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LNJ Logo 韓国:国会聴聞会へのキム・ジンスクの手紙
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キム・ジンスク、「韓進重で組合員を働かせて下さい」

[手紙]国会聴聞会控えて85号クレーンから送るキム・ジンスクの手紙

キム・ジンスク(民主労総釜山本部指導委員) 2011.08.18 10:34

二か月電気が切れた真っ暗闇の絶壁クレーンの上で、ランタンのあかりに頼って、 この文を書きます。

日曜の深夜12時の時間、8車線道路の反対側の歩道には、30人ほどの人が大小集 まっています。今夜も蚊にさされながら、野宿をしています。

彼らの中にはこのクレーンの中間地点にいる解雇労働者の子供や夫人もいます。

この炎天の暑さに、釜のように熱いクレーンの上で、家族の生存を守ろうると、 まともに体も洗えず、雨が降れば水の上で夜を明かす家長を見守る気持はどう でしょう。

あの方たちの中にはソウルからきて、週末を路上で過ごした方もいて、三歳の 息子を連れて大田から来て野宿をしている方もいます。私が知らない方たちです。

人がいるから残念と思う気持で来た方々です。

あの方たちを見て、私は考えます。

政治をする方々があの方たちぐらい、切なさを持っていれば、あの方たちぐら いの惻隠の情けでもあったとすれば、これほど整理解雇が頑に強行されること もなかったのではないでしょうか。

始めて希望バスがきた日は、私がクレーンに上がって157日目の日でした。

それまでは、どんなマスコミも関心を傾けず、野党国会議員三、四人が立ち寄っ た程度でした。孤立したまま絶望して、そのたびに死を考えました。

希望バスが3次まで続き、始めて多くの人が関心を持つようになり、結局、 国会の聴聞会も開かれることになりました。

社会の無関心の中で双竜車では整理解雇の後に15人が死に、韓進重工業でも 2003年に二人が命を失いました。

ご存じの通り、韓進重工業の整理解雇は今回が初めてではありません。2003年 にも650人の大規模なリストラがあり、それに反対した労組は2年間戦いました。

当時、キム・ジュイク支会長が、この85号クレーンに129日間いました。会社は もちろん、マスコミも政界も、彼の絶叫に耳を傾けませんでした。世間の冷遇 の中で、129日で食事を上げるロープで首を吊りました。支会長の遺体は2週間 以上、このクレーンから降りられませんでした。

使用者側は何の措置もしなかったからです。5日後に、クァク・ジェギュという 労働者がまた命を絶ってやっと合意し、ひとりの遺体はクレーンから降り、もう ひとりの遺体はドックから引き上げるというとんでもない合同葬儀を行いました。

21歳の青春時代に同じ工場で出会い、ほとんど毎日顔をあわせ、同じ夢を見た 人々です。夏には全身にアセモが出て、汗で安全靴がどろどろになる厳しくつ らい労働をしながらも、あの人々がいたから、もっと良い未来を夢見ることが できました。

私たちがこれまでの疾風怒涛のような時期を昔話のように話しながら、少しは 変わった世の中で一緒に年を取っていけると一度も疑わなかった人々です。

その二人を一度に土に埋めて帰ってきた日の夜、ボイラーをつけようと何気な くスイッチに手をのばし、私はその場に座り込んで慟哭しました。

二人を一度に埋めた手で、自分だけが生きようとボイラーをつけるのか。

冷たい地面に20年共に過ごした二人を埋め、私だけ暖かく暮らすためにボイラー をつける私は人間なのか。

それから8年間、たった一度もボイラーをつけられず、クレーンに上がる前日の 夜、初めて暖かい部屋で寝ました。

2010年、会社はまた432人の整理解雇を通知して、組合員の強い反発で構造調整 中断の労使合意しました。

そして1年もたたず、400人の整理解雇をまた通知しました。

その間、正規職は希望退職という名で、下請労働者は小さな声をあげることも できず、この工場で3千人近くが雇用を失いました。

なぜ莫大な黒字をあげる企業で、その黒字を作り出した労働者だけが苦しまな ければならないのか、ぜひ言って下さい。

経営陣は、経営の失敗の責任どころか、株式配当金に現金配当に年俸まで値上 げした企業で、なぜ労働者だけに度重なる整理解雇で血の涙を流ささせるのか、 必ず明らかにして下さい。

法院の仮処分決定で組合員の労組事務室出入が認められたのに、用役を動員し 出入りを止める会社についても明らかにして下さい。

双竜車の労働者たちが整理解雇に抵抗して叫んだスローガンは「解雇は殺人だ」 でした。

その悲劇が韓進で繰返されないように、2003年に合同葬儀を行ったその惨劇が 繰返されないようにして下さい。

「われわれは働きたい」

解雇された組合員が工場の中にいた時、誰かがクレーンの下に書いて行った スローガンです。私たちの組合員たちを働かせて下さい。

9か月、家にも帰れず街をさまよう組合員たちを家庭に帰して下さい。

環境労働委国会の議員様に切実に訴えます。

光復節66周年85号クレーン
222日目の明け方をむかえながら、キム・ジンスク拝

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-08-19 13:06:55 / Last modified on 2011-08-19 13:06:57 Copyright: Default

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