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「KTX乗務員は新しく外部から選ぶ」

4月1日からKTX観光レジャー乗務開始、 鉄道流通は5月15日に乗務事業を終了

チェイニ記者 flyhigh@jinbo.net

ソウルと釜山KTX列車乗務支部のストライキ14日目、韓国鉄道公社ソウル地域 本部の占拠座り込み6日目になる3月14日、鉄道公社が記者説明会を開き、今後 の対応方針を明らかにした。

鉄道公社記者説明会の骨子は「不法ストライキが続けば、来月1日から外部の 新規人材を採用する」、「KTX乗務員の主張と違い、KTX観光レジャーは堅実な 企業」などで、強硬対応の原則を固守している。記者説明会には金チョヌァン 韓国鉄道公社旅客事業本部長と金ウンKTX観光レジャー代表理事、鉄道流通関 係者などが参加した。

鉄道流通乗務事業は5月15日に終了、KTX観光レジャー選別採用

金チョヌァン韓国鉄道公社旅客事業本部長

金チョヌァン旅客本部長は記者説明会開催の趣旨を「私たちのKTX乗務員の多 くが不法ストライキをしており、金曜日18時という最終復帰期間を破ったまま 不法を続けているので、これに対する対応を明らかにしたい」と説明した。

まずこれまでKTX乗務員の所属会社であった韓国鉄道流通(旧弘益会)の乗務事 業は、5月15日付で完全に終わらせるという立場だ。鉄道公社はこれの仕上げ のために「今週内に現KTX乗務員とこれと関連する協議などの法的手続きを進 める予定」とし「『経営上の解雇協議通知』を送る」と明らかにした。

金チョヌァン本部長は「復帰せずにストライキを続けている職員への後続措置 は、とりあえず鉄道流通の事業が終了すれば解雇が避けられないため(70人の 職位解除者に対する)当面の解雇措置はない」とし「KTX観光レジャーに応募す れば、ほとんどが採用されるはずだ。もちろん不法行為に積極的に加担した程 度を判断して採用する」という選別採用の立場を明確にした。

鉄道公社、「KTX乗務員の勤労条件は悪くない」と主張

金チョヌァン本部長は「いくつかのマスコミでは、女性乗務員たちがまるでと ても悪い条件で働いているかのように主張しているが、これは事実ではない」 と反論した。金チョヌァン本部長によれば「KTX女性乗務員は、公社職員たち より病暇や休暇を3倍も多く使っており、保健休暇もほとんど使っている」と 主張する。「ミンセウォン支部長は、およそ一月間も病暇を出している」と付 け加えることもした。

KTX乗務員の給与水準についても「報酬の差別は事実無根」という立場だ。 「KTX乗務員が働く時間に対する報酬は少なくない。月174時間働けば実際の手 取り額は、あれこれ差し引いても169万ウォンになる」という。「もちろん、 一部には140万ウォン程度しか受け取れない者もいるが、それはミンセウォン 支部長のように1ヶ月に90時間しか働かないケースに該当する」と指摘した。

「KTX観光レジャー職員もわれわれ『鉄道グループ』の家族」

問題になっている新しい委託会社であるKTX観光レジャーの説明も続いた。金 チョヌァン本部長は「KTX観光レジャーは2004年にでき、新年度の成績だけで 2005年に監査を受けたので、当然赤字にならざるを得なかった。最も低い水準 の指摘事項である『勧告』を受けただけ」とし、巷間の「不良企業」論議につ いて釈明した。

金チョヌァン本部長は、しばしば「鉄道グループ」という表現を使い「(KTX 観光レジャーでの採用は)わが鉄道グループの家族として雇用することと変わ らない。系列会社の正規職も、本社の正規職に劣らない条件で待遇することが できる。KTの子会社であるKTFがさらに多い賃金を受け取っているように、観 光レジャーにはそれができないという理由はない」と抗弁した。

KTX観光レジャーへの委託以後、乗務員が物品販売サービスまで担当すること は不適切だという主張に対しては、「現在の契約条件にも販売事業があるが、 販売をさせずにいた理由は、これまでの鉄道流通販売社員の人材再配置問題の ためで、この問題が解決すれば統合サービスをする」とし、「それなのに、本 人の意志に反する場合は強制的にやらせないと約束したし、労働時間は変わら ず、労働強度が強くなることもない」と主張した。

「監査院の『不良企業』判定は『油田ゲート』から飛び火」

金ウンKTX観光レジャー代表理事

この場に参加した金ウンKTX観光レジャー代表理事も「KTX観光レジャーは不良 企業ではない」と主張し、熱弁をふるった。金ウン社長は「鉄道公社の16の子 会社のうち、私が唯一の専門経営者」とし「必死に努力して、2005年に黒字に なったのに、なぜわれわれの会社が不良だなどというのか」と不満を表わした。

金ウン社長は「私たちの会社は乗務事業経験がない会社だというのは誤解」と し、「昨年5月にわれわれの会社が乗務と観光サービスが上手いという噂を聞 いて訪ねてきた鉄道流通の乗務員3人と幹部に対し、接客とサービス、放送ア ナウンスなどのベンチマークに挑戦したこともある」と主張した。

金ウン社長は「不良企業」の批判に対しては「昨年4、5月、突然油田ゲートに まきこまれて監査を受けたが、出発初期で赤字だったため悪い結果になった」 と主張した。金チョヌァン旅客事業本部長も2005年監査の結果を「油田疑惑に 関して、子会社も疑いの目で見られ、唯一、手加減なく徹底した定規で審査し た」と話した。

金ウン社長は「(KTX観光レジャーを)国内唯一のサービス専門職種を育てる会 社にする」、「乗務員自らの教育の場を建設し、鉄道サービス・アカデミーに 発展させる」、「乗務事業の経験が豊かな女性役員を外部から導入する」など、 乗務事業への抱負を繰り返し述べ、ストライキ中の乗務員には「『カート販売 員に転落する』という主張は自分自身を卑下すること」と一蹴した。

続いて「無条件に騒けばいいというものではない」とし、「私も乗務員にあれ もこれもしてやれれば、どんなに良いかといつも考えている。パウダールーム やスプリングが良いベッドなどを設置することが私の希望で、それを公社側に 要求している」と話した。「欲があるなら乗務員が私のところにきて、公社側 にあれもこれもしてくれと要求しろとはっきり言えばいい」というあやふやな 話も残した。

「はやく復帰して、はやく受験すれば、良い席を与える」

鉄道公社は4月1日から、現在KTX乗務員ではない外部の支援者をKTX観光レジャー の新規人材として採用するという立場だが、それ以前にKTX乗務員がKTX観光レ ジャーに応募しても採用される保障はない。またKTX観光レジャー募集を4段階 の職級に分類、早く復帰して受験した人に高い職級の機会を優先的に与えると 明らかにした。

金ウンKTX観光レジャー代表理事によれば、必要人員をASL(アシスタント・サー ビス・リーダー)、SL(サービス・リーダー)、SM(サービス・マネジャー)、TM (チーム・マネジャー)の4段階の職級に区別採用するという立場で、金チョヌァ ン旅客事業本部長は「復帰期間により、職級に差別をおく」と話した。

金チョヌァン本部長は「こうした方式は元々乗務員が望んでいたので、それを 考慮して管理職まで乗務員出身から採用しようとしているのに、受験しないの は残念だ」とし、「遅くなるほど職級が下になるだろう。遅くなるほど損害だ」 という言葉を残した。

すべての鉄道関連事業場に立入禁止仮処分申請

鉄道公社はまた15日にKTX支部に対し立入禁止仮処分申請を出す計画と明らか にした。立入禁止にする所は「すべての鉄道事業場」で、鉄道公社だけでなく、 すべての子会社と駅構内でも集団行動ができないようにするという趣旨だ。

金チョヌァン本部長は「乗務員が集団行動で不法に占拠し、KTX観光レジャー や鉄道流通に無断で侵入し、書類を破損して器物を壊すという行動をしている。 職員と乗務員の不必要な摩擦を減らしたい」と話した。また「駅構内で抗議の 座り込みをすることも、暗黙的に認めてきたが、乗客の不便を考えるとこれ以 上、大目に見るのは難しい」と明らかにした。

鉄道公社はこの他にもKTX停車駅構内の乗り場に48人のボランティアメンバー を動員し、案内サービス業務をすると明らかにした。以下、記者説明会での 一問一答の要約。

3月14日韓国鉄道公社記者説明会質疑応答

復帰期間が過ぎたが、職位解除された70人の措置は?

具体的な措置はない。復帰後に懲戒の水準を決めるつもりで、現在は休業無賃 金が適用されている。そして5月15日には鉄道流通乗務事業が終了するので、 当然契約が解除されるため、事前の措置はしない。ただし、新しい事業者(KTX 観光レジャー)に資料を渡し、連続性を担保するようにする。

KTX乗務員はまったくKTX観光レジャーを受験していないのか?

優先的にKTX乗務員を採用するという公示にもかかわらず、していない。外部 から千人ほどの志願者が押し掛け、この中にも優れた人材は多い。 復帰者の一部は受験した。

ボランティアメンバーはどう運営する計画か?

ソウル駅などで受け付けている。今回だけでなく、重要な時期にボランティア 制度を活用していた。ボランティアは、案内程度の役割をし、直接列車に搭乗 しないので、安全とは関連がない。1ヶ月の予定で一時的な運営として48人を 計画している。現在は非番の列車チーム長や公安員が時間や日を決めて している。

乗務業務委託をあえて鉄道流通からKTX観光レジャーに変えた理由は何か? 文句を言わずよく言うことを聞く職員だけを雇用する意図ではないか?

KTX乗務員が結成した労組は、民労総でも最も強硬派グループに加入していて、 鉄道流通の経営者を疲れさせてきた。簡単に言えば、愛想が尽きた。鉄道公社 が正規職採用を勧告したのに、鉄道流通は正規職化はできないと事業放棄を宣 言したのだ。

女性乗務員も「なぜ私たちが弘益会に所属するのか」と言って鉄道流通を嫌っ ていた。鉄道流通は本当に問題を解決するために真剣に協議に臨んだのに、わ れわれ乗務員の後で、恐らく非正規職闘争の花として彼女たちを活用しようと する勢力があるらしく、いろんな代案をすべて拒否し、ただ鉄道公社正規職だ けを望んだ。

女性界は、乗務員だけに女性を雇用するのは性差別的雇用慣行だと指摘している

女性界の偏向した視点は残念だ。機長(列車チーム長)にも女性がいる。女性も 十分な資格があれば可能な構造で、男女を区別して雇用はしない。ただしKTX 乗務員はサービス事業だという特徴を考えて、スチュワーデスと同じように運 営するつもりで女性を選んだのは事実だ。

性差別的雇用という指摘で、今後は男女を区分せずに乗務員を選ぶ。セマウル 号にも男性乗務員4人がいる。参考までに、セマウル号の乗務員はKTXより10万 ウォン程度少ない賃金を受け取っていて、彼らも望めばKTX観光レジャーに採 用できる。長期的にはセマウル号の乗務員も委託子会社の正規職化を検討して いる。

公社の要旨は、契約職、非正規職問題を解決しようとすることだが、度々誤解 される。まるで系列会社の正規職がさらに損害をこうむるように考えるのは誤 解だ。民間企業よりいい待遇をする自信があるのに、なぜ唯一公社だけに固執 するのか理解できない。われわれは鉄道グループ全体で見ており、本人の同意 がなければ絶対解雇されないだろう。もしKTX観光レジャーが乗務事業をやめ れば、他の会社での雇用継承を保障するとまで言った。

2006年03月14日18時09分

http://media.jinbo.net/news/view.php?board=news&id=35583

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-03-16 03:24:56 / Last modified on 2006-05-20 05:05:33 Copyright: Default

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