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また『食い逃げ』議論...米国系私募ファンド、ベインキャピタル

ロムニー米共和党大統領選候補が創立した私募ファンド...韓国センサータで食い逃げ議論

キム・サンミン(金属労組) 2012.08.24 10:34

「Employment Stability」 8月22日午前、大田地方雇用労働庁清州支庁の前に 集まった金属労組大田忠北支部センサータ支会の組合員たちが会社の不当労働 行為と雇用不安組長に対し、『雇用安定』という意味の英文が書かれた鉢巻き を巻いた。忠北道鎮川に工場があるセンサータ・テクノロジーズコリア(株)は、 ベインキャピタル(Bain Capital)が所有する米国系の多国籍企業で、冷蔵庫 などの家電製品と自動車のモーター制御センサーを生産している。

▲8月22日、雇用労働部清州支庁でセンサータ不当労働行為糾弾と勤労監督要求記者会見が開かれた。[出処:シン・ドンジュン金属労組]

組合員たちはこの日、金属労組大田忠北支部所属の幹部と共に記者会見を行い、 「投機資本、食い逃げ資本、ベイン キャピタルの不当労働行為に対して 即刻 勤労監督を実施しろ」と清州支庁に要求した。

彼らは記者会見で「2006年、会社が私募ファンドのベインキャピタルに売却さ れた後、勤労条件が後退し続け、最近では生産設備を中国で移転して希望退職 も実施している」と明らかにした。支会は特に、会社が今年のはじめ希望退職 を実施しないと言ったのに言葉を変えていると指摘した。

支会によれば、国内工場長とグローバル社長、グローバル生産総括理事は昨年 新しく買収した事業部に全職員を転換配置できるので、希望退職はしないと 今年のはじめから何度も労働者に口頭で約束した。しかし6月末までに部署転換 計画を出すと言っていた会社は、7月末まで何の計画も出していない。その間、 会社は一部の生産ラインを中国に移転し、現在も設備以前を拡大し続けている ことが把握されている。

▲8月22日、雇用労働部清州支庁で開かれたセンサータ不当労働行為糾弾と勤労監督要求記者会見でキム・ウンミ支会長が記者会見文を読んでいる。[出処:シン・ドンジュン金属労組]

深刻な雇用不安を感じた労働者たちは、8月5日に金属労組に加入してセンサー タ支会を設立し生産職と事務職約150人が加入した。6日には設立報告大会を開 き、会社に公式に交渉を要請した。だが会社は交渉については一言半句もなく、 翌7日に希望退職を公告した。支会は記者会見で「支会ができたのに、労組側と 一言の相談もなく一方的に希望退職を公告したのは明白な不当労働行為」だと 糾弾した。特に支会は、「会社が支会の度重なる交渉要請にもかかわらず、 二週間過ぎた22日現在も何の回答もない」と伝えた。

一方、ベインキャピタルは米国でも雇用破壊資本という非難を受けていると言 う。米国のワシントンポストは6月末、「ベインキャピタルが米国の雇用を中国 とインドに売っている」と報道した。ベインキャピタルは米国共和党大統領選 候補のロムニーが創業した私募ファンドで、この問題が米国大統領選挙の争点 に浮上している。記者会見に参加したキム・ウンミ センサータ支会長は「米国 でもベインキャピタルの食い逃げ行為で労働者が暴動水準の抵抗をしたと理解 している」とし「米国での悪い癖を韓国でも同じようにしている」と批判した。

▲8月22日に雇用労働部清州支庁で開かれたセンサータ不当労働行為糾弾と勤労監督要求記者会見に参加した支会組合員がシュプレヒコールをあげている。[出処:シン・ドンジュン金属労組]

大田忠北支部によれば、センサータは中国工場への設備移転問題の他にも最低 賃金法、勤労基準法、男女雇用平等法、産業安全保健法などに常習的に違反し ていると把握している。支部はこの日の記者会見の直後、まず会社の最低賃金法 違反について清州支庁に陳情書を提出した。

センサータは負債比率が30%もなく、利子費用もない堅実な会社だ。また2011年、 流動資産797億ウォン、売上げ2161億ウォン、営業利益161億ウォンを上げるなど、 営業実績も優秀だと把握されている。(提携=金属労働者)

「金属加入後、一緒に暮らそうという雰囲気」

[現場]新入生センサータ支会、「連帯の大切さを感じる」

「会社が苦しいというので、真冬に冷水で油汚れを洗っても、トイレに紙がな くしても何も言いませんでした。2007年から今まで賃金がほんのわずかしか上 がらず、その上米国発経済危機で2009年の賃金が凍結されても会社がうまくい かなければと我慢してきました」。22日、大田地方雇用労働庁清州支庁の前で 記者会見文を読むキム・ウンミ センサータ支会長の声が震えた。記者の前で初 めてマイクを持ち、立ったのだろうが、それよりも会社への怒りが大きいよう だった。

▲キム・ウンミ支会長は「会社が本当に難しいと言うならともかく、好調な会社が労働者を使い捨て、トイレットペーパー扱いして食い逃げ行為をすることに皆怒っている」とし「それなので例年と違い、希望退職を申請した組合員は現在1人もない」と伝えた。[出処:シン・ドンジュン金属労組]

記者会見の後に会ったキム支会長は、推察のとおり会社に対する怒りを吐き出 した。「私は勤続20年目です。会社に青春を捧げて年齢41歳のオールドミスと して暮らしています。しばらく前まで同僚に、休日にも会社にきて一生懸命に 働こうと促すほど愛社心が大きかったです。そんな私を会社がこんなに変えて しまいました」。

「ベインキャピタルが会社を買った後、人員削減のための希望退職プログラム が2〜3年間施行されたことがあります。低賃金で労働強度も強く、一部の同僚 が退社したりもしました。でも今年だけは労働者たちが素直に会社に順応しま せん」。イ・ジェヨン支会政策部長は「ほとんどの組合員がただやられてばか りはいられないという雰囲気」と付け加えた。

会社は今年、希望退職を実施するにあたり、生産職労働者だけでなく、会社の 運営にぜひ必要な施設、人物、経理部署も対象にした。センサータは果たして 工場を韓国で正常に運営する気があるのか疑わざるを得ない。キム支会長は 「会社が本当に苦しいというならともかく、好調な会社が労働者を使い捨て、 トイレットペーパー扱いして食い逃げ行為をすることに皆怒っている」とし 「だから例年と違い、希望退職を申請した組合員は現在1人もない」と伝えた。

▲8月22日、キム・ウンミ センサータ支会長(写真中央)とテジョン忠北支部が雇用労働部清州支庁に最低賃金法に違反した使用者側を調査してくれという陳情書を提出した。[出処:シン・ドンジュン金属労組]

また金属労組に加入したことが労働者全員を固く団結させたとイ・ジェヨン部 長は言う。「労組がなかったら以前のように大金をもらって受けて希望退職し たり、対立する同僚がいるかもしれません。でも今は労組ができたので残って みんな一緒に暮らそうという雰囲気です。労組加入の対象ではない人たちも、 別に後援会を作って私たちを応援するほどです」。

特に彼らは事業場の垣根を越え、共に連帯する姿に闘争勝利の希望を見ている。 「初めは民主労総や金属労組に、よく分からない偏見を持っていた組合員たち もいました。でも地域の他の事業場の労働者たちが自分の事のように連帯する 姿を見て多くのことを学んでいます。今、学んだ通り実践しなければ」。キム 支会長の声に力が入った。キム支会長は「新入生支会なので、これからの戦い への恐れもなくはない」が、「会社が交渉要求を無視し続けて、これまでのよ うに一方通行に固執すればストライキも辞さない」ときっぱり話す。金属労組 に加入するとすぐ、外国食い逃げ投機資本と一勝負戦いを始めなければならな いセンサータ支会の幹部たち。つらい闘争を控えているが目つきと声は通常でない。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-08-24 20:35:16 / Last modified on 2012-08-24 20:35:24 Copyright: Default


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