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無争議の代価に株式祭り『金の奴隷』を拒否

[現場手紙]現代車労組、労働時間短縮・非正規職正規職転換を要求

パク・ジョンギュ(非正規職ない世の中作り) 2012.07.06 13:50

「現代車労組、ストライキ宣言…3年無争議の記録破られるか」

7月5日付の朝鮮日報の記事です。金属労組現代車支部が代議員大会で全員一致 で争議行為を決め、10日と11日にストライキ賛否投票を行い13日と20日の4時間 ストライキを決めたことで、この新聞は「労組が結局ストライキに入れば最近 3年間(2009〜2011年)続いた現代車労使の無争議労使交渉妥結の記録がこわれる」 と書きました。

朝鮮日報だけでなく、いろいろな経済新聞や蔚山地域の新聞は『4年連続無争議 破られるか』などの記事を吐き出しました。現代自動車と何の関係がある会社 なのかわかりませんが、蔚山毎日は『現場の雰囲気冷え冷え...闘争程度成果に 関心集中』というひどい題名と悪意の内容を付けて記事を書きました。

450人ほどの現代車支部代議員中には会社側代議員も少なくありません。それで も一人の反対もなく全員一致でストライキを決議したのは、それだけ昼間連続 2交代制による労働時間短縮と工程分配、すべての社内下請の正規職転換に対する 現場の要求が大きいからでしょう。もし代議員大会で誰か一人でも反対意見を 出したのなら、保守言論の記事は見苦しい姿ではなかったでしょう。

[出処:金属労組現代車支部]

労組代議員大会全員一致ストライキ宣言にも『雰囲気冷え冷え』(?)

マスコミ各社がなぜ現代車というひとつの会社の労使紛糾にこれほど大きな 関心を傾けて、『無争議』が破られないことを期待するのでしょうか?

国語辞典には、『紛糾』とは『利害や主張が絡み、問題が多く、騒々しい』と 出ています。労使間の紛糾は『労働者と使用者の間で利害関係が衝突して起き るさまざまな問題』という意味です。『争議』は『互いに自分の意見を主張し て争う』意味で、『地主や小作人または使用者と労働者の間で起きる紛争』を 言います。

今まで現代自動車の交渉の過程で労使間の利害や主張の差が一番大きいのは 『労働時間短縮』と『非正規職正規職転換』です。

労働時間短縮について、労組は10時間ずつの夜昼二交代を8時間ずつ、昼間連続 2交代にして、不足する物量は工場を新設して3500人を新規で採用しようという 主張です。会社は短くなった労働時間による物量不足を新規の採用なく、労働 強度を高めて満たそうということです。

非正規職の正規職への転換について労組は、現代車の社内下請は不法派遣だか ら正規職だという大法院の判決精神により、業務、勤続年数、入社年度を問わ ず、すべての社内下請労働者を正規職に転換しろと主張しています。会社は、 大法院判決は個人の判決なので要求は受け入れられない、不法派遣をしている 工程を分離したりブロックして、合法化しようということです。

このように、紛糾という辞書の定義のように現代車労使は『労働者と使用者の 間で利害関係が衝突』し、労組は法により調整の手続きと賛否投票を経て、7月 13日と20日にストライキをするというわけです。労使間の交渉で調整される 無争議は難しくなるのです。

労使間の利害関係の衝突は労働時間短縮と非正規職問題

朝鮮日報が『国内最大の過激労組』と報道した金属労組現代車支部は、2009年 から3年間無争議でした。労使間で利害関係の衝突もあり、事実上のストライキ である残業や特別勤務の拒否もありましたが、明示的なストライキはせず妥結 したという意味です。

現代自動車の無争議は2007年に始まりました。当時、現代車支部は金属労組の 代議員大会での代議員の現場発議で決定した6月末の韓米FTA反対全面ストを進 めました。しかし現代車は会社内の賃金と団体交渉を対象とするストライキで はなかったので無争議を達成したとし、組合員に無償株30株を支給しました。

『14年間連続ストライキ』と現代車労組を攻撃した保守言論と経済新聞はこの 時から大々的に『無争議』を称賛し始めました。会社とマスコミは、まるで 現代車の『無争議』が韓国経済を救い、庶民の生計を救うかのような社会的な 雰囲気を作りました。

イ・ギョンフン執行部時期の2009年から昨年までの3年間、無争議が続き、組合 員は2007年から今まで、現代車株式135株を無争議の代価として支給されました。 最近、現代自動車の平均株価24万ウォンで計算すれば、株式の現在の価値は何と 3240万ウォンになります。

昨年、会社が支給した株式35株は現在840万ウォンです。4月24日に金属労組の ホームページに、ある組合員が「今年、現代車支部の姿を見ると、株式をもら うのは絶望的だ」とし「一年株式を受け取り、1000万ウォンを現金化するのが 容易ではない」という文を載せました。

二日後の4月26日、現代車牙山工場イム・テスン工場長は組合員夫人の行事で、 「今まで支給された株式は無争議の補償次元」とし「もっと株式をもらいたけ れば今年はストライキをするな」と話しました。これに対して現代車支部は 「組合員を『金の奴隷』に転落させるな」と工場長の辞任を要求しました。

現代車「株式がほしければストライキをするな」

現代自動車の正規職労働者が2009年から3年間『無争議』の代価として株式支給 という金祭りをしている時、何が起きたでしょうか?

2009年、双竜自動車の労働者がエアコン水を受けながら、警察特殊部隊の殺人 鎮圧に対抗して77日間工場占拠ストライキをしました。2010年、現代車正規職 労働者が一緒に働く非正規職労働者が大法院判決履行を要求して、のりまき一本 で一日を粘りながら、25日間工場占拠ストライキを繰り広げました。

2011年、キム・ジンスク指導委員は韓進重工業85号クレーンに一人で上り、 309日間、命がけの高空籠城を行い、彼女を救うために5回の希望バスが全国を 揺さぶりました。労組専従の賃金支給禁止と複数労組窓口の単一化という悪法 が国会を通過し、金属労組事業場への集中的な労組弾圧がありました。

当時、多くの労働者が『目の前の利益』ではなく『明日の利益』、自分だけの 利害ではなく全労働者階級の利害のために共に連帯して戦おうと言いましたが、 『無争議』の補償だという株式は、組合員の階級意識を窒息させ、連帯の手助 けを無視させました。

無争議の代価の『金祭り』が窒息させた階級意識

5月24日、大韓商工会議所が企業の人事労務部長302人を対象に『19代国会労働 立法方向に対する企業意見』を調べた結果は、一番経営の負担になる19代総選挙 労働公約として『休日勤労制限など勤労時間短縮』(53.6%)と『非正規職および 社内下請規制強化』(24.2%)を選びました。

現代車から深夜労働が消え、賃金削減と労働強化がない昼間連続二交代と労働 時間短縮に合意すれば、全国の多くの製造業労働者が深夜労働中断と労働時間 短縮を要求するでしょう。全国で労働時間が短縮されれば、それだけ新しい 雇用が作られるでしょう。

現代車で社内下請労働者すべてが正規職に転換されれば、これは直ちに現代車 グループ系列会社と部品メーカーに直接的な影響するでしょう。さらに、社内 下請労働者の割合が50〜80%の現代重工業などの造船所、浦項製鉄などの製鉄 会社、サムスン電子などの電子会社の多くの労働者が正規職転換を要求するで しょう。

つまり、2012年の現代自動車労使間の核心の争点である労働時間の短縮と 非正規職の正規職転換は、現代車と金属労組を越え、総資本と総労働の階級 代理戦なのです。

総労働と総資本の階級代理戦

現代自動車だけの孤独な戦いではありません。起亜車、韓国GMなど完成車3社と マンドや漢拏空調のような部品メーカーなど、金属労組14万の組合員が労働時間 短縮と非正規職正規職転換を要求して共に戦っています。何よりも現代車正規職 労働者と共に働く社内下請労働者が元下請共同ストライキを推進しています。

金属労組の韓国GM支部は組合員1万3798人を対象とする争議行為賛否投票で、 投票率87.8%、何と賛成率が95.9%(総員対応84.2%)という驚くべき数値でストを 決議しました。韓国GMの労働者たちは10日と12日に夜昼3時間、13日に夜昼4時間 ストライキに入ります。

韓国GM支部95.9%ストライキ賛成率の意味

現代車と保守言論は、まだ『無争議』の未練を捨てていません。会社は現代車 支部が金属労組の政治ストライキに参加するために闘争させ交渉するとして、 『金属労組がらみの政治ストライキ』という大々的な現場世論作りを始めました。

朝鮮日報は6日付釜山蔚山慶尚南道新聞で「実質的な給与損失を憂慮する組合員 も多い」とし「この3年間、無争議交渉妥結の成果だった『無争議株式』を今年 は手に入れられなくなったからだ」と書きました。

また全員一致で決定したストライキ宣言については「労組のストライキの動き に一部の代議員と組合員の反発の気流もまた小さくない」とし、「民主労総の 政治ストライキ戦略に現代車の組合員をまた闘争に動員する結果になる」とい う匿名の組合員を動員し、常識以下の記事を書きまくっています。

現代車支部は「無争議3年でつけ上がった使用者側の傍若無人が団体交渉決裂を 呼んだ」とし「今私たちが進む方向は、4万5千組合員の総団結・総闘争で対応 すること」と明らかにしました。ムン・ヨンムン支部長も「最近数年の屈辱的 な労使関係を終わらせる」と話しました。

現代車の労働者は、憲法が保障する労働三権と労働者の自尊心を守り、株式と 成果金という目の前の利益ではなく、雇用安定と労働時間の短縮による本当の 実利と明日の利益のために、現代車を越え、全労働者階級の利益のために 『無争議』という屈従の鎖を必ず断ち切ると宣言しています。

7月10日〜11日のストライキに対する賛否投票結果に全国の労働者の関心と耳目 が集中する理由です。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-07-07 19:46:43 / Last modified on 2012-07-07 19:46:58 Copyright: Default

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