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バス ストライキ、怒りから希望へ

[寄稿]ストライキ90日、皆のための闘争という自負心

チェ・ビョンユン(第一旅客組合員) 2011.03.07 19:12

とても苦しい。同僚たちがこれほど長い間、一緒に頑張っていることも信じら れない。いったい何が私たちをこれほど強くさせたのか? 何が私たちをここに 立たせたのだろうか? 考えてみると本当に憤りが爆発しそうだ。バス労働者の 怨念の解消がこれほど長く続いているのではないか? そうだ。その怨念の解消 が終る時、このストライキも終わるだろう。

バス ストライキを始めるまで、やはり繰り返す賃金交渉

2010年7月、私が働く第一旅客労働組合は韓国労総に所属していた。当時は賃金 団体協議の時期で、労組は使用者側の賃金カット、労組との協議のない一方的 な運転手採用、労組無力化の試みなどに対してストライキ賛否投票をした後、 7月27日にストライキに突入する予定だった。こうした問題は、全州市のすべて の市内バス労働者が同じように体験していただろうしストライキは全北地域の 全てのバス事業場の計画でもあった。

しかし「もしかするとと思ったが、やっぱり」だった。

韓国労総が主導する賃金交渉は、いつもそうだが、ストライキを決めておいて ストライキの前日に「劇的な合意導出」で片がつく。組合員の賛否が問われる こともなく、「劇的な合意」は労働組合に受け入れられ、組合員が決めたスト は無かったことになってしまう。そして翌日、委員長は遠くに旅に出る。過去 もそうで、今回もそうだった。

韓国労総に組合員を集めて3か月でも10日でもストライキ闘争をして、事業者を 屈服させようと騒ぎ、ストライキの一日前にとんでもない合意案を受け入れて 賃金交渉を終えたのだ。当時の合意では組合員の賃上げは基本給の4.5%で、 まるまる働くと約7万ウォン程度だったが、支部長の賃金は70万ウォンも上がる という、とんでもない合意だった。

韓国労総と一緒にはできないと考えるだけ、またストライキを決意

われわれ組合員はこれに怒り、とても韓国労総とは一緒にできないと思う人が 集まって「韓国労総との決別」を宣言し、民主労総に加入した。当時私たちが 民主労総に加入したのは、ただ「韓国労総とは一緒にできない」ということだ けだった。

第一旅客だけでなく、他のバス会社の労働者も韓国労総が締結した賃金交渉に 反発し、共に民主労総に加入することになった。すると会社の労組弾圧はさら に強まり、われわれはまたストライキを決心することになった。

▲第一旅客籠城場

ストライキ闘争中ずっと耐えてきた厳しい寒さ、

怒りで押してきた闘争、私たちだけの闘争ではないという自負心

冬にストライキに突入したわれわれが一番最初に味わったのは、ものすごい寒 さで、全身で耐えなければならなかった。ストライキに突入して、この闘争が 簡単だとは思わなかったが、1か月程で終わるだろうと感じていた。ほとんどの 組合員もそう考えていただろう。

ストライキが長くなり、私たちが知らなかった事業主の不正も続々とあらわれ、 行政機関と政界の無能、事業主との癒着の疑いも提起されている。この闘争に は食事の時間、トイレに行く時間、未払い賃金支払いなど、私たちの労働条件 を改善するばかりか市民の問題も含まれているからこの闘争をしているという ことを知り、私たち自身、すごいことをしているという自負心も高まっている。

初めてストライキに入った時は、大部分の労働者は民主労総だの韓国労総だの、 そんなものにはあまり関心はなく、労働運動にも関心がなかった。いつも稼い で生き延びることに汲々とする平凡で貧しい労働者でしかなかった。ただ、私 たちがバス事業場で働いているので、他の市民よりバス事業主の偽りと不正を 近くで見て感じていることを市民に伝えられると考えた。

しかし今はずいぶん変わった。労働現場で起きる不当なことを身震いするほど 知り、行政と政治権力が庶民のためではないことを知った。警察はいつも金が ある事業主と力がある政治権力に従うということも知った。

90日になってろうとする長い戦い、事業場で受けてきた抑圧を、これまで韓国 労総が防御できなかったことについての抵抗と怒りが、これほど途方もないこ とだったのだということに、私自身が驚いている。犠牲を甘んじている同僚の 戦いを見ると、彼らは偉い。ストライキ隊伍に参加せず、事業主について、私 たちを困らせる運転手を残念がる同僚が誇らしい。明らかに生活苦によりスト に参加できなかった労働者たちも、初めは事業主と韓国労総に怒っていた人々 だったのでなおさらだ。

ストライキ90日目! 今私がなぜここにいるのか?

その返事はユーターンができないからだ。バスストライキは私たちだけの問題 ではなく、私の家庭、そして全州市民のための戦いだからだ。絶対にわれわれ バス労働者が不正腐敗と不正で汚された連中を断ち切らなければならないとい う切迫さがあるためだ。彼らの利益だけで労働者の利益を代弁しない御用労働 組合を審判する使命があるためだ。

長いストライキ闘争を経て、さらに固くなったわれわれは今、ここに留まるこ となく、さらに前に進む準備ができている。そしてはっきりこのストライキ闘 争が終わる日、すべての労働者と市民の拍手を受けられると確信する。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-03-08 07:05:12 / Last modified on 2011-03-08 07:05:24 Copyright: Default

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