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「私は、鄭夢九会長が作った『絶望工場』解雇労働者だ」

[寄稿]国内最初で『まだ』たった一つの抜け殻工場、ドンヒオート

イ・チョンウ(ドンヒオート解雇者) 2010.07.18 15:04

7月12日12時、良才洞の現代-起亜車グループ本社前で一群の非正規職労働者が 記者会見を行った。忠南道瑞山からきた彼らは、起亜車の『モーニング』を生 産する労働者たちだ。彼らの手には「鄭夢九会長直接交渉要求」と書かれた黄 色い封筒がある。起亜車を作る労働者たちが起亜車グループの総帥に交渉を要 請したのだ。この当然の交渉要請が、なぜ『直接交渉』という名で、それも6年 後に試みられるのか? 起亜車の部品でもない完成車を生産する労働者なのに、 彼らは法に従えば、起亜車の労働者ではないからだ。われわれ労働者にとって、 法はしばしば理解できないくそったれなくびきだ。

国内最初で『まだ』たった一つの抜け殻、ドンヒオート

法がの通りに説明すれば、これらの労働者は現代-起亜車の下請け業者のドンヒ・ オートや、その社内下請企業等で働いていた非正規職労働者だ。だから彼らは 1年契約を繰り返して何年も雇用不安に苦しめられ、我慢できずに労組を作った ことを理由に解雇された『ドンヒオート社内下請支会』組合員だ。ドンヒオー トは、起亜車のモーニングを生産する国内最初で『まだ』たった一つの完成車 外注下請工場だ。しかし、ドンヒオートという名は抜け殻でしかない。工場の 土地と建物は現代から借りて使い、機械設備は現代キャピタルから借りて使う、 事実上現代-起亜車の工場だ。そしてドンヒオート工場で働く労働者もまた現 代-起亜車の労働者のはずだが、現代-起亜車は間接雇用の上に、また2次間接雇 用を付け加える雇用方式で、使用者としての義務を回避してきた。これにより ドンヒオート工場で働く労働者は責任ある使用者と一度も交渉できず、多くの 差別待遇を受けてきた。

ジャージャー麺一杯の値段で追い越される人生

ドンヒオートには150人ほどの事務職を除く生産職約900人全員が17の社内下請 業者に所属している。これらの社内下請労働者は、やっと最低賃金を越える賃 金に加え、1年ごとの契約更新で雇用不安に苦しめられている。誰か瑞山の人を 捕まえて『ドンヒオートを知っているか』と聞けば、若者の半分は『私もそこ で働いていた』と答え、年配の方は家族や親戚の誰かがそこで働いていたと答 える。なぜ『働いていた』だろうか? ドンヒオートがモーニングを量産した 2004年から今まで、工場に入り、出て行った労働者だけでも、ざっとした見積 もりで4000人を越える。見掛けが良く、完成車工場で、期待に満ちて入社した 瑞山の青年たちは、ものすごい労働強度に疲れ果て、自分の時給がジャージャー 麺一杯の値段に追い越されるたびに絶望して工場をやめたり抗議して追い出さ れる解雇者の境遇になる。それで、ドンヒオート工場は絶望の工場というニッ クネームを得た。

モーニング一台に1人当り100ウォン?

ドンヒオート、いや当然、起亜車瑞山工場と呼ばなければならない。起亜車瑞 山工場は、1時間にモーニングを44台を生産する。ところが労働者たちの時給は 4110ウォン(2010年最低賃金)だ。労働者1人あたり『モーニング』一台を生産し て受け取のは100ウォンにもならないのだ。しかし労働強度は途方もない。瑞山 工場の労働者のほとんどは、やっと軍隊を除隊したり高等学校を卒業した若い 労働者だ。この生き生きとした若者も、初仕事の後に家に帰ると、しびれる指 をもんで腰をたたかなければならない。そして疲れ果てて、ざっと体を洗い、 倒れ込んで眠り、朝起きた若い労働者は広がらない指をながめて出勤しようか と悩むようになる。瑞山工場はラインの速度がとても早く、工具から手を離せ ないほど作業量が多い。瑞山工場の生産性は起亜自動車の1.75倍というほど少 ない人員で、もっと多くの仕事を、さらに早くしなければならない。

絶望を打破って立上がった旗、間接雇用の壁

私は管理者たちの前で1年分契約延長のためにぶるぶる震える労働者、それも下 請け業者が起亜車との請負契約が解約されれば、残る契約期間とは無関係に自 動で切られる『間接雇用非正規職労働者』だ。労働者の名前が長ければ待遇と 権利はそれだけ減る。毎年、再契約の不安で業者廃業への不安感、二重の不安 の中で戦々恐々としながら、管理者が抱かせる屈辱に耐える。自動車を作ると いう自負心はなくなり、何の意欲もなく出勤して死ぬほどラインにしがみつい て働いて、退勤すれば焼酎一杯ひっかけて倒れ込んで眠り、翌日また機械のよ うに出勤する私は、鄭夢九会長が作り出した『絶望の工場』ドンヒオートの解 雇労働者だ。

2005年、この絶望の工場にも労働組合の旗が上がった。あっという間に組合員 は増え、私も組合員になった。しかし現代-起亜車資本は自分たちが作った傑作 (?)に民主労組が入ることを認めなかった。労組結成の主軸になった労働者が所 属する社内下請業者をまるごと廃業し、全員解雇し、まったく御用労組を作り、 他の労働者を強制的に加入させた。下請け業者の社長はいつも「(民主労組を) 脱退しなければ、すべての方法を動員して不利益を与える』と脅迫した。彼ら にとって1年契約職の労働者を解雇するのはとてもやさしかった。そのようにし て6年間で100人余りの労働者が解雇された。

下請け業者社長と交渉をしようとしても「私たちには何も決定権がない、上が みんな決める」と言い、彼らの元請であるドンヒオートに交渉を要求すると、 やはり「私たちも起亜車からの注文で生産し、1台当たりの単価を受け取る立場 だ。なにもできない」というだけだ。こうした言葉はおおげさではない。『起 亜車-ドンヒオート-17の下請け業者-非正規職労働者』に続く間接雇用の食物連 鎖を理解するのに6年かかった。結局、問題を解決する方法は、食物連鎖の一番 上にいる現代-起亜車に直接交渉を要求することしかなかった。これらすべてが、 私たちが今、良才洞の現代-起亜車グループ本社前で戦う理由だ。

鄭夢九会長様、直接出て下さい!

私たちが持って立った黄色い封筒にはこんな呼び掛けが入っている。「会長様、 もう自分が本当に使用者と認め、対話しましょう!」会長様の回答はこうだった。 『ハンドマイク、サイレンをやかましく鳴らし、目がくらむような照明を当て、 徹夜で消防ホースで放水し、自動車の排気ガスを吹き掛け、座っている労働者 を警官に連行させる!』 2009年、世界自動車4台メーカー会長の回答がこの程度 だなど、くやしく情けない状況だ。労働者も気をつけなければならない。行く 道は遠くても闘争は止まらない。起亜車のモーニングを作る労働者は、起亜車 の労働者だという常識が通じるまで!

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-07-19 19:10:42 / Last modified on 2010-07-19 19:10:46 Copyright: Default


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