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眠れない夜、からだは痛む

悪夢と現実に苦しむ双竜車労働者

チョン・ムンギョ記者 moon1917@jinbo.net / 2009年08月28日19時56分

双竜自動車労働者のチェ・チャンウィ(仮名)氏は3週間病院で入院治療を受けて いる。脚に力が入らず車椅子の世話になっている。チェ・チャンウィ氏は、8月 5日に警察が塗装1工場を掌握した時に負傷した。

からだの傷よりチェ・チャンウィ氏を困らせるのは心に残る後遺症だ。いまだ にサイレンの音がして、ちょっと大きな音がしても驚くという。チェ・チャン ウィ氏が占拠座り込み時の緊張感をぬぐい去ろうとしてもからだは相変らず記 憶している。深く眠ろうと努力しても仮眠状態で横になっているという。

占拠座り込み当時、警察の鎮圧作戦が始まった後、チェ・チャンウィ氏はまと もに寝られなかった。パトロールに立たず休んでいる時もいつも聞こえるヘリ コプターの音と警察の叫び声が彼を困らせた。何よりも、いつ警察が押しかけ るかわからない緊張感が大きかった。

「入院して、一度は看護師が夕方に注射のために病室に入ってきました。寝て いても看護師が来る音を聞き、思わず拳が上がって、看護師を殴るところでし た。その後、看護師に夕方にはできれば入るなと頼んだ」

▲チェ・チャンウィ(仮名)氏は占拠座り込みの苦痛を忘れようとしてもからだは記憶している。[出処:労働と世界/イ・ミョンイク記者]

使用者側のパチンコに合たり、右側指が折れたポク・キソン氏も事情は似てい た。ポク・キソン氏は3日に負傷したが治療を受けられず、6日の労使合意の後 に工場を出て入院した。

「工場にいた時は痛いと思わず、工場から出て痛みを感じました。傷はずいぶ んよくなりましたが、突然癇癪が爆発するときはどううればいいかわかりませ ん。何度か神経安定剤を打ちましたが、体力が落ち、今はそれも中断しました」

占拠座り込みの後も終わらない苦痛

双竜車家族対策委が8月27日、チェ・チャンウィ氏の見舞にきた。挨拶の後、何 分もたたないうちに「退職申込を書くか、書かないか」という話に変わった。

双竜車労使は8月1日以後を基準として座り込み参加者640人のうち58%に対する 整理解雇に合意した。実務交渉で整理解雇対象者を決めなければならないが、 実務交渉は混乱した。結局実務交渉は決裂し金属労組双竜車支部は「無給休職 を申請しよう」とした。チェ・チャンウィ氏は無給休職を申請するのか希望退 職を申請するのかで悩んでいる。希望退職すれば、わずかながら退職金が上積 みされるからだ。

希望退職か無給休職かを悩む話を聞いたイ・ジョンア氏が空をあおいだ。彼女 の夫は拘束された状態であるためだ。

イ・ジョンア氏は「占拠座り込みの時はからだが大変でも明日もっと戦えば勝 てると思い、苦しさを感じずに暮しました。闘争が終わり、何をすべきかもわ からず、さらに苦しい」と話した。臨月の彼女は来月の出産を控えている。し かし拘束された夫は彼女の横にいない。

イ・ヨンジン(仮名)氏は子供が心配だ。6か月間、生活費を用意できないだけで なく、学校で子供たちがする対話がさらにつらいという。小学校4学年の上の娘 が学校で友だちどうしで誰のお父さんは切られて誰のお父さんは会社に通うと いう話していることを知ったからだ。

極限の占拠座り込みをしたが、双竜車労働者と家族の闘争は続いている。はが ゆい現実と闘争の後遺症の中で、77日の闘争が悔やまれなかったかとチェ・チャ ンウィ氏に尋ねた。

「絶対に後悔していません。妻と子供たちの未来をかけて堂々と戦ったのに、 後悔なんて。本当に最善を尽くして戦うだけ戦いました。ただしくやしいだけ です。8月1日に支部長が組合員に交渉したいといいました。会社と話ができて いるというのです。ところで交渉はその時にはできませんでした。政府が後か ら押し通せといったと考えるしかありません。私たちはマルタですか。整理解 雇して、テイザー銃、ゴム銃も使って。そんなことがくやしいです。本当に会 社を生かすための整理解雇なら簡単に受け入れたかもしれません」

戦利品になった占拠座り込み者

警察は8月5日に塗装1工場を掌握した後「6日までに占拠を解けば善処する」と 言った。しかし警察は労組の占拠座り込みが終わった後、労組に5億ウォンの損 害賠償訴訟を出し、外部勢力組織的介入集中捜査などをした。警察は双竜車占 拠座り込みに関し、現在までに71人を拘束し、214人を不拘束立件した。双竜車 事態は単一労組事件の最大拘束者を記録した。

▲双竜車占拠座り込み者などは双竜車事態の戦利品になってしまった。[出処:メディア忠清]

キム・ムンス京畿道知事は8月11日に開かれた室局長会議で「双竜車事態で成果 をあげた警察と消防公務員は表彰、褒賞しなさい」と指示した。チョ・ヒョノ 京畿地方警察庁長官は8月27日の職員懇談会で双竜車事態について「京畿警察が うまくやり、国家発展に一線を引いた」と自賛した。これほどまでなら政権と 与党にとって、占拠座り込み者は双竜車事態の戦利品だ。

双竜車労働者の境遇は生きた者(非解雇者)にも、状況は良くない。イ・ヨンジ ン氏と会った生きた者は、工場の状況が良くないと伝えたという。トイレに行 くのも管理者に報告しなければならず残業勤務、月次使用なども管理者の顔色 を見なければならないという。会社は労使合意当時ストライキ参加者に不利益 を与えないようにしたが、ストライキ参加者の大多数が待機発令状態だとも いわれる。

双竜車は8月6日の合意の後、予想と違い一週間後の13日に操業を再開すること ができた。予想より1週間早い操業再開であった。塗装工場の塗装用塗料が固まっ ていれば不可能だった。占拠座り込みの時に会社は塗装工場の電気を切ったが、 労組は非常用発電機で塗料が固まるのを防いだ。

チェ・チャンウィ氏は希望退職を考えているが「現場の話を聞くと『一緒に暮 らそう』という労組を裏切った生きた者が代価を受けてやれと思う時もありま す。しかしこんな時ほど生きた者の困難に対し、苦しくても労組が手を差し出 すべきです」と会社と同僚への残念さを伝えた。

占拠座り込みを終えた後、双竜車の労働者は工場の外にいるが、今でも双竜車 の周辺には終わらない闘争と人生が続いている。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-08-30 13:31:08 / Last modified on 2009-08-30 13:31:10 Copyright: Default

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