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鉄道ストライキの背後は報道機関と政府だ

[寄稿]大統領執務室の電力を切っても正常なフランスの公共ストライキ

イ・ジョンホ(公共労組)/ 2007年11月15日0時16分

11月13日の夜8時から、フランスの鉄道と地下鉄、バスが止まった。14日には電 力とガスなどのエネルギー部門の7つの労組もストライキに入った。来る20日に は公務員労組、29日には司法労組がストライキに入る。運輸労働者のストライキ でTGVは一日700本のうち90本だけが運行した。パリの地下鉄は10%しか運行し ていない。今回のストライキは、10月18日の一日警告ストライキとは違う。無 期限ストライキだ。今回のストライキには、電気、ガス、鉄道、教師が主力だ。 先月の警告ストライキの時にサルコジ大統領の第2執務室に電力も切れた。こ のストライキは95年に3週間続いた全面ストライキ以後、最大の規模だ。数十 の公共部門の労組で50万人程度がストライキをする。

韓国も鉄道と貨物が11月16日にストライキを予告した。韓国の鉄道労組と貨物 連帯は、すべて合わせて3万5000人だ。韓国の言論は連日『市民の不便』を叫び、 まだやってもいないストライキたたきに忙しい。先月、大統領執務室に電気の 供給を切ったフランス労働者は、誰も捕まったという声は聞かなかった。韓国 なら、どうだったのだろうか。想像する必要もない。公権力で鎮圧する前に、 言論の袋叩きで気力が尽きた鉄道と貨物労働者に行く所はない。

フランスの公共ストライキの理由は年金改悪だ。中央日報の11月10日付の社説 によれば、韓国の鉄道労働者のストライキの理由は解雇者復職、KTX乗務員直接 雇用、構造調整中断だ。解雇された人を復職させてくれ、解雇されそうな人を 助けるということだ。フランス労働者は現在の生存ではなく、未来の生存(年 金)のためにストライキをした。しかし韓国の労働者は、当面の生存のためにス トライキをする。それでも中央日報は、解雇者復職、構造調整中断などが「交 渉の範囲を逸脱した無理な要求」だと蔑視した。解雇者復職が交渉の対象では ないなど、六法全書のどこにもない。労働組合法で労使交渉の対象は「労働者 の賃金および勤労条件に関する事項」と出ている。解雇よりももっと深刻な 勤労条件の剥奪がどこにあるか。

中央日報の社説は、鉄道労使が「中央労働委員会は職権仲裁手順を踏んだので 労使は仲裁案に従わなければならないから、今回のストライキは明白に不法」 と断言した。労働法を少しでも知っていれば、「明白な誤報」だ。鉄道労使の 仲裁期間は、1日から15日までだ。中央労働委員会が15日中にいかなる仲裁案を 出してくるのかは誰もわからない。5月の釜山地下鉄ストライキの時、釜山地方 労働委員会は仲裁期間最終日に『条件付き仲裁』の決定を下したし、労組は3日 間、合法ストライキをした。2004年の保健医療労組の病院ストライキも同じよ うに合法でなされた。先月10日から6日間続いたソウル大病院のストライキも合 法だった。必須共益事業場ではストライキを予告するだけで不法だという報道 は、韓国の言論の長い間の慢性病だ。中央日報は11月15日の中労委の決定を予 断したか、労働法の手続きを知らない無知か、二つのうち一つだ。労働委員会 は、最近ストライキ期間でも強度を調節する条件付き仲裁をし、合法ストライ キの空間を開いている。労働委員会が労組側だからではない。韓国の『職権仲 裁制度』が憲法で保障された労働三権に正面から反するという国際社会の長い 間の非難により、最近は軍事政権の時と違って慎重に決める。頼むから正しく 知って書いてほしい。

記者室の閉鎖は記者に対する間接殺人だ。直ちに首をはねるわけではないが、 取材の核心を遮り、結局、匙を置かせる。それで言論は連日『記者室大クギ打 ち』という過激な単語まで使って紙面を塗りたくる。その塗りたくりに押され て、さらに低い異議さらに切迫した理由が紙面から抜け落ちる。読者に対する 一種のストライキ、でなければ怠業だ。十分に理解する。

それなら言論は、記者ほどに公益的な鉄道と貨物労働者のストライキでもない、 『ストライキ予告』を不法だと罵倒してはいけない。惨事が起きた大邱地下鉄 は1人乗務制だった。火は電車一番後ろから二番目の車両から出た。最後尾にも 機関士が乗る2人乗務なら、簡単に消火器で火を消せただろう。今回の鉄道労組 の主な要求には1人乗務制阻止も入っている。さらに鉄道公社は1人乗務制を一 方的に施行しないと労組と合意しておきながら、11月1日に強行処理した。当然、 鉄道労組は反発せざるをえない。これに対して韓国経済新聞は『鉄道労組、機 関士監禁など不法を強行』(2日付10面)と報道した。記者が国民の知る権利を守 るために戦うように、鉄道労組も国民の生命を守るためにストライキをする。

中央日報の社説は、「鉄道を止めて貨物輸送を阻止するのは、国家秩序を破壊」 するということだと書いた。憲法で保障された労働三権を奪い、労働法からス トライキという単語を抜けというほうが、さらに率直だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-11-17 12:30:48 / Last modified on 2007-11-17 12:30:49 Copyright: Default

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