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「インターネットの使用を無制限に監聴する『パケット監聴』人権侵害が深刻」

市民団体、パケット監聴の憲法訴訟を提起

キム・ドヨン記者 2011.03.29 19:56

以前、国家保安法の疑いに無罪を宣告されたことがあるキム・ヒョングン教師 が、2月27日に国家情報院からパケット監聴されていた事実を通報された。国家 情報院が送ってきた監聴通知書によれば、キム教師は2009年4月1日から2010年 11月18日まで1年半にわたり、自身の名義で加入して使っている8つのEメール・ アドレスの接続記録と2010年11月18日から2011年1月15日までの接続地追跡資料 (リアルタイム接続IP追跡)を監聴された。

監聴通知を受けた後、キム教師は誰かにいつも自分の生活を見られているよう で、生活はさらに萎縮し、Eメールはできるだけ使わないようになった。受信相 手も捜査の対象になりかねないからだ。自分とよく連絡していた人のうち6人は すでに国家情報院から調査を受けた。無嫌疑と判定されたが、別の被害者が出 てこないとも限らない。

親睦のために作ったインターネット・コミュニティにつまらない文を書くのも 躊躇するようになった。日常的なメモも、日記を書いている時さえ、自己検閲 をしている自身の姿を発見するたびにみじめに感じ、最近ではうす暗い路地で 異なる政治的な立場を持つ人からテロを受ける想像までする。眠れない時間が 次第に長くなり、人生がさらにつらくなった。

キム・ヒョングン教師が憲法裁判所にインターネット『パケット監聴』の憲法 訴訟を提起した。

キム教師と民主社会のための弁護士の会、進歩ネットワーク、韓国進歩連帯な ど、『公安機構監視ネットワーク』は3月29日、憲法裁判所の前で記者会見を行 い、「『パケット監聴』は、監聴対象や内容を特定して監聴することができな いという点で、特に人権侵害的な監聴技術」とし「憲法が保障する通信の自由 および思想と良心の自由、通信秘密の自由を侵害するので違憲」と主張した。

▲左からキム・ミンギョン進歩ネットワークセンター活動家、キム・ヒョングン教師、イ・ガンチョル弁護士

パケット監聴を利用すれば、対象者がEメールとメッセンジャーの発送や受信の 内訳とその内容だけでなく、インターネットで接続したサイトのアドレスと接 続時間、対象者が入力した検索語、送受信した掲示物やファイルの内容をすべ て見ることができる。

またパケット監聴は、被疑者のコンピュータを通過する経路で行われるため、 被疑者が接続するすべてのウェブページのアドレスのリストと移動経路および ログイン情報、該当ウェブページに接続した時刻と時間、コンピュータをオン オフした時間など、正確な通信事実確認資料が簡単に得られる。

これについて金教師の法律代理人の民主社会のための弁護士の会のイ・ガンチョ ル弁護士は、「パケット監聴は憲法第18条の通信の秘密と自由、第17条の私生 活の秘密と自由、第10条の人間としての尊厳と価値、幸福追及権を本質的に侵 害する」とし「法院がパケット監聴を許可するのは、被疑者だけでなく彼と通 信をした人の通信の自由と私生活の秘密自由までを有名無実にするので、監聴 許可要件を規定する通信秘密保護法の2条7号と5条2項、6条は違憲」と指摘した。

進歩ネットワークセンターのチャン・ヨギョン活動家は、「国家情報院は韓国 の全監聴の97%もの圧倒的監聴を執行しているが、国内の犯罪捜査を担当せず、 ただ国民を監視、査察する目的であり、人権侵害の余地が高い」とし「国家情 報院の『監聴』そのものも問題」と話した。

彼らは続いて「パケット監聴に対する法院の許可は、事実上『包括的白紙許可 書』を発行するようなもので、パケット監聴は被疑者だけでなく、その人と通 信した人の通信の自由および私生活の秘密自由まで有名無実する」とし「憲法 に明示された国民の通信の秘密と自由を保護するために、今からでもパケット 監聴を禁止するのが当然だ」と主張した。

これに先立ち、キム教師は全北のある中学校で働いていた2005年5月、『南側統 一愛国烈士追慕祭』の前夜祭に学生と共に参加し、利敵表現物を所持、伝播し たとして警察に国家保安法違反容疑で起訴されたが、1、2審裁判所は無罪を宣 告した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-03-31 08:08:29 / Last modified on 2011-03-31 08:08:34 Copyright: Default

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