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ユソン企業年俸7千ストライキは幽霊だ!

[寄稿]古臭い『ストライキ労働者高賃金論』...社内重役の年俸は1億4千

イファン・ヒョナ(赤い声) 2011.06.02 09:42

ユソン企業。あまり知られていなかったこの会社が、一日にして注目を集めて いる。用役チンピラの狂気は前奏曲でしかなかった。ストライキから数日で公 権力も投入され、ついに大統領が「『年俸7千万』の『勤労者』が『不法ストラ イキ』をする残念なことが起きた」という放送までしたためだ。労働者の正当 なストライキに対し、李明博は古臭い『高賃金論』を展開した。

ところがこれは明らかに予想されたことだった。年俸2千万も取れない非正規職 労働者が満ちあふれているのに、どこで年俸7千万がストライキをするのか? 労働者は一つだと言っていた君たちは恥ずかしくないのか? 正規職の腹を満た せば最高なのか? 目糞が鼻糞を笑うというものだ。労働者がストライキさえす れば出てくる悪い冗談の破片だ。

ユソン企業の労働者たちがストライキをした理由はよく知られているように 『夜間労働』のためだ。夜間労働が労働者健康に及ぼす影響はもう数年前から 疫学調査で確認されているのに、持続的な睡眠障害、突然の突然死、労働災害 の増加とガン発病などだ。だから世間を沸き立たせたユソン企業労働者たちの ストライキは、実は『睡眠を取り、眠れずに死にたくはない』ということから 出てきた。ちょっと眠らせてくれ! 人間の一番基本的な欲求を満たそうという ことだ。それも2009年に約束していた事項で、今年から『昼間連続二交代制』 を施行することにしたのだから、これを守れということだった。

彼らが7千万を取っても取らなくても、それは今回のストライキで議論されるこ とではない。『夜は寝なければ生きられない』という、とても素朴で常識的な 主張から始まったストライキだからだ。

ところが今また尋ねよう。君たちももう少し違う論理を展開しなければいけな いのではないか? ストライキで損失の規模がいくらで、輸出ができなくなって 長期化したら、国がほろびるという古い世論戦。それに加えて7千万ウォンを取 る、取らないという攻防をするつもりはない。生産職が7千万ウォンを取ったら どうだというのか。ドイツでは教授より清掃労働者の方がさらに稼ぐというな どと言うつもりはない。私はただ一日も早く高賃金論のような古いイデオロギー をぶち壊し、つまらない攻防から抜け出したいだけだ。それで、ユソン企業の 事業報告書を見てみた。ユソン企業高賃金論の正体を経営分析で暴いてみたい という衝動を感じたからだ。いわゆる労働者の目で見る『経営分析』だ。だが、 これとんでもない。労働者がもらった賃金表と、金融監督院の公示資料の監査 報告書には、ものすごい深淵が横たわっている。代替どこのバカが7千万ウォン だって?

金融監督院に登載されているユソン企業の事業報告書によれば、社内役員4人 (ユ・ホンウ、ユ・シヨン、イ・ギボン、チェ・チャンボム)の1人が取る年俸は 1億4千万ウォンで、年間5億6千万ウォンを4人が持っていった。ところが2010年 3月の株主総会で決めた『役員報酬限度額』は8億ウォンだ。これらの重役は、 たいしたこともせず椅子に座っていれば、持っていけるようにした上限が8億 という話だ。

[出処:金融監督院電子公示システム資料中一部]

48%の株式をユ・ホンウ一家が持つ血族会社であるユソン企業の配当金が、どう 配分されたのかも気になる。株主が持っていった配当は25億ウォンだがこれは 当期純利益の20%を配当金として持っていったことになる。ユ・ホンウ一家が持っ ていった配当金は12億5千万ウォンだ。2010年末、ユソン企業の1260億ウォンと いう利益余剰金また社内留保分があるので、ユ・ホンウ一家がいかに自分たちの 腹を肥やしているのかはっきりわかる。

では労働者の毎月の給与明細と較べてみよう。労働者の賃金表によれば、勤続 15年で月3百万ウォンだ。年俸にすれば3600万だ。7千万? 全然足りない。だが この程度の金額を確保するためには、残業、徹夜、特別勤務も拒まずに働き続 けなければならない。入社7年目の労働者の賃金表を調べた。勤続7年の労働者 が深夜・夜間労働52時間と休日特別勤務21時間して受ける報酬は180万ウォンだ。 ここからまた各種税金と保険を天引きすると月130万ウォンちょっとの給与になる。

さあ、では賞与金込みの労働者の年俸を推測してみよう。せいぜい2500万ウォ ンだ。年俸7千はいったいどこから出てきた数なのか? 百歩譲って、金融監督院 の公示資料の監査報告書に記載された付加価値内訳を見ても、7千という数字は 出てこない。付加価値計算には給与、退職給与、福利厚生費などが全部含まれ ているからだ。直接賃金と間接賃金を合計する計算法だ。しかし、われわれは 退職金と福利厚生費を通常賃金だと思わない国で暮している。こんな明らかな 事実を大統領と長官だけは知らないのか?

ユソン企業労働者。彼らは11回の交渉の間、たった一回も提案をしない会社に 対し、労働者の団結力を見せた。ユソン企業労働者の賃金の4倍を受けるユソン 企業の重役たち。彼らは何を言いたいのか? 用役チンピラを動員して、労組を 弾圧して、ストライキして何日もならないうちに公権力投入してくれと言うの がせいぜいだ。彼らが享受する高額な年俸と富の蓄積は、全て労働者の『余剰 労働』の結果のはずだ。資本と政府が先頭で『ストライキ労働者高賃金論』を 言えば言うほど、彼らのいやらしい行いとインチキがあらわれるだけだ。 『ストライキ労働者高賃金論』は古臭いイデオロギー、幽霊でしかない。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-06-04 11:23:05 / Last modified on 2011-06-04 11:23:11 Copyright: Default

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