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「夢九山城」を越える非正規職の力量をつけろ

[寄稿]正規職組合員の意識を変える努力が切実

ハ・ブヨン(蔚山革新ネットワーク) 2010.12.17 14:12

現代車資本よりさらに厚い正規職の壁を越えろ

現代車非正規職労働者の25日間の強固な闘争は、韓国社会の古くからの搾取体制 に突破口を開け、新しい不法派遣正規職化闘争の橋頭堡を用意したが、多くの 教訓と課題を残した。

即刻正規職化を期待して上がり、寒さと空腹に耐えて闘ってきた25日間の英雄 的な闘争も、現実の壁と限界を確認して、別の方法を探すほかはなくなった。 いくら正規職になろうという願いが強烈でも、総資本と総労働の代理戦になっ た以上、今の主体力量では突破が難しいと判断したのだ。ある者は何も得られ ず虚しいと酷評するが、非正規職労働者の正当な要求と闘争は延坪島南北爆撃 事件にも、全国民的な関心と支持の中で進められたという点で、非正規職問題 の社会的争点化に成功したと評価ができる。

▲14日、交渉テーブルについた現代車元下請労使[出処:現代車非正規職支会]

交渉と同時に座り込みを解除するよう圧迫する正規職支部の金属労組ゼネスト 賛否投票が強行されるという最悪の孤立状況でも、野4党の国会議員の仲裁案も 拒否して、正規職化でなければ出て行かないという意志は、9日朝の座込場総会 で変化し始めた。これ以上の孤立無援と四面楚歌での闘争は、これまでの成果 も使い果たし、第2の闘争を準備する陣地も失う心配が高かったのは事実だ。

彼らは恐らく、正規職支部ゼネスト賛否投票の否決の予想と常執の撤収などで 挫折し、のりまきの供給中断は衝撃的だっただろう。連帯闘争を期待していた 正規職からののりまきの供給が中断され、座込場死守の確信が下がり、挫折感 と喪失感が今後に期待しようという意見になって指導部に全権を委任し、交渉 の状況を見るという側に傾いたのだろう。

現代車管理者の無差別の暴力と逮捕令状の発行、162億ウォンもの損害賠償請求、 警察の公権力投入の脅迫にも揺らがなかった第1工場占拠座り込みは結局正規職 労働者のために挫折し、出てきたのだ。今回の闘争で最も至急な課題が正規職 の壁を越えることだということを確認したのだ。

正規職の連帯支援なく工場を止める主体力量をつけろ

初めて占拠座込場に掲げられた「私たち労働者は一つだ」という横断幕から、 非正規職闘争は最初から主体の力量より連帯闘争に依存していることが分かった。

別の見方をすれば、今回の闘争で自分たちの力で正規職化を完全争奪する目標 はたてていなかったのかもしれない。8200人の不法派遣の該当者で、非正規職 支会に加入している数は約2500人で30%に過ぎない。70%が未加入で、30%が闘争 に突入すれば最大30%争奪できる。もしもっと準備して100%加入し、100%闘争に 賛同していれば、第1工場だけでなく5つの工場を全てを止め、不法派遣を撤廃 して正規職化要求100%を勝ち取れただろう。いや、100%加入して闘争を組織し ていれば、先に会社が交渉に応じ、解決方法を見つけようとした可能性が高い。

非正規職の70%が自ら正規職化の可能性を放棄して加入しないような組織の闘争 力は、現代車資本に軽んじられ、シート事業部を破れば無力化できるという 自信を与えた。

主体力量の不足で、非正規職支会は正規職支部から交渉と同時に座り込み解除 という圧迫を受け、「身を引く」という脅迫と「のりまきもいれない」という 侮辱を甘受しなければならなかった。非正規職支会は「美しい」のりまき連帯 を拒否し、自尊心を守って空腹に耐え、餓死同盟で占拠座り込み闘争を維持し て玉砕闘争になるにしても、戦術変化の必要を認めるにしても、選択の時期を 逃した。離脱者の増加、正規職と労労対立の弱点を見た現代車はハイエナのよ うに執拗に先座り込み解除・後協議を主張して対話を始めるふりをして総体的 な圧迫を加え、公権力の動員なく座り込みを解除させる事例を作った。

これからの交渉局面も同じだ。主体力量がなければ現実を認め、正規職支部の 代理交渉と干渉に甘んじるか、独自組織と独自闘争を宣言するのか、早く決断 をしなければ25日の闘争の過程で現れた問題がそのまま再現される。痛恨の指 摘ときびしい発言をする理由は、主体力量をつけ、自主性を確保することが、 勝利の最も重要な手段であることを強調したいからだ。

皆が解決の主体として不法派遣正規職化闘争を再組織せよ

今、不法派遣闘争は原点からやり直しだ。これまでの正規職闘争と同じように 今回の闘争過程で発生した負傷者治療、解雇者、逮捕令状、拘束者、損害賠償 請求、懲戒委開催などで不法派遣という問題の根源に接近もしないうちに交渉 が決裂する可能性に、各自の位置で責任を持って備えなければならない。

まず、進歩政党と市民社会団体、民主労総は非正規職問題に対する社会的争点 をさらに拡散させ、現代車財閥のMB政権と労働部が積極的に不法派遣の是正に 乗り出すようにしなければならない。金属労組と現代車正規職支部、活動家は、 正規職組合員への理解と説得を通じ、正規職労働者が不法派遣問題解決の主体 になるように教育と代案を用意しなければならない。現代車非正規職支会は、 第2の闘争で勝利するために、組合員を過半数以上、4500人以上組織して、全て の工場を止める主体力量をつけなければならない。連帯だけに依存して食料ま でもの乞いする屈辱的な闘争では決して勝利できない。

資本は非正規職・不法派遣に譲歩する兆しを見せない

資本は相変らず企業の競争力が弱まるから正規職化はできないという立場だ。 つまり、配置転換や解雇を簡単にする雇用の柔軟性と正規職に適用される年俸、 学資金などの福利厚生と付加給与負担のない低賃金構造を競争力と見ている。

実際、非正規職や不法派遣により、会社は人件費の負担と硬直した内部の労働 市場の問題をかなり解消してきたし、これからも黄金の卵を産むガチョウであ る不法派遣を放棄するつもりはないようだ。むしろ日本のように派遣の対象を 拡大し、安定した(?)低賃金構造を定着させることを望み、保守政界を促してい る実情だ。非正規派遣対象の拡大による社会の二極化の深刻さで、日本はトヨ タ事態を契機として根本的な再検討が必要だという立場だが、韓国は逆にもっ と拡大することができず、やきもきしている状況である。

現代自動車経営陣もまた不法派遣により多くの利益をあげ、多段階下請け方式 で部品単価引き下げ(CR)という付加利益もあげてきたが、その既得権を返せと いうのだから猛烈に抵抗するのだ。また、労働者の画一的な貧困に稼いだ収穫 を分け合う保守言論と政治権力から無限の保護と無言の圧力を受けている。

会社が「不法派遣問題は企業が解消できない社会的な問題」と言いながらも、 一方では不法派遣ではなく社内下請の職員だという苦しい弁解で断固たる態度 を見せる理由がここにある。

資本は1987年の労働者大闘争で民主労組が旗を立てた時のような社会的環境が できるまで、不法派遣を中断する兆しはない。

正規職組合員は非正規職が正規職化された時、どんな変化があると思っている のだろうか?

では資本を説得したり強制する代案はないのか、労資間対立を通じ、社会的な 弱者である労働者階級の利害関係を代弁してきた正規職労働者と正規職労組に 与えられた役割は何か?

該当主体ではないから「美しい連帯」に留まるべきで、大衆的情緒を口実にし て、闘争の拡大に反対したり今回の闘争を政治的、理念的に対象化し、主導権 掌握の道具に悪用しようとすること以外、真摯な問題接近の努力はどこにもない。

ではそもそも大衆情緒はどこにあって、解釈と解決法が違うのか。いや、きち んと大衆情緒を把握してみたのか、大衆が正しい判断をする理論や対策を提示 してきたかを振り返ってみよう。予想された事態が発生したのに根本的な対策 を提示せず、取り繕い、責任転嫁し、けなし、手を引くことに集中しなかった かと反省して、今からでも自分の役割をきちんと果たせるようにまじめに実践 を始めるべきだろう。

その実践活動の一つが資本論理の虚構性を暴き、歪曲された事実を正すことだ。 特に非正規職、不法派遣労働者が正規職になれば、正規職の雇用が不安になり ローテーション要求で労働強度が上がると言い、企業の利益が減れば分配の量 も減るといった利己的で非人道的な論理に追い込まれる理由は何か?

果たしてわれわれ組合員が憂慮する状況が発生するのかを問う前に、正規職が いるべき席に非正規職や不法派遣労働者がいるという事実に注目しよう。

正規職を使わずに利益が増えたのなら、そしてその利益が正規職の成果給とし て支払われているのなら、資本と正規職労働者は未必の故意による非正規職の 量産の共犯だ。しかし、整理解雇という非倫理的で野蛮な衝撃から抜け出す前 に、雇用の安全網を理由につらく汚くて難しい工程を押し付けようとする会社 の誘惑に勝ち抜くのは難しく、非正規職問題が議論されるたびに持ち出される 『競争力』の論理で少しずつ意識を支配された事実を思いだし、一日も早く 階級的な思考で再武装しなければならない。

非正規職の解消は正規職労組と組合員が主導しなければならない

多様な形態で提示されてきたさまざまな非正規職解消方案のうち、最も説得力 がある代案は、段階的解消方案だ。まず、現行法で不法派遣が明らかな工程の 労働者は、無条件に即刻正規職化し、合法経営をしなければならない。二番目、 コンベア流れ作業と無関係の作業、労使共に請負が明らかだと認められる工程 は、請負を維持するものの団体協約の効力を拡張する。三つ目、車種の交替、 労災休職など、やむをえず発生する一時的な業務(JOB)には不法な方法ではない 直接雇用期間制を認める。ただし、理由制限を明確にして無分別な拡散を防ぎ、 処遇を改善する。

これと共に先進国の例のように同じ労働には正規職と同じ水準に賃金を合わせ たり、逆に高く策定し、雇用の不安定に対する補償をしなければならない。特 に、つらく難しく汚かったり、熟練を要する作業をする非正規職は正規職より さらに高い賃金を支払うのが労働の正義であり、頑張って働く人が豊かに暮せ る世の中に行く道だ。

正規職の壁を越えれば解決方案が見つかる

不法派遣工程の非正規職が正規職になる過程では、工程配置などで正規職組合員 と利害関係が対立しないように事前の調整が必要だ。そして直接雇用期間制度は 雇用の硬直性を緩和し、正規職の雇用不安の解消が可能だ。不法派遣正規職化の 過程で発生する2年未満の非正規職゛の整理解雇防止安全装置もここで見つけられる。

労働者の安定的雇用保障の対策としては一種のクローズドショップ方式を提示 できる。非正規職として雇用される労働者を1社1組織の金属労組組合員に制限 して、正規職選抜の優先権を付与する方式を併行するのだ。しかし16.9%で一度 だまされたので、明確なルールとシステムを導入し、合意違反への安全装置、 代議員から非正規職合意権を集団的労使関係に持ってくるという前提での代案だ。

今、非正規職闘争は新しい転換点をむかえた。社会的に説得力を得る契機にな り、具体的な代案さえ提示されれば軟着陸は可能だ。したがって執行部と現場 組織を問わず、すべての力量を動員し、正規職組合員の意識を転換する努力が 切実だ。正規職労働者が同意して要求しない限り、非正規職問題は解決できな いことが確認された。大法院の判決と国民世論の高まりという好機を迎えても、 正規職と非正規職の労労対立でまたへたり込めば、歴史の前に限りなく恥ずか しい。歴史は常に主導者の実力と力に合わせて回るのだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-12-18 03:14:18 / Last modified on 2010-12-18 03:14:19 Copyright: Default

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