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「私は大統領が認めた年俸7千の一等花婿候補だ」

[インタビュー]ユソン企業労組『シングルマン』キム・スジョン氏

特別取材チーム 2011.07.27 13:48

最近では年俸7千万ウォンなら一等の花婿候補隊列に合流することができる。 嘘が明らかになったが、李明博大統領まで、ユソン企業の労働者は年俸7千万 ウォンの高額年俸者だと全国民に発表したので、こんな良いことがあるだろうか。 誰でもお見合いの斡旋してもいいが金属労組ユソン企業支会のキム・スジョン (37歳)事務長はまだ『シングル』だ。

「ここのチョンガーは大統領が認めた一等花婿候補だね。プラカード作って、 外に持って出て行こう。子供たちみんな結婚できるだろうね。事務長も結婚し て。良いね。ところで初めて会った時、お母さんと一緒に暮らすと言うなよ。 ひょっとしてそれで結婚しないと言われたらどうする」。

李明博大統領のラジオ週例演説は訂正報道されず、労働者に反論報道の機会も 与えられなかったが、座込場に快活な笑い声が広がった。

夜昼二交代、ブドウ畑作...忙しいキム氏

誰もがそうであるように、キム・スジョン事務長の人生にも何度か縁があった。 知人の紹介で見合いもしたが、恥ずかしがって、時間なくて『まともな恋愛』 を一度もしたことがないという。顔を赤らめ、ぎこちなく微笑を浮かべるキム 事務長の姿はまちがいない『老いた未婚男性』だった。

「気に入る人がいなかったり... 見合いで相手と楽しく対話して別れても、次 につながらなかったんですよ。事実忙しいです。夜昼二交代で1週は昼、1週は 夜に働くから生活パターンが不安定です。そしてお母さんと暮らしていますが、 お父さんが4年前に亡くなって、柿の木を植えてブドウ畑農作業をするので忙し いです」。

キム事務長は夜間勤務の時、農作業をする。朝退勤してすぐ仕事を始め、午後 3〜4時になると眠り、夜10時に出勤する。2千坪の畑作を作るが、手抜き農作業 でお母さんにお小遣を上げるほどの収益が出てくるのだ。

お母さんと二人だけで暮らしていたからか、キム事務長とお母さんとの愛情は 格別のようだ。3男3女の末っ子でもあり、兄、姉はすべて結婚して家を出た。 特に座り込みが長くなり、家に帰れず、警察出頭要求書、会社家庭通信文など が家に飛んできて、76歳の老母の心配はつきない。

「それほどお母さんと特別ではないんですが(笑)... 忠北道嶺東の家に一人で いるのですが、70日の闘争の間、5回程家に帰りました。ブドウ畑の農作業も しなければいけないのですが、私がこうしているのでお母さんがとても心配です。 警察、会社があれこれ送ってくるから... 先週の日曜に家に帰るととても喜んで いました。息子が何しているのかだいたい知っていますが正確には知りません。 ただ会社に問題があるんだな... という程度」。

労組幹部で常に堂々たる姿を見せるキム事務長。発言する時によく冗談を言い、 組合員が喜ぶ。数日前、労働部の仲裁で会社との1次懇談会の結果を報告した キム事務長が発言の途中『お母さんに会いたいです。はやく工場に帰りましょう』 と話し、一度笑った。

「何日か前にお母さんがずっと電話をしてきた。調べてみるとブドウ畑に問題 が起きた。集会の支会でふざけて『お母さん会いたいです』と言ったことが、 組合員たちにマザコンに見えたようだ(笑)。組合員はみんな大変だ。子供たちと 会いたくて、妻にも会いたくて、結婚できない私はお母さんと会いたいといった のだが(笑)」。

仕事の後に焼酎を飲んで...一括復帰して、また日常に

李明博大統領の年俸7千万ウォンの嘘演説は、社会的に叱責された。労働者は ストライキの無力化に大統領まで乗り出したと非難した。

正規職、非正規職、移住労働者、女性労働者を問わず、人なら誰でも夜は眠ら なければならないという自然の法則、『夜眠り、昼働こう』という要求は高額 年俸者という一言で歪曲された。

「私は大統領が認めた一等花婿候補だ。だがそうは思いません。年俸7千万ウォン? その程度受け取れれば良いでしょうね。実際、4千万ウォン少しです。税金だの 何だのあれこれ引くと、3千万ウォン程度? 年俸3千に夜昼二交代、多分、結婚 できない理由の一つではないでしょうか?」

70日間座り込みをして、用役警備に殴られた同僚を見るのが一番辛いという。 同僚は用役警備の偽装車ひき逃げで右足の筋肉が破裂し、鉄パイプで殴られて 頬骨が陥没し、頭を割られた。

「偽装車に轢かれた同僚に電話して、治療が終われば座り込みに参加しろといっ た。だが用役警備に殴られて、頬骨が陥没した。二回も怪我をしたのに... とても申し訳なくて気分が良くなかった」。

勤務希望書を労働部、会社に出したのに、会社は労働者を一括復帰させずにい る。職場閉鎖期間、工場の中に『御用労組』ができ、復帰者と未復帰者の間の 対立もできた。会社が労働部の仲裁懇談会にも参加せず、会社-労組との対立を 労働者間の対立に追い込んで、座込者の怒りが上がってくる。

それでも彼らは『民主労組死守』の理由だけでなく、工場が懐かしく、同僚と 会いたくて耐えているという。会社が分断しても同僚の憎しみの情、優しい気 持ちはどうしようもない。

「復帰した同僚は2種類いるようです。会社側の人と、経済的な困難などでやむ を得ず復帰した人です。会社側の人は言う価値もなく、経済的困難で復帰した 人は憎くはあってもどうしようもありません。理解はします。はやく一括復帰 して、工場に帰って、以前のようにつらい時、同僚と焼酎飲んで、朝退勤して、 マッコリも一杯飲んで。日常に帰りたいです。同僚との時間をよく思い出しま す」。 (記事提携=メディア忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-07-28 14:20:58 / Last modified on 2011-07-28 14:21:00 Copyright: Default

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