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韓国:大韓通運光州支会解雇者チェ・ハギョル組合員 | ||||||
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「私たちがいったいどんな罪をどれほど犯したのですか」[インタビュー]大韓通運光州支会解雇者チェ・ハギョル組合員
メディア忠清
www.cmedia.or.kr / 2009年05月12日12時19分
最初、彼はそう言った。とても泣いたと、もう泣かないと。だが結局、彼はイ ンタビューの途中に涙に耐えられなかった。年齢50を越えたある労働者が集会 の隅、地面に座り、涙を流した。彼がまさに先日携帯メールで解雇された大韓 通運宅配労働者78人のうちの1人だった。 5月9日、大田大韓通運前で開かれた「故パク・ジョンテ烈士闘争勝利のための 総力闘争決意大会」でのチェ・ハギョル氏とのインタビュー全文だ。
宅配労働者たちは労働者とさえ認められず、仕事の特性上、他の労働者と違う難しい点などが多いと思いますが。 宅配労働者として暮すのは、家出人にならなければならないこともあります。 ときには食事は、運転中にパンやモチ一切れで間に合わせ、一日13〜15時間働 いて、日曜と公休日にしか休めません。それでも全て休めるのではなくて大韓 通運光州支社では、休日にも5人ずつ戻って働きます。だから家の大小の事に参 加したり、病気で休んだりは夢にも見られません。 休日労働の場合は無料労働どころか、自分の金を出して働く状態です。休日に 働いて稼ぐ金は4〜6万ウォン程度です。しかし光州全地域を5人が分かれて働く ので、知らない地域にも行きますから時間は倍かかり、車両の燃料代はさらに かかり、携帯電話の通話料、そして事情によっては配送物品をバイク便を呼ん で送ったりもするので、その費用まで考えると、自分の金を払って働くひどい 状況になるんです。 使用者側では、頑張って働けば1か月で500万ウォンも稼げると騒いでいますが、 そんなのは全くの嘘です。実際に500万ウォン以上稼いでいる人は若干いますが、 その内部事情を見れば、その労働者1人が働いているのではなく、家族と共に働 いたり、配送補助アルバイトを使って働いているのです。使用者側もそれを知 りつつ、そういって騒ぐのです。 事実、宅配労働者の実質賃金は長時間労働にもかかわらず、1か月200万ウォン にも達しません。四大保険がないのはもちろん、退職金も、失業給付もありま せん。 解雇される前の大韓通運の労働条件はどうでしたか? 27年間製造業で働き、大韓通運で働いて3年を少し越えました。ところが初めて 大韓通運にきて『こんなところがあるのか』と驚きました。 自分たちがサービス業だと強調して、顧客のクレームがあれば罰金も払わせる のですが、その労働者には人間以下の待遇でした。朝早く宅配物品を分類して いると、管理者が分類台に上がって指を差して悪口まで言います。そんな気持 ちで顧客に会いにでかけるのでは話になりません。 この前は私が大韓通運での不合理な事項を一度書き出してみました。配送の時 に着る大韓通運の作業服だけでなく、よく使う接着テープも個人が買わなけれ ばならず、はなはだしくは車両につける広告の塗布費も個人が負担しなければ なりません。やむをえない事情で遅延配送-返送しても罰金を払わなければなり ません。 そして配送物品がどこかで破損しても確認もせず、無条件に最初に収集した労 働者がその値段を弁償しなければなりません。私も13万2千ウォンまで弁償した ことがあります。また使用者側では配送前に顧客に事前電話を強要しても、1 か月15万ウォン以上の業務用通話費用は個人負担です。さらにひどいのは、わ れわれ宅配労働者の賃金に当たる運送手数料の支払いが60日以後になります。 もしかして配送事故がおきればその価格を除いて手数料を支払うためにです。 解雇された大韓通運光州支社のチェ・ハギョル(55)氏の話は、思っていたよりはるかに衝撃的だった。 保守言論でよく広く知られる『闘争一辺倒の労働組合』や『経済危機の中で利己的な労働者』の姿は探せなかった。 インタビュー中ずっとチェ・ハギョル氏は「本当に無理な要求ではなかった」と怒りを静められなかった。 その一方で『今回の解雇はすでに計画されていた』とし、その根拠を細かく語った。 手数料30ウォンで始まった戦いだと言われます。実際の状況はどう展開したんですか? 私たちが物品を配送して取る手数料は1個当り920ウォンです。私たちの賃金に 当たるその手数料を30ウォン上げるように大韓通運と口頭で合意までしていま した。ところが使用者側が実行を遅らせ続け、結局できないと言うのです。事 実、経済が苦しく会社の状態も良くないといって、涙を飲んで『では10ウォン だけでも上げよう』と言っていました。それも使用者側は受けられないといい ました。 それでわれわれはさらに譲歩しました。手数料値上げ要求は撤回して、その代 わりに『宅配労働者が直接負担する作業服と車両広告塗布費は会社が責任を持 て』、そして使用者側が『月200万ウォンの福祉基金を積み立てしてくれ』と要 求しました。福祉基金は四大保険が適用されない宅配労働者の労災保健と大韓 通運全体労働者の相助費、そして社会奉仕基金で支出する具体的な内容まで明 らかにしました。絶対無理な要求ではありませんでした。だが大韓通運はそれ も拒否しました。返事は「何もできないので、勝手にしろ」でした。 昨年11月、錦湖資本が大韓通運を買収合併して四か月間、二度にわたり大韓通 運は賃金を20%も引き上げました。ところが宅配労働者のそんな小さな要求は 握りつぶしてしまいました。
では会社はすでに解雇を考えていたという感じですか? 一言で、これは錦湖資本と大韓通運がその気になってわなを作ったのです。今 回の機会に貨物連帯組合員と労働組合をすべてはき捨てようとしたのでしょう。 そんな情況がすべて現われました。使用者側との契約書には、われわれ宅配労 働者が配送物品分離をしないことになっています。だが使用者側はそれを強要 し、契約を解約すると言って、脅迫もはばかりませんでした。 結局、われわれは3月16日に配送物品分離をしないという意思を伝え、その時間 に顧客の発送物品を受けつけることにしました。使用者側では何度かの携帯メー ルで契約解止の脅迫をしました。そして最後に午後3時頃、6時までに帰社しな ければ全員解約するという携帯メールを送りました。だがそれも嘘でした。全 国的に、すでに代替運転手と車両が光州市社に入り、5時30分頃に会社に帰った 時には、会社の扉を閉めて私たちを入れませんでした。事前にすべて計画され ていた解雇をしたのです。 そればかりか使用者側が自分でもそう脅迫したこともあります。仁川でもそう して宅配労働者をみんなやっつけたと言い、そうなりたくなければ今の通りに 働けと遠慮なく言いました。今回の機会に貨物連帯の旗を折り、きっぱり総入 れ替えするというのです。 大韓通運側からの正確な解雇の根拠は何ですか? 勤務地離脱です。だがそれはとんでもありません。宅配労働者に勤務地などど こにありますか? 一日10時間以上顧客と会い、配送して、発送物品を受け取る 路上が勤務地と言えば勤務地ではないでしょうか? その上、われわれが彼らが言う労働者でなく社長なら、少なくとも契約書でも 守らなければならないでしょう。配送物品分離は契約書のない業務です。とこ ろが配送物品分離をしないから勤務地離脱なんですか? 大韓通運は光州支社だけの問題ではありません。一方的に運送料10.7%の錦湖 タイヤ持込車両荷主も大韓通運で、この前麗川産業団地と光陽コンテナ埠頭の 貨物労働者を一日で切り捨てたのも大韓通運です。 では今まで助けを受けられる所はなかったんですか? 訪ねて行かなかったところはありません。警察に『いっそみな捕まえて行け』 とも言い、公正取引委員会にも行き、労働部、民主党、どこも私たちの話を聞 いてくれませんでした。その上市庁では自分たちでは該当部処を決められない と互いにたらい回しもしました。労働者とも認められないわれわれは実定法の 死角地帯にあるようです。 警察は、言葉では中立だと言いますが、笑わせます。「連行しろ」と言って暮 す人が大田市の大徳警察署長です。私たちが大韓通運の前で集会する時、警察 の誰か1人でもこちらから大韓通運を見る人がいると思いますか。十人なら十人 全部が会社に背を向けて私たちを見ています。採証して、脅迫して、監視し て... そして『中立』ですか? むしろ私たちにはチンピラそのものです。
錦湖資本と大韓通運は現在どんな立場でしょうか? 錦湖資本は対岸の火事を見物していて、大韓通運は人が死んだのに、相変らず 逃げてばかりです。38歳の若い労働者を殺しておいて謝罪一言、遺憾表明一言 もありません。携帯メールで解雇したのでなく『急いで会社に戻れ』というメー ルだったという等、会社はいつも対話の窓口を開いている等、嘘だけ騒ぎ立て ています。それだけに錦湖資本と大韓通運はもっと憎いです。 闘争過程で会社の脅迫に勝てずに復帰した人々もいます。さらにあきれるのは 会社が彼らに書かせた覚書です。復帰覚書には『すべての業務で会社の指示を 忠実に履行する』、既に会社が提起した『損害賠償問題も全的に会社側の立場 に従う』、『労働組合活動をはじめとするすべての団体活動をしない』という 内容がありました。作男もこんなにこき使いません。完全に奴隷文書のような 覚書でした。 今は大韓通運すべての車両にCCTVを付けているといいます。組合員が働く車両 に何か変なこともするかと思ってやっているそうです。いや、そうしてすべて の車両にCCTVをつける金があれば、そしてあそこの大韓通運正門に配置された 用役の日当を払う金があれば、私たちの要求事項をすべて聞いてあまりあるで しょう。つまり今回みんな置き換えるということしかならないのです。 チェ・ハギョル氏は「私たち労働者がいったいどんな罪をどれほど犯したのですか? 一生懸命働いて、家族と暮らたいということも罪ですか?」と問い、 故パク・ジョンテ支会長の話をしながら結局涙声になった。彼は今回の故パク・ジョンテ支会長の死は資本と李明博政権が共に作り、犯した未必の故意による 殺人だと確信していた。故パク・ジョンテ支会長の死の前にわれわれはすべて罪人だと自ら叱責した。 38歳の若い労働者が幼い二人の子供と妻を残して命を捨てました。崖っぷちに追いやられた労働者の立場では『選択の余地は多くなかっただろう』と思うのですが... パク・ジョンテ支会長が消え、手配中の人を警察に失踪申告を出した程、とて も心配しました。それでソウルの集会にも行き、駅で待ったりもして、あちこ ち探し回りました。ところがこんな近くにいたとは... 手配中の支会長が生きている時には、恐らく自ら命を捨てたあの小さな森で闘 う組合員を追い立てようとしていたのでしょう。テントも持っていかれ、集会 中に警察は連行すると脅迫し続け、はなはだしくは組合員が持っていた日除け もデモ用品と言って奪っていきました。そして大韓通運の前に車を止める時に も文句を言い、組合員を連行して行きました。そんな私たちの姿を森の中から 隠れて見守る支会長の気持はどうだったでしょうか? 共に戦えないその気持が どれほど残念だったでしょうか? これは李明博政権と彼らが保護する錦湖資本、大韓通運による他殺です。殺人 です。労働者がいったいどんな罪をどれほど犯したのですか? 一生懸命働いて、 家族と共に暮らしたいということも罪ですか? 資本が皆経済が苦しいと騒ぎま すが、事実その危機になぜ労働者が責任を取らなければならないのですか? 宅配労働者が間違ったから経済が難しくなったのですか? 政権のせいで、 資本の責任です。 私たちの宅配家族はほとんど労働運動の経験がありません。私もやはり運動を 知らずに29年間製造業で働き、3年前に大韓通運に入社しました。ところが度々 素朴に頑張って働いて暮らそうとする労働者が、闘士になっていきます。しき りにそうなりつつあります。 生前のパク・ジョンテ支会長はどんな人と記憶しておられますか?
いつもそんなに純粋で懐の深い人物はいません。戦いを始め、朝夕に組合員に 痛いところはないのかいちいち聞いて、同じように食べて寝て座り込みして、 誰も知らずにやり過ごす組合員の誕生日までみんな気を使っていました。私に は「お兄さん、頑張って」、「闘争はつらいがいつも健康に気を使って」と話 してくれたやさしい人でした。 そのように家の外で忙しく暮しているので風呂にも入れず、足が本当に臭かっ たです。テントで寝ているときに支会長が入ってくると、その臭いでゆめうつ つに『ああ支会長が入ってきたな』とわかる程度でしたから。 6日にはソウルで記者会見がありました。その時、残された烈士の夫人も一緒だっ たのですが、まだ子供たちが小さくて、お父さんが死んだと話せませんでした。 それでソウルに行って来る間、親戚に子供たちを頼んでいました。ソウルで日 程を終えて大田駅に到着し、彼女が大田駅のトイレで喪服を脱いでふだん着に 着替えたあと、子供たちを連れに行ったのですが、その残された夫人の気持は どうだっただろうと思うと本当に心が苦しかったです。錦湖資本と大韓通運が 本当に血が流れる人なら、本当にこんなことはできません。 錦湖資本と大韓通運の姿勢を見ると、闘争が長期化する可能性が高そうです。解雇された組合員たちは現在どうしていますか? 初めて報せに接した時は、皆あちこち座って泣いてばかりいました。だが今は 違います。私たちの目標はもう決まりました。遺書にもあるように、烈士が命 を捨ててまで意味したことがありました。使用者側と警察がいくら弾圧しても この闘争は止められません。私たちを拘束したら獄中でハンスト闘争で対抗す るという悲壮な覚悟をしています。 烈士の前でわれわれはすべて罪人です。その罪を業として一生を暮します。今 あの悪い錦湖資本と大韓通運に対抗する闘争は基本です。さらに烈士が残した 幼い二人の子供と私たちの子供たちがおとなになった時には、労働者として暮 すことが堂々として幸せな事になるように世の中を変えます。
もう2か月近い彼らの座り込み生活は、光州から、大田大韓通運の前の路上に、 また故パク・ジョンテ支会長がいる病院霊安室の前のテントに移った状態だ。 ご飯と汁、そしてキムチ一つで食事をしながら、彼らは全くいやがらなかった。 むしろ近くの同僚の解雇者は「おお、お兄さんは年だから皿に取るの? 私は飯 を汁にまぜて一度に食べるけど」といいながら笑いを失わなかった。チェ・ハ ギョル氏は「支会長が死ななければ路上で食べ物を作って食べていただろうに、 それで良かったのに」とし、「われわれは命があるから食べもするが...」と故 パク・ジョンテ支会長に申し訳なく思う気持を隠せなかった。 インタビューを終え、確認したいと言って集会隊伍の中に歩いていった、黒く かすんだ50代の宅配労働者の後姿にはとても多くのわけと話が含まれていた。 (パク・ウォンジョン記者) 翻訳/文責:安田(ゆ)
Created byStaff. Created on 2009-05-14 04:22:47 / Last modified on 2009-05-14 22:57:52 Copyright: Default 世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ |