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韓国:民主労働党、「浦項事態の根本的な原因は使用者と政府」
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民主労働党、「浦項事態の根本的な原因は使用者と政府」

政府は「不法必罰」の原則だけを強調、 与党は「法と原則」をうんぬん

チョンヨンジン記者 jeremi20@jinbo.net / 2006年07月18日18時37分

浦項建設労組による浦項製鉄本社占拠座り込みが18日で6日目になる。16日の午 後11時から3時間、警察の強制武力鎮圧があったが、日雇い建設労働者たちは 激しい抵抗でこれを防いだ。この過程で一人の労働者が警察の盾で殴られ、生 命が危い状況に至った。

政府はこれについて18日午前、ハンミョンスク総理主宰で緊急関係長官会議を 開いて対策を議論し、共同談話文を発表した。「合法保障、不法必罰の原則に より、不法・暴力行為に対しては必ず法と原則により厳しく対処する」という。

カンボンギュン議長「根本原因も重要だが..」、チュビョンジク長官「きっぱりと対処」

政界の一部も事案について口を開いた。ヨルリンウリ党は18日午前、国会貴賓 食堂でチュビョンジク建設交通部長官の懸案報告を受けた。

主に暴雨による災害対策関連の話題が行き来したが、その渦中でカンボンギュ ン政策委議長は「浦項で建設労働者の一部による不法な労使紛糾があるようだ。 根本原因も重要だが、不法行為に明らかな立場を示す姿勢を願う」と言及した。

これに対してチュビョンジク建設交通部長官は「不法行為には法と原則により きっぱりと対処する。対政府改善要求の事項のうち合理的な事案はできるだけ 早く改善したい」と答えた。

カンボンギュン議長とチュビョンジク建設交通部長官は「根本原因も重要だ が」、浦項製鉄本社占拠状態の現象だけに注目し、「不法行為」と「法と原則」 を口にした。むしろ「断固たる立場を見せてくれ」、「きっぱりと対処する」 など、警察の暴力鎮圧を助長したり黙認する発言を続けている。

民主労働党、「不法は使用者が行ったのに、政府は放置」

だが民主労働党は声明で、現事態の原因が建設産業労働災害、不法多段階下請 け、建設現場の劣悪な労働条件など、建設産業の構造的な矛盾と政府の無対策、 また、使用者の不法代替人材投入などの不当労働行為とこれに加えて警察の過 剰対応にあると指摘した。これらが建設労働者の怒りを大きくした原因で、 浦項製鉄本社占拠事態を呼んだという分析だ。

民主労働党はその前のカンボンギュン議長とチュビョンジク長官の発言とは違っ て、「建設現場の不法はまさに使用者が行ってきた。政府はこれを放置した」 と批判した。

これに「今回の事態の根本的な原因は使用者と政府にある」と指摘、「政府は 今からでも建設労働者の切実な要求を受け入れ、法制度を改善し、労使間の円 満な交渉で事態を解決するように積極的に仲裁に出るべきだ」と要求した。

段炳浩、警察力の行使を中断しろ

16日、警察の強制鎮圧の直前に浦項現地に行ってきた民主労働党の段炳浩議員 も個人声明で、「建設労働者の要求は最低限の人間的な権利を維持するために、 憲法と法律を守ってくれという正当なことだ」とし、政府と使用側、警察に事 態の円満な解決のための努力を要求した。

特に16日の警察の強硬鎮圧の過程で、警察が振り回した盾に合たり、脳出血で 生命が危い労働者に言及し、「警察はこれ以上の不祥事が発生しないように実 力行使を中断しろ」と要求した。

段炳浩議員は「1万5千以上の警察を動員し、二度にわたり座込み場への進入を 試みた。今この時間にも進入を準備している」とし「座込み場には3千人の建 設労働者がいる。すでに6日目の座り込みで心身が疲れ、極度に鋭敏な状態に ある高齢の労働者がいる」と語り、もうこれ以上の実力行使をやめるよう 繰り返し要求した。

民主労総、政府は建設労働者をまた欺くのか

一方、政府の談話文発表に対し、民主労総も声明で「政府は浦項製鉄側の立場を オウムのように繰り返している」と批判した。

民主労総は「浦項製鉄が工事発注をするから建設労働者の賃金と労働条件はそれ によって決定されるしかない。多段階下請け構造を理由に建設労働者の生存権 の要求に対する責任を下請け建設業者に転嫁するのは建設労働者を繰り返し欺 くもの」と明らかにした。

民主労総はまた「これまで政府は使用者の不当労働行為が法的には堂々たる不 法と明示されているのに、法的に公正に処理したことが一度でもあったか」と 反問し、「政府は『合法保障、不法必罰』原則というむなしい論理で切実な労 働者の要求を無視して公権力を投入する口実作りに汲々としてはならない」と 批判した。

これに民主労総は「政府が『合法的で平和的な意見陳述の機会は十分に保障す る』という約束で労働者を信頼させたければ、必ず浦項製鉄の使用者性を認めな ければならない。『座り込みをやめて自主解散』などの前提条件なく、即刻労 使間の対話を斡旋しなければならない」と要求した。

特に「16日の警察の暴力で数十人の労働者が負傷し、1人は警察の盾で頭を殴 られ、出血多量で一週間ももたない状況」とし、「政府は公権力投入を口にす る前に、殺人暴力を犯した警察の責任者の処罰が先だ」と明確にした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-07-20 05:32:43 / Last modified on 2006-07-20 05:32:43 Copyright: Default

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