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職場閉鎖2週間、マンド工場を行く

用役の監視と遮断、恐れの空間...寒々しい風景

ユン・ジヨン記者 2012.08.09 20:05

8月9日午前7時30分、マンド文幕工場の出勤。職場閉鎖2週目の工場の前を会社 の労経協力チームと用役職員20人ほどが守っている。彼らは出勤する組合員の 名札を検査する。

その前では、金属労組マンド支部組合員が宣伝ビラを配っている。すでに85% 以上が第2労組に加入した状況だが、ほとんどの労働者は車を止めて宣伝ビラを 受け取る。

工場前の出勤風景の写真を撮っていると、正門の前にいた職員が「写真を消せ」 と要求した。工場に入れるかと聞くと「職場閉鎖中なのでできない」と話す。 ギプス支会の取材に来たというと、労経協力チーム職員に問い合わた後、 ギプス支会にだけ入れると答えた。

そして、午前8時10分、ギプス支会長と共にマンド文幕工場を訪問した。暑い中、 工場内外の風景は寒々しい。

遮断された空間

工場正門からギプス工場まで、200メートルもなさそうだが、用役職員6人がつ いてくる。会社はギプス工場の周辺を黄色い案内板で取り囲んでいた。ギプス 支会の組合員はこの線を超えてはいけない。ギプス工場に到着すると、ついて きた6人の用役らはゆうゆうと帰る。

ギプスコリアはマンドの協力社だ。1999年、マンド機械の業種別分離売却当時、 米国のギプスマンドも原州事業本部文幕工場D/S部門を買収した。だが5月に破産 し、工場は止まった。

旧マンド工場から、同じ塀の中で働いていたのでギプス支会はマンド支部所属 の4支会の一つだ。支会は会社側に会社破産と買収に関する道義的な責任を問う てきたが、会社側はそうした議論自体を拒否している。会社がギプス工場の出 入だけを認めるのも『私たちと無関係の所』という意味が底にある。

文幕支会の事務室はギプス工場の直ぐ前に位置している。10メートルもない距 離だ。だが文幕支会の事務室から向うに行こうとすると、用役職員と労経協力 チーム職員が制止する。名刺を渡し、支部関係者の助けを受けて、やっと文幕 支会の事務室に入った。机が空いていて、指導部辞任による空白が感じられる。

午前9時からギプス支会組合員の集会が始まった。工場近くの広場に約100人の 組合員が集まった。職場閉鎖と用役投入で重くるしい工場に、闘争の歌とスロー ガンが鳴り響く。職場閉鎖と企業労組発足。支部指導部辞任などの混乱に勝ち 抜いて、どんな組合員の離脱もなく労組を守っている。

工場内、多くの『監視の目』

用役職員がつけまわす対象は、単に『外部の人』だけではない。今日からは、 会社側から復帰連絡を受けた労働者も監視の対象だ。黄色い名札がない人に 用役はついてくる。

労働者の胸の黄色い名札は、『労組瓦解』の象徴だ。98年、マンドに公権力が 投入された直後、その時も会社は労働者の胸に名札を付けさせた。一方で、 「またこれを見ることになった」という嘆きが流れ出る。

用役職員は工場のあちこちに配置されている。正門と支会事務室を中心に、塀 に沿って、黄色いバリケードに沿って、いくつもの群れがうろつく。それでも 今日は昨日より用役職員が半分ほど減ったという労組組合員の説明がある。

8日、雇用労働部坡州支庁が会社側に『職場閉鎖撤回』の文書を送り、資格未達 の用役業者職員が投入されたという議論が続き、用役人員を削減したようだ。 それでもまだ工場には多くの『監視の目』が労働者の背中に付いてまわる。

正門を通過し、ギプス工場までの道のそばには、第二労組の『マンド労働組合 文幕支部臨時事務室』がある。コンテナ二つを利用した文字通り『臨時事務室』 だ。コンテナといえば、工場の裏にもぞろぞろある。こちらは用役職員の宿舎 に使われる。

また支会の事務室に入ろうとしたが、今度はきっぱり拒否された。労経管理チー ム職員は『本社の指針』と説明した。午後に公務員労組が支会事務室に立ち寄 る予定だったが、これも会社側に拒否された。労組関係者はギプス工場と支会 事務室の間にテーブルを作って座り、むなしく笑った。

労働者もほとんど支会事務室にこない。あちこちの監視の目が恐ろしい。この ような状況で労働者たちがギプス支会事務室を訪問するのは想像もできない。 今、文幕工場は監視と孤立、遮断、恐れの空間に変わっている。

午後6時、ギプス組合員が闘争を後に帰宅する。暗闇が立ち込める頃に、ギプス 工場の門も閉じられる。支会は侵奪の威嚇で組合員が退勤すると大部分の工場 の扉を閉ざす。大きくて暗い工場には21人の指導部と幹部だけが残る。また、 工場が開くまで12時間が流れなければならない。

会社側は今日、談話文を発表して明日(8月10日)午前、職場閉鎖撤回について明 らかにすると話した。12時間後、ギプス工場が開いた時、マンド工場はまだ 孤立と恐れの空間なのであろうか。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-08-11 00:20:46 / Last modified on 2012-08-11 00:21:20 Copyright: Default

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