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無理やり消されたギターの商標と連帯の歌

[寄稿]私の『コルト・ギター』の話

命人/ 2008年10月17日9時15分

かなり長く歌を忘れたまま暮していた。しばらくノチャッサで活動して、一時 レコードを発表して歌手を本業として活動したこともなくはなかったが、暮ら す労働をしている間、私はそれでも何とか進歩運動に服務しようと色々な活動 をしたりもし、その間私は歌をなくして、いつのまに歌手という自意識も薄く なりつつあった。

私がそうして暮している間にも非正規職労働者たちはあちこちで戦っていた。 私はしばしば闘争事業場の集会場の片隅に座っていた。ますます息もつけない 資本主義に対し、私ができることはせいぜい長期闘争事業場闘争に頭数を一つ 補うことぐらいだということがいつもつらかった。私はただ、暇があれば、 あるいは時間をあけて、キリュンでもイーランドでも尋ね歩いた。

そんなある日、非正規職闘争現場のどこでも会える労働者歌手キム・ソンマン 先輩が、集会場の隅に座っている私を見た。そして口から出た先輩の最初の一 言は「こういうところに来てなぜ歌わないのか」だったか? 「あいつがここに きたのになぜ歌わせないのか」だったか? 闘争事業場は多く、毎日あちこちで 闘争文化祭が開かれるが、闘争現場に連帯する歌手は少ないと言って、キム・ ソンマン先輩はとても当然のように私がまた歌うべきだと説得した。歌手は体 が楽器だが、普段の体の管理も喉の管理も練習も全くせずに暮している私がま た舞台に立てるのだろうか。私には自信がなかった。だが遠慮する私に連帯の 心を強調したキム・ソンマン先輩は、ある日、我が家に一つの贈り物を持って きた。

ギターだった。ギターが入っているカバンには'Cort'の商標があったのだが、 私がもらった贈り物には黒いマジックでその商標が無理に消されていた。Cort はギターを作る労働者を搾取し弾圧するあくらつで悪い会社だ、だからこうし て商標は消してきたが、それでもこのギターで私がまた歌を作り、また歌って ほしいと渡されたギター一本。

舞台が怖くてまた歌うことを躊躇っていた私は、『歌手』を職業として暮して いた時と違い、『歌うこと』の意味を考え直すようになった。そして私はまた 歌い始めた。歌うことに多くの時間を使えない『非正規歌手』だとはいえ、も のすごい芸術的な情熱のためではなく、闘争する労働者に私がすることができ る最善の連帯だと考えて、今では暇があれば、あるいは時間を作り、キリュン に、イーランドに、またどこでも闘争する労働者たちがいる所に歌いに行く。

そうして私は自分の歌を取り戻した。劣悪な現実の中で100日、300日、500日、 1000日を越えても闘争している労働者たちが私に舞台を見つけてくれ、いつも 闘争の現場で音響なら音響、歌なら歌、片っ端から大変なことにノーと言わな い労働歌手、キム・ソンマン先輩が私の手に持たせたギター一本が、私に失っ た歌を戻してくれた。

ところが、まさにそのギターを作ったコルト(エレキギター生産、仁川所在)・ コルテック(ギター生産、大田、鶏龍市所在)の労働者が今、600日以上戦ってい る。ギターのボディを削る過程で出る木粉と騒音に満ちた作業現場で、きちん と賃金が支払われなくても我慢して、管理者の非人間的な待遇にも耐えながら、 黙々と働いてきた労働者たちは、筋骨格系疾患、有機溶剤露出による職業病、 気管支喘息、慢性気管支炎に苦しみ、コルト・コルテック楽器を世界のシェア 30%を占める会社に成長させた主役だ。

その労働者たちの、最低賃金水準の低賃金と各種の労働災害に苦しめられる劣 悪な環境の労働は、会社に途方もない利益を持たらしただけでなく、多くの文 化芸術家に音楽をプレゼントする道具になり、また多くの人々の心に響く音楽 になった。

しかし今、それらの労働者は整理解雇という名で会社から追い出され、中央労 働委員会から全て不当解雇と判定されながら、職場閉鎖が続いたため編物で闘 争基金を作りながら、止まった工場を守って戦っている。数日前には冷たい風 が吹く楊花大橋に近い15万4千ボルトの電流が流れる鉄塔に上がり、切迫した理 由を知らせている。

私は考える。今、私がこれらの労働者に歌でお返しをする時間だと。彼らが作っ てくれた私のギターを彼らのために鳴さなければと。今、私たちが、これらの 労働者にその労働の美しい意味を返す番であり、それらの労働者が『労働』を 取り戻して『生』を取り戻すことに躊躇うことなく連帯する時だと。私のギター は今、連帯の歌を響かせせなければと。

[コルト・コルテックと共にする文化労働者たちの呼び掛け]

  1. 楊花大橋に近い鉄塔で孤独な高空籠城をしている方々に支持訪問をしてください。
  2. 私たちに楽器を贈ってくれた労働者たちの血の汗でコルテック・コルトのパク・ヨンホ会長は資産1000億台の金持ちになっています。それでもさらに多くの利益獲得だけを目的に、インドネシアと中国にラインを移転し、勤務15年でも最低賃金水準の賃金で働いてきたコルトコルテック労働者たちを集団解雇し会社も偽装廃業してしまいました。ギターを愛し、歌を愛する人は、コルト・コルテック本社とパク・ヨンホ会長に抗議しましょう。

[招待します。]

コルト・コルテック偽装廃業撤回と原職復帰のためのキャンドル文化祭

■日時:10月21日午後6時

■場所:普信閣前

■出演:トゥロムソクル/ミョンイン/ソヒ/危機のオジサンたち/ヨン・ヨンソク/ソン・ギョンドン/ノ・スンテクの写真スライドなど

■主催する人:コルト・コルテック労組/金属労組/全国非正規労働者大会組織委員会/非正規職ない世の中作りネットワーク/コルト・コルテックと一緒にする文化労働者たちなど

  • ギターが好きな方々は当日ギターを持ってきて下さい。
  • 〈コルト・コルテックと共にする文化労働者〉はこれからもずっと私たちの歌の中で労働を搾取してきたコルト・コルテック使用者側に抗議する文化行動を続けます。参加する方を求めます。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-10-21 04:46:11 / Last modified on 2009-09-30 14:27:02 Copyright: Default

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