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バス労使交渉、なぜ不調か

労組認定と賃金、論争...続く暴力侵奪の試み

キム・ヒョンジン記者 2011.01.04 10:25

全北バス労使共同交渉とバス・ストライキ期間に現れたバス事業主の 一貫した(?)主張を調べた。

労組認定

大法院は、既存の労組(韓国労総自動車労働組合連盟)を脱退し、産別労組(民主 労総運輸労組)に加入した労組は複数労組ではないと一貫して決定している。

だが12月30日の共同交渉でも全北バス7社の事業主は粘り強く「既存の韓国労総 があるのに民主労総運輸労組に加入したのは複数労組に当たり、2011年7月1日 の複数労組施行の時に交渉をすれば良い」とし、現時点で「労組認定」をして いない。

また、地労委調整も終えた合法的なストライキを「さらに交渉を続けろという 行政指導」を根拠に不法とし、反発が起きたことで最近では「間違ったストラ イキ」と多少純化した表現を使っている。

彼らは団体交渉応諾仮処分が出た事業場で誠実交渉を要求しても「個別の事案 なので大法院での裁判の結果を見て判断する」とし「仮処分」という司法府の 決定を越えた絶対的な発言もはばからない。

賃金は不足していない?

「全州市内バス業者5社記者会見場で明らかにした通り、給与が支払われれば すぐストライキを解く。(5号俸24日勤務基準248万ウォン、28日延長273万ウォン) その用意があるか?」

▲12月30日バス労使共同交渉が決裂した直後に道議会を出るキム・テクス全州市内バス共同管理委員長(正面). [出処:チャムソリ]

12月30日、共同交渉場でキム・テクス市内バス共同管理委員長の「バス運転手 の賃金は不足するように支給されなかった」という続いた発言にかっと怒った あるバス支会長が大声を張り上げた。すると「それではだめだ」という言葉が 事業主側から出た。あちこちで失笑が漏れた。キム・テクス委員長は急いで、 「他の中小都市より、全州市が低い賃金を払っているわけではない」という話 に話題を変えた。

だが運輸労組バス本部が提供した資料によれば、キム・テクス委員長が例にあ げた清州市のバス労働者は、全州市のバス労働者より月475,290ウォン(賞与金含 み年960,585ウォン)多く受け取っていた。

賞与金と控除を除くと、全北地域のバス労働者の手取りは140万〜150万ウォン (24日満勤)程度だ。バス会社と韓国労総が結んだ団体協約による2010年の全州 市内バス運転手給与明細によれば、延長勤労で31日働いた5号俸労働者の賃金は 2,329,860ウォンで、ここから控除を引くと210万ウォン台の賃金を受けとるこ とになる。これも1日9時間以上、月300時間近い殺人的な労働に苦しんで可能な 金額だ。

賞与金まで入れると、バス労働者は満勤日数より2〜3日ほど延長しなければ、 200万ウォン以上の金額を手に入れられない。

透明な補助金執行が行われている?

2010年の全州市内バス赤字路線支援金などの補助金で119億ウォン程度が支出さ れた。補助金執行内訳の確認は各バス会社が自ら整理した会計資料を報告する だけだ。外部にあらわれた資金、補助金と給与内訳、その他の公式支出などの 入出金現況は把握できるが、毎日集計される料金箱の規模がどの程度かは確認 できない。この部分はただ各バス会社の良心にかかっている。

これに対してクァク・ウノ第一旅客支会長は「支援された補助金が34億ウォン (第一旅客)で、それと同じ執行内訳34億ウォンだったとしよう。これだけでは 何が悪いのか分からない。会社が任意に報告する方式なので数字さえ合わせれ ばそれまでだ」と主張した。

第一旅客支会の組合員たちは(ストライキ前)一日90台のバス運行車両の80%以上 が損益分岐点の40万ウォンを越えると推測している。このうち最高収益金は、 多ければ90万ウォン以上、外郭路線でも最低30万ウォン(交通カード150人:現金 150人)は越えるというのが彼らの説明だ。休暇や休日のようなオフシーズンを 考慮しても、赤字幅は大きいとは思えない。

こうした情況を根拠として「赤字幅は使用者側が主張するほど大きくはない」 と主張しているが、正確な現金統計が提供されなければ、事業主の「赤字打令」 に対する反論は力がない。労組と全州市の資料要請にバス企業は「経営権侵害」 と対抗している。経営権を侵害されたくなければ補助金を受けなければ良い。

透明性を確保するために労組は「現段階で唯一の解決策は『料金箱』改善だ」 と断言した。現金と交通カードの内訳が細かく公開される料金箱に(光州地域) 改善すれば、赤字路線と収益構造の把握が可能になるという説明だ。全州市も 料金箱の改善には労組と意を共にしている。だが使用者側の反発で支障をきた した前例があり、意志だけで実行できるかどうかはわからない。

交渉決裂後、最初に行われたことは、第一旅客の用役侵奪の試み

一方、全北バス労使双方の意見の差が狭まらず、共同交渉が決裂して二日もた たないうちに、事業主側が最初の行動に出た。彼らは新年に入って一番初めに した行動は、ストライキを解こうとする交渉の試みではなく力の行使だった。

▲1日朝、第一旅客支会組合員と使用者側職員と用役との対峙のようす[出処:第一旅客支会]

2011年1月1日午前4時、第一旅客のキム・チョンギ社長と職員、用役40人余りが 第一旅客ストライキ現場を侵奪する試みがあった。市内バスをさらに16台程度 取り出すためだった。労使はこの日の午前4時頃から朝7時まで3時間、対峙して 使用者側が退き、状況は終了した。

第一旅客支会のチェ・フノ組合員は「1日の使用者側の侵奪試みは事前に予想さ れていた」と明らかにした。一日前からストライキに加担しない職員がタイヤ の空気圧をチェックして、エンジンを始動するなどの行動をしており、1日の明 け方には現場周辺で会社幹部の車両を発見したという情報提供も支会にあった。 彼は「湖南高速支会から夜明けに連絡がきたが、突然、戦闘警察車3台が会社の 周辺で待機しているといっていた」と当時の緊迫した状況を説明した。

湖南高速の近くにあるパルボク地区隊は「1日午前5時30分頃、戦闘警察2中隊、 車両5台が出動し、地区隊の前で待機した事実がある」とし「バスのストライキ と衝突の危険があるという情報提供を受けて出動したと理解する」という。

新年に入り、全北警察のうたがわしい動きも感知された。湖南高速支会と第一 旅客支会の組合員たちは「1日の明け方に第一旅客侵奪の試みの後、あまり時間 がたたないうちに警察のヘリコプターがパルボク洞一帯の上空を旋回し、写真 撮影などをして移動した」と声を揃えて話した。

全北地方警察庁航空隊は1日午前11時40分から11時50分の間にヘリコプター (BELL206)を運行したことを確認したが「全北地域全体の不定期の巡回査察」だっ たとし、パルボク洞一帯のストライキ中のバス会社を偵察する運行ではなかっ たと明らかにした。

バス・ストライキ関連で用役を雇用してストライキ現場の侵奪を試みたところは、 これまでの全北高速から第一旅客を加え2か所になった。(記事提携=チャムソリ)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-01-04 15:07:37 / Last modified on 2011-01-04 15:07:38 Copyright: Default

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