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KEC使用者側『食糧搬入も対話も拒否』

27日、KEC闘争支援労組集会…「公権力投入時は全面戦争」

カン・ジヒョン(金属労組宣伝広報室長) 2010.10.28 08:57

ストライキ133日、職場閉鎖120日。そしてKEC労働者の工場占拠闘争7日目。だ が会社は労組の食糧搬入要請も拒否し、対話の通路も切ってしまった。これに ついて会社が時間を稼ぎ、座り込み者の『兵糧攻め』に入ったのではないかと 人権弾圧を憂慮する声が高まっている。

▲会社は警察兵力を社内に呼び入れ、外部からの食糧搬入を徹底的に封鎖している。KEC会社内の警察兵力。[出処:金属労組カン・ジヒョン]

KEC支会のキム・ギョンス副支会長は、「工場占拠の後、会社は私たちと一切の 対話方式も切ってしまった」と伝える。その代わりに会社は占拠座り込み直後、 組合員が入った第1工場の断水で応えた。現在、『現場』内の組合員約170人は 体を洗うこともできず、生理現象もきちんと解決できない非人権的な状況だと 知らされている。

食事も問題だ。占拠座り込み者たちが持ち込んだ食糧はせいぜい8日分だと現地 は説明する。民主労総亀尾支部のペ・テソン事務局長は、「座り込み者たちは 長期化の可能性を念頭に置き、一日に1回か2回の食事を抜いている」と付け加 えた。だが会社は、警察兵力を社内に呼び込んで外部の食糧搬入を徹底的に封 鎖している。占拠座り込み者がいる工場内への潜入取材を試みた報道機関記者 も、入路が見つからずにあきらめているほどだ。

▲27日金属労組1200人が集会後に食糧搬入を試みたが警察兵力の封鎖で失敗した。[出処:金属労組カン・ジヒョン]

27日に金属労組約1200人が集会後、食糧搬入を試みたが、警察兵力の封鎖で失 敗に終わった。これについてKEC支会のユ・ヨンハン争議部長は、「腹がへれば 占拠を解いて工場の外に出て来いというつもりではないか」と怒りをさく烈さ せた。工場の中ではすでに金属労組のキム・ジュニル亀尾支部長が占拠座り込 み直後、ハンストを始めた。工場の外では亀尾支部のチャ・ガンホ主席副支部 長と組合員16人が自発的に同調ハンストに入った状態だ。

▲27日金属労組1200人が集会後に食糧搬入を試みた時、警察が消火器を噴霧して阻止した。[出処:金属労組カン・ジヒョン]

一方で会社は時間稼ぎのような『開き直り』の態度を示している。労組のキム・ ダウン組織部長は「会社は、占拠座り込みにもかかわらず、生産稼働が95%に達 しており、まだ1か月分の在庫物量があると偽って言論プレイをしている」と 主張している。事実上、会社は1か月間は対話に応じずに頑張るという内心を表 わしているのだ。

▲ユ・ヨンハンKEC支会争議部長が27日金属労組集会後のデモ行進で市民の支持と激励を訴えている。[出処:金属労組カン・ジヒョン]

会社は警察を立てた労組脱退工作もはばからない。占拠座り込みの後、病気や 家庭の事情で工場の外に出た一部の組合員に警察が違法かつ不当な行為を行い、 発覚した。26日に座込み場から出たある女性組合員は、警察に『業務復帰確約 書』を要求されたという。また27日には警察が連行され調査された組合員の親 戚を呼び、同席させて業務復帰を強要した事例もあった。これについて警察の 関係者は27日、「3人から確約書を受けた。今後このようなことはしない」と 関連事実を認めた。

また民主労総亀尾支部のペ・テソン事務局長は、「工場内との唯一の通信手段 は携帯電話だが、会社は組合員の家族を懐柔して、家族が座り込み者に電話さ せている」と伝えている。警察兵力の脅迫も、占拠座り込み者を圧迫している。 最近、警察はマスコミの報道で「KEC工場鎮圧作戦準備完了」というメッセージ を公式に流している。

だが地域の世論はあまり使用者側に好意的ではない。この日の集会の前、亀尾 のあるタクシー運転手は「使用者が中国の工場が面白くないので、韓国工場で 人材構造調整しようと事前に労組の力を弱めているのではないか」と言うほど だ。彼は続いて「何年か前に闘っていたコオロンも、今は上の人だけが正規職 で、あとは全員下請けに変わったと理解している」とし「亀尾経済を担ってい るKECとコオロンなどの大企業の社長はやり過ぎだ」と強調した。

警察兵力の鎮圧も常に世論に叩かれる。この日の集会の時に工場内にいるキム・ ジュニル亀尾支部長は、電話で「ここにはガスと薬品、爆発物でいっぱいなの で、公権力が投入されると恐ろしい惨事を覚悟しなければならない」と警告し た。同日、京郷新聞も社説で「亀尾KEC事態は第2の竜山惨事が憂慮されるので、 公権力投入を自制しろ」と書いた。

▲金属労組は27日午後3時、雇用労働部亀尾支庁の前で「公権力投入反対!KEC闘争勝利」金属労働者決意大会を開いた。この日、労組所属組合員1200人が集まり、集会後にKEC工場まで40分ほどデモ行進をした。[出処:金属労組カン・ジヒョン]

民主労総(委員長キム・ヨンフン)もこの日、KEC工場前のテントで非常中央執行 委員会を開き、「公権力が投入されれば民主労総は李明博政権との全面戦争を 辞さない」という方針を決めた。民主労総は29日の全国労働者大会を亀尾で開 く計画だ。この日、民主労総は非常食糧の工場内搬入を再度試みる予定だ。こ の日、再び衝突が予想される。

事態解決の核心は、結局労使の対話だ。京郷新聞も「方法は会社側が即刻労組 と交渉に出ることしかない」と書いた。亀尾のあるタクシー運転手も「政府が 事態を解決するために労使間の対話斡旋など仲裁に積極的になっとほしい」と 話す。

▲KEC支会のある女性組合員が「公権力投入反対」「民主労組死守」のプラカードを持っている。[出処:金属労組カン・ジヒョン]

現在、亀尾支部の金支部長(KEC出身)とヒョン・ジョンホKEC支会長など8人は、 7月から9月までの間に一方的に懲戒解雇された。また組合員約80人も辞職勧告 という途方もない重懲戒を一方的に受けた。だが・ギョンスKEC副支会長は、 「会社は労組を破壊するため用役チンピラを雇って食わせ、寝かせるなどで今 までに2百億ウォンを使ったと理解している」と話す。

KEC支会の組合員は現在、懲戒と告訴告発の撤回を強く主張している。憲法が保 障するスト権を行使したことを理由に多くが解雇され、鉄格子の中に閉じ込め られる瞬間、KECには労働組合の根元がなくなるという切迫感がある。金副支会 長は、「私たちの願いはこの獣のような戦争を終わらせたいということ」と訴 える。4か月間、一銭の賃金受けず労組を死守するためだけに戦う彼らの叫びに いつまで会社が粘り続けるのか見守りたい。(提携=金属労働者)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-10-28 18:27:53 / Last modified on 2010-10-28 18:27:55 Copyright: Default

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