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「クレーンのてっぺんに上がりたい気持です」

[インタビュー]蔚山工場から影島造船所へ...チャン・チャングン解雇組合員

ヨン・ソンノク(現場記者) 2011.08.08 11:37

韓進重工業蔚山造船所で働いて、釜山影島造船所に配置転換された組合員の中 で、整理解雇通知を受けた労働者は30〜40人だ。かれらのほとんどは希望退職書 を出し、現在7人が残って整理解雇撤回闘争委員会(以下整闘委)で一緒に戦っている。

韓進の組合員たちは、整闘委の事務室で一日三食の食事を取る。そこで立った まま食器を磨くチャン・チャングン組合員と、8月6日に会った。

蔚山工場の職場を閉鎖して、蔚山支会の労働組合の旗もたたんで釜山にきた時 の気持は一言で表現するのは難しい。皆苦しい中でやってきたのに、代議員の 友人たちもいて、信じていた後輩たちも6月27日の行政代執行の後、大勢が希望 退職書を書いた。それでも蔚山で一緒に働いていた人なので、特に粘り強いと 信じていたが、あまり気分は良くはない。

話をしながら、時々空を見上げる彼の視線に、これまでの時間らがちらついて いるようだった。居住を釜山に移したのか、整理解雇の通報を受けた後、家族 の反応はどうかと聞くと、しばらく頭を下げて言葉をつなぐ。

子供が小学校5年の息子と3年の娘、六才の息子の三人だが妻と共に家族は蔚山 にいて、私は釜山の両親の家から出退勤をした。今は家にはほとんど帰れず、 蔚山の家には1か月に二回程帰る。妻は口数が少なく両親は希望退職すればどう かと話し、その後実家には行かなくなる。両親や蔚山の家族に申し訳ない。

影島のテドン造船で5年働き、1996年に韓進重工業に入社して、蔚山工場に発令 を受けたというチャン・チャングン組合員の顔を見ると、暮らしてきた時間が あまり平坦ではなかったと思っているようだ。彼は初めは話すことは何もない と言っていたが、生きてきた時間を話せず一日中話しても足りないとし、声を 出さずに笑う。

若かった時に事件にあったこともあり、本当に一生懸命働いて幸せな家庭を設 けることが夢だったが、なぜ私が解雇されたのかまだよくわからない。会社に なぜ解雇したのか、個人的に聞きたい気持もある。整理解雇された以上、遠く 険しい道でも、最高裁まで行って正当さを認められたい。蔚山で特殊船に発令 された人のうち私一人だけが整理解雇になった。

蔚山工場で代議員や常執をしたりもしたが、そのために解雇されたのだろうか。 だが釜山では黙黙と働くばかりだったという。

苦しいことの一つが、健康の問題だ。96年に入社して、99年に会社ではなく、 ひき逃げされて初診16週と診断され、大手術を受けた。腰骨を削り、左の足に 移植し、足を曲げられず今もあぐらをかいて座れない。その上2003年に腰ディ スクで6〜7か月と労災判定され、足も不十分で腰も不十分だからクビになった のではないか、一人でいるとわけもなくそのような考えもしてみる。

こうした事情をよく知らない人は、チャン組合員が集会の時、隊伍の中間に座 れず一番後ろに立っていると、戦う意志があるのか、中途半端に後に立ってい ると誤解することもあるという。しかし自分は最後まで戦うと自らを信じてい るので、それはあまり重要ではないという。

▲整闘委の事務室で食事時間が終わった後、立ったまま食器を磨くチャン・チャングン組合員。

6月11日に用役とぶつかった時、左の足を用役に踏まれた。戦う時、思いきり戦 えない私が悔しく、同僚の害になるのではないかと思い、その日は同僚の助けで 4階の生活館に上がったが、会社にも腹が立ち、私にも腹が立ち、クレーンの てっぺんに上がろうかとも考えた。

一番てっぺん上がろうとも思ったが、つらい理由が多いだけにもっと強く戦い たい。腹がいっぱいだと動きたくなくなるかと思い、食べるものも少なくして いるという。腹がすいていれば強く戦えるではないか。からだが粉になっても 整闘委の人々とキム指導委員、そして私のために整理解雇を撤回するまで戦う。

この2年間、聖堂で神父様と会って、精霊黙想というものをした。その後世の中 に不満だったことを肯定的に考えられるようになり気が楽だった。つらく苦し い時、黙珠を触る。しかしいくら肯定的に考えても、今チョ・ナモ会長は会社 が苦しくもないのに整理解雇をして、自身の間違いを認めずにいる。金と権力 と用役を立てる会社を見れば憤りが爆発する。

彼がポケットから黙珠を取り出して見せてくれる。世の中を肯定的に見ようと しても、あまりに矛盾が多いとし、それでも家族がいるから力になると、妻と 子供の話をする。目じりがぬれているようだったが涙を見せる代わりに、苦しい つばを飲み込んだ。

小学校3年の娘が手紙を一枚書きました。不当解雇救済申請が5月6日、地労委で 棄却されて、その雰囲気を感じたのか、5月8日の父母の日に娘が書いた手紙の 初めの一節が「お父さん、まっ暗なところを見ずに青い空を見て下さい」と始 まっていました。子供が殊勝で、胸が強く締まって、どんな瞬間も大変な時に 倒れてはいけないと考えました。

妻が私に「他人には親切なのに、なぜ私には無愛想なの」と一度は尋ねました。 たいしたことでないかのように、適当に聞こえなかったふりをしたのに妻に愛 しているという言葉を一度も口にできませんでした。私と会って、とても苦労 して、それで申し訳なくて妻と子供たち愛して復職して、共に笑いたいです。

▲腹がいっぱいなのは嫌だとし、一日一食だけ食べるというチャン・チャングン組合員.

失業給付を受けているが、それで子供三人を育てるのは容易ではない。彼の妻 は家でできる副業をしながら少ないが家計を補っている。失業給付は勤続研修 でも色々な条件によって少しずつ違いが出るが、100万ウォンになるかどうかだ そうだ。

この日の晩の集会の時、誰かパンと缶コーヒーをいっぱい持ってきたが、何も 言わずパンを配っていた姿がちらつく。相変らず集会の後で足を伸ばして座っ たり立っているチャン・チャングン組合員が現場に戻る日が、85クレーンのキム・ ジンスク指導委員が笑って降りてくる日だという気がした。キム・ジンスク 指導委員の高空は、このように皆の高空でもある。(記事提携=蔚山労働ニュース)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-08-09 09:31:35 / Last modified on 2011-08-09 09:31:36 Copyright: Default

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