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「ユソン企業労組の闘争、これからまた開始だ」

[インタビュー]ユソン企業牙山嶺東支会組合員

特別取材チーム 2011.08.18 13:46

「これからが始まりだ」

「ユソン企業使用者側が民主労組を瓦解させるために多くの作業をしました。 私たちが90日以上工場の外で戦ったのに、職場閉鎖前の労働組合に復元させる には、さらに労力のいる戦いをせざるを得ません。外での3か月よりも大変で しょうし、そのためにこれからまた始めるという気持ちで闘争を準備しなければ なりません」(C某ユソン企業牙山支会組合員)

▲ユソン企業支会は17日、忠南道洪城の龍鳳山青少年修練院で総会を開いた。彼らは総会で労使合意文を全員一致で通過させた。

8月16日、ユソン企業労使は法院の仲裁で今回の職場閉鎖事態についての合意を した。この後、ユソン企業支会は17日に忠南道洪城の龍鳳山青少年修練院で 総会を開いた。彼らは総会で、労使合意文を全員一致で通過させた。今回の事態が 一段落したのだ。だが組合員の表情はあまり明るくはない。特に、今回の合意の 過程で見られた法院の調整、工場内に入って発生する多くの問題のことを皆が 心配していた。

法院は今回の仲裁のために3次審理を開いてまで、労使合意に総力を傾けた。 ユソン企業支会は対話がうまくいかず、調整を中止して裁判で決定するよう 要求したが、受け入れられなかった。法院のこのような態度にユソン企業支会 の組合員たちははがゆくて憤りが爆発するという。

「法院はユソン事態が全国的な問題になったので、はやく解決しようとしたよ うです。もちろん、上部からの圧力もあったでしょう。だが職場閉鎖が正しい かどうかを判断しなければならなかったのに、それができなかったのは残念で す。判事はまるで使用者側とあらかじめ話したように、続いて使用者側の立場 を代弁するようで、調整を見るほどに腹が立ちました」。

「私たちが90日間座り込みをして戦ったほどに、勝ち取ることができなかった ようです。判事に振り回されたという思いを強く感じます。特に200人以上が 確約書を書かざるを得ないことと、使用者側が復帰者リストを作成するのは 心配です。しかし、組合員が勝とうとする気持さえあれば、いくらでも克服で きるでしょう。全ては私たちの意志にかかっていると思います」。(H某ユソン 企業牙山支会組合員)

法院調整の組合員たちの不満は大きいが、これから重要なことは、工場に戻っ てからの対応だと皆が口をそろえた。特に総会以後の組別討論で熱い論争が繰 り広げられた。組合員たちは個別に対応せず『組織的対応』が必要で、集中し なければいけないと意見を集約した。また、復帰以後の使用者側の懲戒、転換 配置、現場弾圧などへの議論が進められた。

「中に戻ればまず懲戒が始まるでしょう。それが効力があろうがなかろうが、 はっきりしています。また、転換配置、御用労組との対立、現場弾圧、これまで データとして存在していた職場閉鎖以後のあらゆる事業場で進められたことが ユソンでも行われるのは明らかです」。

「復帰すれば、先に戻った組合員との争いが生じるかもしれません。だがその ような状況での私たちの指針ははっきりしています。発生するすべての懸案に より、組織的に対応することですが、私たちが一度に動けばあちらは砂粒のよ うに集まっているので勝てます」。(イテヨン ユソン企業牙山支会組合員)

「現場に復帰して、一番難しいのは、先に戻った人と私たちとの関係、使用者 側の監視でしょう。しかし私たちは自ら解決します。数年間の過程を経て作っ た労働組合なのに、やっと民主労組作って維持してきたのに虚しく負けること はできません」。(ファン・チョンス ユソン企業牙山支会組合員)

▲ユソン企業に常駐していた現代自動車幹部の自動車から発見された労組破壊シナリオの一部

ユソン企業支会が今回の闘争で一番問題にしているのは、現代自動車とユソン 企業との関係、夜間労働の問題点に対する暴露だ。職場閉鎖開始直後にユソン 企業に常駐していた現代自動車関係者の自動車からは、労組破壊のシナリオが 発見された。労組はこの事実を暴露して即刻対応したが、警察投入とビニール ハウスの座り込みできちんと対応ができなかった。問題の深刻性は知らされた が、解決はできなかった。

「現代自動車の支配介入についての明確な資料が発見されたのに、完璧に問題 化できなかったんです。情況はあっても皆が隠して、自動車産業での発注元と 下請の支配介入に対する悪循環の輪を断ち切らなければならなかったんです。 自動車の価格は毎年上がるのに、部品の価格は上がらずに、むしろ大量生産や 中国工場ができたといって単価は下がり、大企業の横暴はますます激しくなり ました。製品を作っても状況はあまり良くならなかったんです」。

「この輪を断ち切って大企業の横暴を防がなければならないのに、事実、労働 組合にできることはあまり多くありません。結局政府が制度的に補完するべき ですが、夢も見られません。実質的に政府が動き、中小企業を育てることで国 が成長するのですが... 大企業の利益は上がり続けて、実際に今回、現代車や 起亜車を見ても、多くの成果金と株式配当金が払われています。中小企業はそ んなことは夢にも見られません」。(シン・ギビョン ユソン企業嶺東支会組合員)

また、韓進重工業には整理解雇撤廃、ユソン企業には夜間労働撤廃という言葉 がつくほど、今夏は夜間労働に対する問題は全国的な問題になった。多くの マスコミと市民社会団体は、今回のユソン企業支会闘争で、夜間労働、『夜は 眠りたい』という要求に深く共感した。また、支会は夜間労働をする全国の多くの 労働者から支持された。

ユソン企業支会はこうした反応にもかかわらず、夜間労働を実現化できなかっ た。組合員たちは今すぐ昼間連続2交代制をまた争点化して戦うことはできない が、近日中にまた行わなければならないという。そしてまた闘争する時は全国 の支持を受けて戦いたいという。

「夜間労働をなくすために絶えず戦わなければなりません。そうしなければな りません。昼間連続2交代施行のために今回のことがこれほど拡大したのですか ら、必ずまた言わなければなりません。夜間労働撤廃を準備しているすべての 労働者、労働組合が今度一緒にするでしょう。夜間労働の深刻性に共感するす べての市民が私たちと連帯するでしょう。多くの労働組合が私たちに申し訳な いと言い、私たちが犠牲になったと話しました。また戦う時は明らかにユソン 企業支会一つの戦いではないでしょう」。(H某ユソン企業牙山支会組合員)

「使用者側は長い間、民主労組弾圧を準備してきて、昼間連続2交代を口実に、 職場閉鎖を断行しました。明らかなことは夜間労働がなくなっても、労働者が 会社の物量を処理できるということです。私たちがまた昼間連続2交代制を要求 できない理由は全くありません。そのために次期執行部を作れば、また戦います」。 (C某ユソン企業支会組合員)

▲ツイッターから始まった「希望コーヒー」運動。以後の色々な物品につながった。[出処:ツイッター@itsmysong]

ユソン企業支会が100日近くビニールハウス座込場を維持できた力は『連帯』だっ た。最も眼につくのは『希望コーヒー』だった。座り込みが始まり、ミックス コーヒーの消耗量は膨大で、支会の財政で必要量をすべて購入するのは不可能 だった。そうして始まったのが『希望コーヒー』運動だった。

「今回の連帯の核心はツイッターでした。『希望コーヒー』で始まったツイッ ター運動は爆発的な反応を呼び、私たちもこれ程拡大するとは想像しませんで した。特に、コーヒーで終わらず『希望』という字がついた様々な物品が到着 したのですが、大邱からは扇風機7台がきたし、鶏の丸焼きや、モチ、マグロ、 キムチ、こうして私たちが考えもしなかった多くのものが到着しました。 ツイッターの役割がとても大きく感じられました」。(シン・ドンチョル ユソン企業支会組合員)

また、多くの単位事業場の連帯も続いた。多くの労働組合と市民社会団体から 闘争基金が伝えられた。連帯にきた多くの労働組合が、忠南地域で一番連帯を 活発にしてきたユソン企業支会にくるのは当然だといった。だが、ユソン企業 支会の組合員の中には、むしろ今回の労使合意が連帯しにきた団体に申し訳ない 結果だとも話した。

「多くの連帯団体が来ましたが、申し訳ないという思いが大きいです。私たち が合意であまりに多くを譲歩し、こんな内容は結局連帯にきた人の力を落とす 内容かもしれません。ユソン支会だからこの程度で終わったと言いますが、こ こまで譲歩したのは私たちとしても率直に気力がなくなります。そのために私 たちが現場に戻り、内部でまた闘争して、過去の姿を取り戻して見せなければ なりません。それが私たちがすべきことです」。(C某ユソン企業支会組合員)

だが、組合員たちは、民主労総と金属労組への不満が大きい。特に、単位労組 の連帯は活発だったが、中央での組織的な連帯は足りなかったと口をそろえた。

「昼間連続2交代のために始まって、全国で大きな問題になったのに、民主労総、 金属労組はきちんとバックアップできませんでした。皆が一緒に解決しなけれ ばならない状況なのに、全部尻すぼみの状況になりました。実質的な金属労組 の連帯は、単位事業場の連帯でした。こうした状況で金属労組が今後、どこに 進もうとしているのかわかりません。心配になるのは事実でしょう」。(シン・ ギビョン ユソン企業嶺東支会組合員)

「今回の闘争では以前の金属労組が見られませんでした。忠南では、2001年の セウォン・テック闘争で、忠南地域全組合員全面ストライキで用役を追い出し、 慶南製薬では拡大幹部が用役と戦いました。しかし今回は忠南地域の全面スト どころか、最初に予定されていた総会闘争も雨で延期されました。ユソン支会 がこの程度まできたら、支部の全面ストライキを何度かすべきではなかったで しょうか? だが一度もできず、やろうともしませんでした」。(シン・ドンチョル ユソン企業牙山支会組合員)

今ユソン企業支会組合員は、19日の労組事務室出入を始め、22日に最初の復帰 が始まる。組合員たちは職場閉鎖から100日近く寝食を共にし、座り込みをした。 今は各自の工場に帰って、新しい戦いを準備しなければならず、励まし合う。

「まだわれわれは力を落としています。今組合員は半分程が残っていますが、 周辺ではたくさん残っていると言いますが、私たちが見れば、少ないです。もっ と組織力に気を遣わなければなりません。自分自身を考えて周辺を振り返り、 新しい闘争を準備しなければなりません」。(シン・ギビョン ユソン企業嶺東支会組合員)

「中に戻り、みんなもっと固く団結しなければなりません。ビニールハウスで 座り込みをして、出てこない人はとても多かったです。今現場ではそんな姿が 見られず、職場閉鎖の前よりもっと強い組織力を作ればと思います」。

「またこんなことがおきないように....」。(C某ユソン企業牙山支会組合員)

(記事提携=メディア忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-08-19 11:03:32 / Last modified on 2011-08-19 11:03:37 Copyright: Default

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