を尊重して最後まで共に戦う。それがまさに私たちの前 に立って道を開いてくれた彼らへの尊重であり、それが先頭に立って戦い抜く 仲間たちへの信頼だ。

多くの人々が闘争の正当性を認めて連帯することこそ、先頭で戦い解雇された 仲間たちの唯一の力だ。だからユン・ジュヒョン同志の痛みに共感し、その苦 しみを分けあう闘争事業場の仲間がいる所では、彼は本当に輝き、立派だった。 しかしまさに自分が所属する現場で、狙い撃ち弾圧による不当解雇を認められ ず、『就業斡旋』という口約束で自分の闘争の正当性が壊されたことに大きな 怒りを感じたのだろう。正当な解雇と認められず、身分も保障されないことに くやしさを感じたのだろう。

起亜自動車使用者側は解雇者を正規職解雇者と非正規職解雇者に分離して、1次 下請け解雇者と2次下請け解雇者に分離して、正当な労組活動による解雇者かど うかで分離して解雇者に等級を付けても、それを越えられない労働運動の限界 に彼も屈してしまった。彼の挫折と怒りに力と勇気を与えられなかった私たち の無関心のため、彼はひとりで頑張って、死の道についた。

▲故ユン・ジュヒョン氏遺書[出処:金属労組]

ユン・ジュヒョン同志は遺書に『労組も、組織も、仲間も、皆冷たい』と書い た。そして『忘れてほしい』と書いた。その挫折の深さを感じる。その苦痛を 共に感じ、互いに慰めあって連帯できなかったわれわれは、深い悲しみと痛み を感じる。とても恥ずかしい。しかしわれわれはユン・ジュヒョン同志の遺言 を守ることはできない。われわれは決して彼を忘れない。誰よりも先に立って 戦い、誰よりも戦う彼らに力をくれた彼を、誰が忘れられるだろうか。

彼を忘れないために、必ずユン・ジュヒョン同志の名誉を回復するために、戦 わなければならない。起亜自動車使用者側が叩き潰した彼の名誉を起亜自動車 の現場でまた回復しなければならない。たとえ生きて復職ができなかったとし ても、死んでも堂々と起亜自動車の労働者として復職できるように、力の限り 戦おう。そして二度とこんなことが起きないように、2次下請けだという理由で 組合員資格も得られなかった解雇者も、共に復職できるように戦おう。労働者 を分断し、解雇者にまで等級をつける起亜自動車使用者側の論理と圧力に屈す ることなく、すべての解雇者が現場に戻れるように共に戦おう。そうせずには どうして私たちがユン・ジュヒョン同志を土に埋められようか。そうせずには どうして私たちが彼が消えた空虚の中で、また闘争と連帯を語れるだろうか。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-01-31 09:10:40 / Last modified on 2013-01-31 09:10:41 Copyright: Default

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