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ユソン企業、用役警備のひき逃げ事件は過失か、故意か?

「13人をひき逃げしたのに単純な交通事故?」...警察、会社の物量搬出も助けたのか

特別取材チーム 2011.07.20 02:25

5月19日のユソン企業工場の元用役警備(加害者)による偽装車でのひき逃げ事件 が発生してから2か月を越えたが、加害者の処罰が行われていないばかりか事件 進行の経過も明確に公開されずユソン企業労働者(被害者)の反発が強い。

加害者を故意犯と見る労組の主張と違い、検警は過失犯の単純な交通事故とし て処理しようとしており、双方の主張がするどく対抗している。特に被害者が 合意していない状況で、加害者が不拘束になり、事件の解決が遅れているため 『怠慢捜査』、『不公正捜査』等、検警への批判が絶えない。

また6月22日の朝7時に会社が物量搬出を理由として用役警備を動員し、労組員 22人を集団暴行した日、会社が牙山警察署の協力の下で物量搬出をした事実が わかり、問題になりそうだ。

未明、血を流して倒れた13人...再告訴しても単純交通事故処理か

警察、「加害者が興奮してミス」

労組、「追加調査もなく、検警は怠慢な対応」

労働者13人が集団傷害を受けた用役警備偽装車ひき逃げ事件は、5月21日に法院 が令状を棄却し、加害者が不拘束になった。被害者13人は結果に反発し、集団 で再告訴したが、検警は単純な交通事故の特定犯罪加重処罰法(以下特加法)を 適用しているという。

進歩新党の趙承洙(チョ・スンス)代表は7月15日に忠清南道警察庁長官と面談し た結果、「用役警備により起きた自動車ひき逃げ事件は、警察の捜査が終結し、 検察に送検された」とし「警察が捜査で、加害者が興奮してミスをしたもので、 故意性がないと判断した」と伝えた。

牙山警察署強力掛の担当者はメディア忠清とのインタビューで「初期の調査で 特加法による令状を請求したが棄却された。故意性よりひき逃げが認められた」 とし、「拘束捜査をしようとしたができず、現在、この事件は送検された状況」 と説明した。

事件進行の経過について、牙山警察署側は異なる説明をした。強力掛の担当者 は事件が送検されたといったが、捜査課長は最初の事件は終結したが被害者が 再告訴した事件は送検されておらず、警察で捜査を続けていると伝えた。

牙山警察署の捜査課長は「被害者13人の共同名義で告訴した事件(再告訴)に対 し、警察が用役警備(加害者)の捜査を続けている」とし、「会社が殺人を教唆 したという労組の主張と、特加法が適用されたひき逃げ事件は両立しないが、 検察の決定により会社が殺人を教唆したかどうかが、自動的に確認される」と 付け加えた。

このように今回の事件の争点は、加害者を業務上の過失による過失犯と見るか、 故意犯と見るかだ。検警は加害者を過失犯として事件を軽く処理しようとして いるが、労組は暴力行為などの処罰に関する法律(暴処法)による集団凶器使用 傷害罪で加害者を告訴した。

一例として昨年4月頃、乗用車による逆回り暴走運転で他の車両の事故を誘発し た暴走族に対し、暴処法上の凶器使用傷害責任を認めた一審判決がある。

▲19日未明ユソン企業使用者側が雇用した用役業者職員が車両で襲い、13人の労働者が重軽傷を負った。

金属労組ユソン企業支会は「用役警備が偽装車で歩道を突進し、13人が怪我を し、車両で人をひいて逃げたのに、どうして故意性がないというのか」と鬱憤 を放った。被害者の再告訴にもかかわらず、単純なひき逃げ事件として処理さ れていることに怒ったのだ。

また被害者の調査が不充分だという提起も続いた。ユソン企業支会の関係者は 「再告訴以後、警察は被害者に電話をかけて再調査し、1次調査の内容とほとん ど差がなければ、以前の調査内容をそのまま使うといった」とし、「警察がき ちんと捜査をしようとしているのか疑問を感じる」と批判した。

労組側の弁護士は「正式に告訴し、正式な捜査を要請したが、追加の調査を行 わず、そのまま進められたようだ」とし、「用役警備が車両を凶器として利用 し、人をひいて逃げたので、単純な交通事故ではなく故意の傷害だ。最初1人が 怪我をしたのは事故と見ることもできるかもしれないが、続いて組合員をひい て逃げたのだから、警察が交通事故と見るのは問題がある」と主張した。

続いてこの弁護士は「検察がどんな罪名で、どう起訴したのかが問題だ。もし 偶発的に加害者が偽装車で突進したとしても、合意がなければ事実、実刑になる 状況だ」とし「事故が発生してから2か月が経ったのに、起訴もされていない。 検察がサボタージュをして、時間稼ぎで対応しているようだ」と指摘した。

6月22日用役警備-労組員衝突激烈...

会社物量搬出「牙山警察署の協力確認」

一方、メディア忠清が入手したユソン企業の会社側の資料によれば、会社は 6月22日「午前7時5分会社は牙山警察署情報課の協力確認で納品車両などの 出庫のためにコンテナを片付け」た。

当日会社は出勤の意思を明らかにして一括復帰を要求している労働者を阻止す る一方、物量搬出のために用役警備を動員して激しい物理的な衝突が起きた。

ユソン企業支会の関係者は「表面では警察は労使衝突を防ぐといいつつ、会社 の物量搬出を助け、労使衝突をあおった形だ」とし「物量搬出は重要ではない。 勤労を望む労働者を一括復帰させ、工場の中で長時間労働に苦しんでいる労働者 に配慮して、超過勤労を強要する会社を処罰することが先だ」と反発した。 (記事提携=メディア忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-07-22 20:28:24 / Last modified on 2011-07-22 20:28:38 Copyright: Default

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