［社説］MBCの皆さん、よく戦いました

MBCストライキから、もう半年が経とうとしている。7月11日には164日目だ。 これほどになれば、闘争の動力が一段と弱まるものだが、MBCは相変らずグラ グラと沸きたっている。懲戒に、訴訟に、レイムダックで衰退する政権を背に 負って、労組の執行部に拘束令状を二回も申請するなど、使用者側は色々な 凶悪をはばからないが、闘争の熱気はむしろさらに熱く燃え上がっている。 史上最長のストライキでもあるが、これほど熱く、愉快で面白いストライキは 例がない。

キム・ジェチョル社長は、放送は正常化したと騒いでいるが、MBCの視聴率はす でに総合編成チャンネルと競争する水準に下がった。記者が離れたMBCニュース はジャーナリズムのどん底を見せる。大統領の親兄イ・サンドク前セヌリ党議員に 拘束令状が請求されたというにゅーすは、先週末のMBCニュースにはなかった。 韓日軍事交流協定をめぐる議論も、MBCは縮小報道したり論点を巧妙に隠した。

6月30日、ソウル市庁広場で開かれたキム・ジェチョル献呈コンサートには4千 人の群衆が駆けつけて『Jに』を合唱した。キム社長と舞踊家チョン・ミョンジャ 氏の何とも怪しい関係を嘲弄するイベントだった。終わりが見えないストライ キに、チェ・スンホPDとパク・ソンジェ記者の解雇の知らせが伝えられた後だっ たが、この日のコンサートは楽しい祭りだった。舞台に上がったチェPDとパク 記者は、互いに自分のほうがくやしいと冗談を言った。MBC労働組合はストライキ を総合芸術の域に押し上げた。

歌手のパク・ワンギュ氏は「真実を伝えるために、本当に孤独で、涙が流れても 真実の海に飛び込めるか」と問いかけ、当然熱い歓呼があふれた。「2014年の 任期を満たすというのはキム社長の考えでしかない」というセヌリ党のナム・ ギョンピル議員の発言も爆笑を誘った。悲壮な戦いだが、MBCストライキ現場は いつもこうして愉快だった。MBC労組はいつも市民とのつながりを忘れなかった。 それが半年経っても、闘争の熱気が下がらない秘訣だった。

キム・ジェチョル退陣署名運動は、早々に100万人を遥かに越えた。自発的な カンパや募金もあふれた。料理コミュニティの会員がMBCを訪問し、参鶏湯200 人分を煮て行った。合井駅カフェ路地では、この町内に入居する出版社が 「見たい、無限挑戦」という横断幕を掲げてMBC労組後援図書展を開いた。 光化門広場では4月から毎日リレー1人デモが続いている。

こうしたストライキは今までなかった。ソウル駅で行ったフラッシュモブを ミュージックビデオにした『MBCフリーダム』は中毒性があると評価され、 無限に再生された。1992年の50日ストライキを主導したイ・チェフンPDは 「あの時、私たちが夢にも見られない方式で新しく、楽しく闘争している」 と評価した。チョン・チャニョン ラジオ本部長は「これほど長く続くとは 思わなかったが、こうして楽しくしっかり戦う方法も知らなかった」と打ち 明けた。MBC労組は韓国の労働運動に新しい歴史の1ページを書いた。

MBC労組は、キム・ジェチョル社長が暮らす町を訪ね、手配ビラを配布したり、 キム・ジェチョル人形を使って明洞の通りを徘徊するなど、愉快な闘争を続け てきた。彼らが完全に放送から手を切ったのではなかった。『低画質公正放送』 を標榜する『ストライキチャンネルM』は、KBSの『リセットニュース9』と共に 骨太な特ダネを吐き出した。『PD手帳』のPDが作った『パワーアップPD手帳』 は、李明博政権が放送を掌握しても記者とPDの霊魂を掌握することはできない という事実を悟らせた。

MBC労組はすでに勝った。李明博とキム・ジェチョルにはもう辞任の時間だけが 待っている。何とか地位を守ってはいるが、彼らは抜け殻のようなものだ。 国民はいつよりも公正な放送を願っている。本当によく戦った。再びどんな政権も 放送を食い物にすることができないように、大切な歴史的教訓を作り出した。 だから、いつストライキを終えて戻るかは重要ではない。この熱い闘争の記憶で 変わった放送を作ると信じる。あなた方はすでに勝った。

入力:2012-07-1111:08:26 露出:2012.07.1111:27:18

原文(メディア・オヌル)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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