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キム・ジンスク クレーン座り込み、野蛮な世の中と対話した300日

[インタビュー]キム・ジンスク指導委員座り込み「連帯の力で300日がんばった」

ウ・ヨンヘ記者 2011.11.01 17:35

85号クレーンが立っている11月の釜山影島造船所は、暑い夏を経て秋を越え、 冬に入り込んでいる。ぐんぐん広がる気温差で、夜には分厚い服を着込まなけ ればならない。

去年の夏の6月27日、行政代執行で通りに追い出され、クレーンの向い側で野宿 座り込みをしている韓進重工業労働者が相変らずその場を守っている。時間の 流れの中で変わったのは、寒くなった気温と高架道路工事が始まったことだけ、 なかなか変化を見つけるのは難しかった。その長い間、韓進重工業の整理解雇 事態に対する使用者側の態度も変わってもいいのに、これも全く変化しない姿だ。

▲キム・ジンスク指導委員高空籠城300日目をむかえた85号クレーン

85号クレーンの上で狭い空間だが、急いで動いて反対側に訪ねてきた人に手を 振る姿もそのままだ。

キム・ジンスク指導委員は、これまで85号クレーンで用役が組合員に暴力を振 るう姿、警官が影島造船所を孤立させる姿、そして組合員が野宿して市民が手 を振る姿を少し離れた場所から胸の中に閉じ込めておかなければならなかった。

昨年の夏、会社が85号クレーンを海辺側に移動させようと試みた時、彼女は まんじりともせず『血がにじむ時間』を過ごした。

キム・ジンスク指導委員が85号クレーンで血がにじむ時間を過ごし、11月1日で 300日目になる。ある組合員がこの300日について『みじめだ』と表現したその 時間を、キム・ジンスク指導委員が粘ることができた力は何だろうか。

[出処:韓進重工業整理解雇撤回闘争委員会]

キム・ジンスク指導委員は躊躇なく、『希望バスと多くの人々の応援、連帯の 力、そして韓進重組合員と家族』を選んだ。彼は何回ものインタビューで何度 も『このクレーンは、一人だけの力でできたのではない。多くの市民の希望 バスが、まさにこのクレーンと韓進重工業整理解雇闘争を守ってきた力だ』と 話した。

「1次希望バスがきた時は、高空籠城157日目の日でした。その前まで、韓進の 状況はマスコミから完全に孤立し、孤独なたたかいをしていました。ところが、 希望バスがくるというのです。初め、希望バスというものが本当にわかりませ んでした。そんなものを見たことがありませんでした。ところがこれが本当に きたのです。本当に驚くべきことでした。有難かったんです」。

キム・ジンスク指導委員は電話の間、ずっと物静かながら、軽快な声で答えて くれた。

彼女は希望バスがあったから聴聞会と国政監査で、韓進重工業整理解雇事態の 真実が世の中に伝えられたと強調した。そして彼女は6次希望バスがくるという 知らせにありがとうと挨拶を伝えた。

「希望バスと市民、そして休むことなく釜山にきて、連帯してくれる遊び人た ちが本当にありがたい。警察が放水銃を撃って連行しても、屈することなく 連帯しにきてくれるすべての市民の方々がありがたい。遠距離もいとわずに 来る方々があまりにもありがたくて、こんな力が聴聞会と国政監査まで やらせた」。

彼女は持続する希望バスで、恐れを払い落とせたという。また、単に希望バス だけでなく、全国あちこちで関心を持ち続け、事態解決を願う多くの気持ちが 『力』だと言う。

「(希望バスは)連帯の新しい意味で、形式です。希望バスがくる前は、とても 恐ろしかったのです。でも関心と希望バスが続いたので、恐怖をはらい落とす 力になりました。こんな心が一つ一つ集まって、ここまできたと思います。今 もソウルでキャンドル散歩をしている人、毎日クレーンの前で百拝をする人。 何も言わず来て帰る方々。こうしたすべての人がいるので、力になり、みんな が一緒にしていると思うと、到底言葉にできないほどありがたい」。

高空籠城が300日を越えようとしているが、会社側は不動の姿勢で交渉の混乱を 誘導している。キム・ジンスク指導委員は会社のこうした動きに『しっかりしろ』 と忠告する。

「会社のあんな不まじめな態度が悪化させてきたのです。なぜ会長と社長で言 うことが違うのでしょう。会社は労組に何とかいう前に、経営者の間で言葉を 合わせてきなさい。本当に会社の動きを見ていると、能力があるのか、まとも な精神状態なのか疑わしい。無能な経営陣の標本だ。本当に能力がないのなら、 自ら反省して周囲と対話することを薦める。でもそれでも無能なら、本当にこ の経営陣はどうしようもない」

彼女は、会社側の不まじめな態度も問題だが、釜山地方労働委員会で韓進重の 解雇者が提起した『不当解雇』に対し、会社側の手をあげるという誤った判断 が長期化をあおったという。先週、中央労働委が11月3日〜4日に『不当解雇』 審判確定に取りかかったことについて『中労委は公正な判断をしろ』と注文した。

「韓進重整理解雇事態は、釜山地方労働委員会の判断が間違っていたから長期 化しました。国政監査で地労委の判断が間違っていたという内容が明らかにな りました。これまで会社側は、整理解雇の理由について受注がないからと言っ ていたが、数週間で内容がわかり、趙南鎬(チョ・ナモ)会長の『偽証』の事実 が明らかになりました。こんな状況では中労委も『不当解雇』の判断せざるを 得ないと思います」。

「中労委サイトの自由掲示板に、韓進重工業不当解雇を公正に判断しろという 市民の要請の文が900本以上書きこまれました。彼らは中労委が客観的に判断し ろと言っているのです。すでに聴聞会と国政監査で明らかになったのに、これ 以上、何が客観的でしょうか。それでも中労委が、もしこれを無視して、釜山 地労委のように会社側の手をあげれば、全国民を欺く行為です。中労委は今回 の審判を国民皆が見ているということを念頭に置き、公正な判断をすべきです」。

▲高空籠城299日目で300日を越えた31日、野宿座り込みで場を守る組合員

韓進重整理解雇事態が岐路に立った高空籠城300日になる11月1日、韓進重工業 解雇者15人は荷物をまとめて、再びソウルに上京した。彼らは中労委の公正な 審判と、趙南鎬会長が混乱している交渉に出てきて約束を守るよう要求して、 寒い中、路上で一睡を求める。

キム・ジンスク指導委員は休むことなく上京して戦う組合員の健康を気遣い、 勝利しようという要請の言葉を伝えた。

「寒いのに、しっかり準備して上京して欲しいと思います。長い野宿座り込み で、体もずいぶん傷んでいるだろうに、健康に、負けないように、意思を貫い てほしいと思います。今まで多くの希望バスで奇跡のような状況がありました。 支援してくれる多くの人々に報いる気持ちで、今、最終段階に差し掛かった闘争。 ぜひみんなで勝利できればと思います」。

▲25日、中労委前、中労委に入ろうとする韓進重解雇者を警察が防いだ

まるで85号クレーンが孤立したように見える。しかし85号クレーンの前にきて 手を振って行った多くの人々と、クレーンの前にはこれなくても、希望バスに 乗って来た多くの市民の姿がキム・ジンスク指導委員と、韓進重工業労働者と、 家族に投影されていることを確認できた。

そして30年以上、韓進重工業で働いて解雇された労働者に、『キム・ジンスク 指導委員には高空籠城300日がどう感じられるか』と質問した。すると彼の最初 の言葉は『みじめだろう』だった。そして彼は、趙南鎬会長と李在鎔社長の胸 を刺す忠告をした。

「整理解雇撤回でなくても良いから、趙南鎬会長と李在鎔社長が今すぐ、あの 85号クレーンに上がって、300日間世の中と対話してみろ。今日、われわれが、 いかに野蛮の社会で暮らしているのかを知らなければならない。自分の利益だ けを考える会長と、これを保護する政府。彼らは時間が流れることだけを望ん でいる。そうすれば、これらすべてが忘れられると思っている。いかに主観的 で、世の中の洞察力がない人間か。世の中の誰もが知っているが、彼らは壁を 積み、無視して、聞こえないように不当な理由を上げている。キム・ジンスク 指導委員が孤立していても世の中と対話できるように、趙南鎬会長と李在鎔社長 も世の中との対話に努力してみろ」

胸を刺す彼の言葉は、今まで韓進重工業整理解雇事態が解決せず足踏みしている 理由を語っている。(記事提携=メディア忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-11-02 02:06:09 / Last modified on 2011-11-02 02:06:15 Copyright: Default

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