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現代自動車蔚山から聞こえる希望の歌

[現場手紙]用役警備暴行事件と非正規職...正規職労組の背信で開いた通り

パク・ジョンギュ(非正規職ない世の中作り) 2012.05.21 16:26

「2010年冬の25日ストライキで実現できなかった夢を今年はぜひ実現したい」。

5月19日、双竜車大漢門の焼香所で会った現代車蔚山工場非正規職労働者の顔が いつより明るかったです。蔚山工場80人ほどの組合員が週末と休日の特別勤務を 拒否して5時間かけて駆け付けましたが、少しも疲れた様子はありません。

2010年冬の25日間のストライキが終わり、解雇された後、生計のために消えた ある組合員は、旗を掲げて現れました。占拠ストライキを理由に最近まで手配 生活をしていた組合員と、1年6か月ぶりに会いました。皆、幸せだった25日の 記憶をよみがえらせ、『アゲイン2010』を夢見ていました。

正規職労組の背信で、怒りながら座込場から出てきた2010年冬と違い、2012年 の夏、正規職と非正規職の『美しい連帯』の可能性が高まったからです。その 初の出発が、週末に現代車蔚山、牙山、全州工場の稼動がいっせいに中断した 事件です。

現代車非正規職労働者の明るい顔

金属労組現代車支部と現代車非正規職支会は、5月19日と20日に、蔚山、牙山、 全州の工場の特別勤務を拒否しました。会社は800台近い車両が生産できず、最 大1580億ウォンの生産支障が発生したと主張しましたが、ストライキに備えて 物量を備蓄しておこうとする計画に支障をきたしたことだけは明らかです。

事件は簡単です。5月17日、非正規職労組幹部たちは、2次非正規職特別交渉に 参加するために工場に入ろうとしましたが、100人ほどの警備員に阻止され、 暴行されて、車道に投げ飛ばされました。法で認められ、労働部も自由な出入を 認めろと文書を送ったのに、現代車は治外法権で労使が結んだ団体協約と労使 合意書は無用の物でした。

この知らせを聞いた現代車支部のキム・ホンギュ主席副支部長と労組幹部30人 ほどが正門に駆けつけ、労使合意書履行を要求して、出入を試みました。する と衝突になり、用役警備のイ某課長がキム・ホンギュ主席副支部長のマイクを 奪い、頭と顔を殴りつけました。

[出処:金属労組現代車支部]

この日の暴力で脳震蕩と顔面打撲、鼻骨骨折の傷を負ったキム・ホンギュ主席 副支部長をはじめ6人が病院に入院しました。暴行事件でこの日の午後に開かれ るはずの不法派遣2次特別交渉は5分で終わってしまいました。

現代車支部は「マスクで顔と口を覆った用役警備から酒臭いがした」として、 史上初の労働組合主席副支部長暴力蛮行に対抗し、19日と20日の特別勤務拒否を 決めました。労組は公開謝罪と責任者処罰、非正規職出入保障を要求しています。

現代車用役警備の5.17マイク暴力事件

キム・ホンギュ現代車支部主席副支部長は4万5千人の組合員の投票で当選した 代表であり、支部長と共に労組の最高責任者です。もし、鄭夢九会長の息子、 鄭義宣(チョン・ウィソン)副会長や現代車副社長が労使間の対立過程で労組の 幹部から殴られ、顔から血が流れたとすればどうなるでしょうか?

多分、全国がひっくり返ったでしょう。保守言論と経済新聞は連日暴行のニュー スを伝えようと大げさに騒いだでしょうし、数十人の労組幹部が拘束されたで しょう。2007年1月3日、現代車蔚山工場の始務式で労使合意履行を要求し消火 器を噴霧した事件で1か月間、言論は狂ったように労組を罵倒し、労組委員長を はじめ5人が監獄に行かなければなりませんでした。

しかし現代車用役警備の5.17マイク暴力事件についてマスコミ各社は『新型の サンタフェなどの生産に支障』(韓国経済)、『現代車、交渉の序盤から暗礁』 (蔚山毎日新聞)、『好調な現代車が労使対立で苦痛』(国民日報)、『現代車労使 激しい対立に駆け上がるか』(アジア経済)等の記事を送りだしています。

現代車は先に労組が暴行を加えたとし、正規職労組6人と非正規職パク・ヒョン ジェ支会長など7人を告訴告発しました。韓国経営者総協会は「労組幹部の暴力 行為はこれ以上黙過できず、必ず法的措置しなければならない」という立場を 明らかにしました。

[出処:金属労組現代車支部]

会社の副社長がマイクで顔を殴られ、血を流したら?

会社が編集した動画に対抗し、労組が動画を公開しました。暴行の情況が確実 なのに、現代車側が強硬に出てくる理由は何でしょうか? 会社が恐れているの は何でしょうか?

現代車支部は「使用者側の挑発は、労組の3つの核心要求の工程分配実現、昼間 連続2交代制施行、非正規職正規職争奪を押し倒す意図的な陰謀」と明らかにし ました。何よりも正規職と非正規職の連帯が強まっているためです。

2010年冬、25日間の占拠ストライキの当時、座り込み中断を脅迫し、金属労組 の全面ストライキ決定を拒否した前の執行部と違い、現代車支部は非正規職 労働者と積極的な連帯の態度を見せました。少し寒かった非正規職労働者の 水曜集会は正規職労組の参加でますます規模が大きくなっています。

最も重要なことは『すべての社内下請労働者の正規職化』を特別交渉の公式な 要求に決めたことです。4月25日、現代車支部と非正規職3支会は、△社内下請 として労働するすべての労働者全員の正規職転換、△これ以上非正規職労働者 使用禁止など6項目の要求を確定しました。

これまで現代車正規職労組は「2.23大法院判決趣旨により、不法派遣された全 社内下請労働者を即刻正規職に転換する」という内容を要求にするべきだとい いました。つまり、大法院判決で勝訴したチェ・ビョンスン組合員と同じ条件 で働く労働者の正規職化を要求しようということでした。

これに対して非正規職労働者は不法派遣を正規職に転換するのは要求ではなく 法を守ることだとし、2年以上であれ、2年以下であれ、直接生産工程でも間接 部署であれ、1次でも2〜3次であれ、『すべての』社内下請の正規職化を要求し ろと説得しました。長い討論の末に正規職労組はこれを受け入れました。

『すべての社内下請正規職化』 6項目要求の意味

また現代車支部は会社側の『協議』を拒否し、非正規職労組交渉委員6人を含み、 32人が参加する特別交渉を要求して、15日に1次交渉が開かれました。ムン・ヨ ンムン支部長は「今回の特別交渉で、正規職と非正規職労働者が一緒に暮らす 方法を悩んで、崩れた信頼を回復しなければならない」と話しました。

会社は〈共に行く道〉という会社新聞とインターネット、あらゆる方法を動員 し、正規職と非正規職を仲違いさせ、すべての社内下請の正規職化という要求 は正規職の雇用安定を威嚇すると主張しましたが、これは効きませんでした。

現代車は昨年だけで8兆1千億ウォンの純益をあげ、鄭夢九と鄭義宣親子の株式 配当額だけでも678億ウォンにのぼります。現代車正規職組合員の84%が『労組 次元の非正規職問題解決』に賛成し、正規職と非正規職の連帯が広がり、 現代車は不安になり始めました。

「今回の協議の結果が他産業に及ぼす効果は大きいと思う。しかし他産業への 影響より、私たちにとっては現代自動車の方が重要だ。政治的・政略的な観点 を持たずに純粋に考えよう。互いに多くの時間と根気をかけて話そう。不要な 摩擦がないことを望む」。

5月15日に開かれた初めての非正規職特別交渉で、現代自動車のユン・ガッパン 工場長の冒頭発言の内容です。不要な摩擦なく会社内で、静かに解決しようと いうわけです。社内下請労働者の闘争と正規職の連帯、全国の労働者の関心と 支持を恐れているのです。

正規職と非正規職の連帯の拡散

基本給が多くない現代車生産職労働者にとって、週末と休日特別勤務は少なく ない所得源です。現代車支部は20万ウォンから35万ウォンまでの賃金の損失を 甘受して特別勤務拒否を決めました。

金の奴隷ではなく、労働組合の自尊心を守り、美しい連帯を放棄しないという 意志でした。現代車支部のある幹部は「正規職労組が非正規職労働者と連帯し、 全工場で特別勤務拒否をしたのは初めての出来事だろう」と言いました。

現代車ユン・ガッパン代表理事は21日に談話文で「社内下請解雇者は合意違反 で労使間に対立を誘発した」とし「以前の事態のように、私たちの職場が外部 勢力により混乱するのではないかと心配しつつも、会社は下請解雇者の無分別 な行動を傍観していなければならないのか」と明らかにしました。

会社の支援金で維持される同好会まで動員し「特別勤務拒否は性急に決定する 問題ではない。職員の意見をきちんと反映せず奇襲的になされたのは遺憾だ」 といいました。

現代車は大法院さえ『職員』だと二回も判決した社内下請労働者を外部勢力と 言い『労使間に対立を誘発させた』と正規職と非正規職を分断しようとしてい ます。特別勤務ができずに残念な正規職の心理をあおり、労働組合を揺さぶっ ています。

しかし用役警備が労組の最高代表者の顔とマイクで殴り、非正規職労働者たち に集団暴力を続ける現代車会社に対し、堂々と戦う現代車支部に対し、現代車 組合員はもちろん、全国の多くの労働者が応援しています。

現代車蔚山工場から聞こえてくる正規職と非正規職の美しい連帯の歌、希望の 歌が、貪欲な財閥の整理解雇と非正規職で苦しむ皆の慰労になるでしょう。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-05-22 02:10:09 / Last modified on 2012-05-22 02:10:11 Copyright: Default

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