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朝鮮日報の屈辱とキリュン電子分会闘争の真実

[寄稿]最低限の客観性もない朝鮮日報の陰湿な攻撃

ムン・ジェフン(ソウル南部労働法律相談センター)/ 2008年10月25日19時44分

1160日を越えて争っているキリュン電子事態をめぐり、労と使そして政府と警 察までが混乱を繰り返している。キリュン電子使用者側は、もう死に至った新 自由主義政策とその考え方を固く信じているようだ。それで使用者側は利益の ためには不法派遣も、そして非正規職も救社隊と用役チンピラも関係ないとい う傍若無人の態度だ。何よりも、生命と人権を蹂躙しても起業するのに良い国、 ビジネスフレンドリーが自分を保護してくれると信じているようだ。そのため、 いわゆる保守言論や経済新聞を通じてキリュン電子女性非正規職労働者の闘争 を陰湿に攻撃してきた。

その陰湿な攻撃の先鋒は、やはり朝鮮日報であった。朝鮮日報はキリュン電子 使用者側の主張をそのまま新聞紙上に書き移した。そして中国への工場移転と 経営赤字の責任を労組のストライキのためと書き立てた。キリュン電子使用者 側は、労働者の闘争の正当性にダメージを与えるために、キム・ソヨン分会長 の過去を明かして狡猾に思想論争をしかけ、闘争に水をかけようとした。その 中でも、白眉は国家保安法被害事例を悪用することとともに、前の職場でした 労組活動の内容の悪意的な歪曲であり、朝鮮日報は異例の大きさでこれを報道 した。

これらの報道は当事者の反発を呼んだ。結局、言論仲裁委で、歪曲と不公正、 そして退行の代名詞、朝鮮日報さえ、ついに事実と真実の前に屈した。

▲朝鮮日報の訂正報道文

[訂正および反論報道文]

本紙(朝鮮日報)8月22日付A11面「キリュン電子では何が」の題の記事

本紙8月22日付A11面「キリュン電子では何が」の題の記事に関し、キリュン電 子が工場を中国に移転したのは労組のストライキとは無関係で、赤字の主な理 由は労組のストライキではなく、別の経営上の理由であることが明らかになっ たので、これを正します。また、キリュン電子労組は、労使の合意が決裂した 主な理由は、報償金ではなく再雇用および雇用保障期間の問題であり、キム・ ソヨン分会長が2000年に当時不渡を出した甲乙電子を相手に座り込んだのは、 慰労金ではなく退職金、未払い賃金を受け取るためだったと明らかにしました。

マスコミ各社はたびたび客観性(または公正性)を持つ問題と、真実を暴く問題 が衝突するようだ。だが今回のキリュン電子事態に対するキリュン電子使用者 側を代弁した朝鮮日報と経済新聞は、最低の客観性も維持しなかった。朝鮮日 報は『勤労者のストライキ=〉中国への生産ラインの移転』という図式で報道を した。だが実際は、『中国での生産ライン移転計画樹立および移転=〉派遣契約 解止=〉派遣勤労者に携帯メールで解雇=〉勤労者の労組結成、ストライキ』の 順に因果関係が発生した。こうした明白な時間の流れも歪曲する理由は、労働 組合が憲法的な権利であり最低限の人権インフラにあたるという常識ではなく、 単に利益の障害だという退行的考えに閉じ込められているためだ。

朝鮮日報は、キリュンのキム・ソヨン分会長の国家保安法違反の前科とともに、 ヒョンソン高校を出た後に、まるでキリュン電子に『専門労働運動』のために 入社したかのように書いた。こうした論理はキリュン電子労組ができると、会 社が救社隊の名を借りて悪意で広めたうわさをそのまま書き移したものだ。

だが、キム・ソヨン分会長の3年余りのキリュン入社と勤務は、生計のための当 然のことだった。さらに、工場生活で労組を作り、労働運動をしたとしても、 そのような事実が不法や不道徳を構成する要素になるわけでもない。労働組合 活動は憲法で保障された基本権だ。それでもこれを根拠にキム・ソヨン個人の 身上を暴き、キム・ソヨン個人の名誉を傷つけるのは明白な名誉毀損であり、 民事刑事上の犯罪行為になる。

特にキリュン電子使用者側と朝鮮日報は、彼らが金と利益のために人間らしい 人生を否定しつつ、キリュン電子女性非正規職を猛烈に「金をむさぼる労組ま たは労働活動家」という陰湿な攻撃をしている。だが労使問題を金で解決する のは会社とっては好ましくやさしい問題だ。労働組合の場合、雇用保障の問題 とともに、いつも人間らしい職場を作ることを望む。金の奴隷は、労働組合は まるで霞を食べて暮せというような居直りの論理を展開するのを見ると、偽善 の極限状態を見ているようだ。

分会が巨額の慰労金を要求したという陰湿な攻撃を裏付けるために、会社はキ ム・ソヨン分会長がキリュン入社前に労組の委員長をしていた甲乙電子闘争を 歪曲した。『分会長キム氏は不渡を出した甲乙電子の代表理事を相手に破産慰 労金(6億ウォン)を受け取ろうと本社占拠座り込みをした人物』とし、分会長が ただ破産慰労金を受け取るために闘争したと書き立てている。だが実際に甲乙 電子は不渡りを出した会社で、そのため退職金全額保障、生計対策費平均賃金 9か月分支給、売却および再稼働時全員再雇用などが争点だった。当然の要求だっ たのだ。だがキリュン使用者側と朝鮮日報は、廃業した会社の勤労者が法的に 保障された退職金、未払い賃金を受け取る闘争さえ不穏視している。

この1週間、キリュン電子の前は修羅場だった。救社隊と用役チンピラと警察が 非正規職女性労働者の生命線を断ち切った。連帯する市民の手と足を折り、視 力を奪っていった。その渦中にもキリュン電子会社は朝鮮日報が報道した内容 を録音して、放送し続け、またインターネットで陰湿な攻撃作業を続けた。と ころが、今回の朝鮮日報の訂正報道はキリュン電子使用者側の話がその根本か ら嘘と偽りに基づくものであることを明確にする。

キリュン電子女性非正規労働者闘争の本質は、奴隷労働である派遣労働、それ も不法派遣に対する責任を問うことだ。権利はなく、義務だけが与えられる奴 隷的関係が不法に形成されても、500万ウォンの罰金を払えば責任を全うしたと 考える非人間的で野蛮な行為に対する抵抗だ。だが、起業するのに良い国、ビ ジネスフレンドリーが支配する韓国社会では、こうした基礎的な常識が4年の間 無視されている。黄金万能の社会で、強者だけが一人占めする競争の論理に陥 り、数え切れない偽りと暴力とそして人権蹂躙が強行されている。

だがキリュン電子女性非正規労働者とイーランド、江南聖母病院、GM大宇、コ スコム、KTXなど、無数の非正規労働者の闘争があり、真実は偽りと虚偽を突き 破り、歴史にその姿を表わしている。

今日(10月25日)はそのキリュン電子の前で2008年全国非正規労働者大会キャン ドル前夜祭が多くの市民とともに開かれる。すでにキリュン電子闘争は870万の 非正規労働者の絶望を切り開いて行く希望の住みかになっている。単に彼らだ けが知らず、私たちすべてが知っている。非正規職制度は撤廃されなければな らないということを。

韓国社会の人間に対する礼儀を守り、人間の尊厳を守る闘争の最前線、キリュ ン分会女性非正規職労働者の闘争が勝利することを私たち皆が切実に祈る。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-10-26 09:14:35 / Last modified on 2008-10-26 09:14:36 Copyright: Default

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