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不法ストを作る職権仲裁

政界、 原因とは無関係に事件が起きれば「不法」

チョンヨンジン記者 jeremi20@jinbo.net / 2006年09月04日15時45分

4日未明に発電労組がストライキに突入し、政界からは直ちにこれを糾弾する 声が出てきた。例によって登場する「不法」と「強力対処」の二つの単語が核心だ。

まずハンナラ党は4日の懸案ブリーフィングで、関連立場を整理した。ユギジュ ン報道官はストライキに突入した発電労組に対して「労働法を無視する労組」 と批判し、その根拠として職権仲裁の勧告にもかかわらずストライキを強行し た事実を上げた。「職権仲裁回付が決定されれば15日間ストライキが禁止され、 職権仲裁回付後のストライキは不法」というものだ。

ユギジュン報道官は発電労組がこれを知りながら「ストライキに突入したこと は『法の上に君臨』しようとするもの」とし、「国家基幹産業である電力供給 に支障をきたすことは国民と経済を担保として自分たちの腹を満たそうとする もの」と批判した。また、「関係もない大学のキャンパスでの籠城は、学生の 学習権を侵害するもので、他の勢力との同調を望むに過ぎない」と言い募った。

ユギジュン報道官はこれについて、「産業資源部はもちろん、教育部も強力に 対処することを要求し、検察と警察も強力に対処しろ」と要求した。

ヨルリンウリ党も今回のストライキに対する「不法」の認識は大きく違わなかっ た。ヨルリンウリ党のイモクヒ戦略企画委員長は4日午前に開かれた非常対策 委員の会議に参加し、今回の発電労組のストライキを「国民の情緒と要求を無 視したストライキ」と規定、「中央労働委員会の職権仲裁という法手続きも無 視したストライキ」と、不法性を強調した。

イモクヒ戦略企画委員長はこれと共に、「労組は今からでもすぐストライキ籠 城を解散し、現場に復帰」することを要求、「政府はこの不法ストライキに厳 正に対処し、万が一にも電力生産に支障ないように万全の準備をするように願 う」と注文した。

しかし政界は、今回も浦項製鉄建設労組のストライキの時と同じように、事態 の原因には言及せずに、現象的な問題だけを羅列、「不法」と「強力対処」う んぬんはかわらなかった。単に事案が変わっただけだ。

浦項製鉄事態の時は、不法多段階下請け構造と元請の実質的な影響力について は無視したままで、労組が交渉相手ではない浦項製鉄本社を占拠したと言って、 不法に言及、今回の発電労組ストライキには「職権仲裁」制度の不条理への言 及は省略し、これを悪用して交渉に出ない使用側には言及せず、交渉決裂によ りストライキを選択した労組側に再び「不法」カードを押しつけている。

では、このように不法の口実になった「職権仲裁」とは何だろうか?

鉄道、バス、水道、電気、ガスなどいわゆる必須共益事業では、労使双方が合 意した調停案を導出できなければ、中央労働委員会が職権で仲裁案を提示する ことを「職権仲裁」と称する。これは、韓国では労組がストライキをする前に、 必ず労働委員会の調整を経るように規定した調停前置主義に従っているためだ が、一般的な事業場も調整を経なければならないのか、労使の合意案導出の結 果とは無関係に労組はとにかく調整手順を取れば争議行為に突入できるのに対 し、必須共益事業場は中央労働委員会が仲裁裁定措置を下すようになっている。

このように、中労委が必須共益事業に仲裁回付決定を下すと、15日間労組のス トライキが禁止される。つまり労組が職権仲裁回付の決定後にストライキを強 行すれば、「不法ストライキ」になってしまうのだ。15日たてば労組はストラ イキを再開できるが、それ以前に中労委が仲裁案を出せば、労使双方が必ずこ れを受け入れなければならない。これに違反した場合は懲役1年以下または1千 万ウォン以下の罰金が関連法に規定されている。

しかしこの職権仲裁制度は、これまで労働界の多くの反発を受けてきた。この 制度が必須共益事業場労組のスト権侵害に悪用されているという指摘である。 労組が交渉で問題解決を試みても、使用側は中労委の職権仲裁決定を待ちさえ すれば、交渉に応じず頑張れば半分は勝つ構造になっているからだ。今回の発 電労組も、労組はストライキ突入直前まで使用側と交渉をしようとしていたが、 3日夜に使用側交渉委員は交渉場に現れもしなかった。

イジュンサン発電労組委員長は今回のストライキについて、チャムセサンとの インタビューで「われわれは00時に予定されていたストライキ時間を延期して まで、最後の交渉に臨もうとした」と語った。そのために「譲歩案まで出すな ど、最大限争点を狭めて交渉に臨もうとした」という。しかし使用側はこれに 応答さえしなかった。

これについてイジュンサン発電労組委員長は、今回のストライキの直接の原因 に「職権仲裁」をあげ、「ストライキを防ぐ職権仲裁が(むしろ)ストライキを 呼んでいる」と主張した。イジュンサン委員長によれば、使用側は「どうせ職 権仲裁に回付されれば不法になるからストライキはできないだろう」という姿 勢で職権仲裁に甘え、交渉を懈怠して一方的に交渉不可通知をする。こうなれ ば労組側はストライキという最後の選択を取るしかない。

これは「結局『交渉懈怠→職権仲裁→労組ストライキ不法規定→労組弾圧』と いう発電会社側が仕組んだシナリオの通りに進んでいるのではないか」という 民主労総公共連盟の指摘にもつながる。公共連盟は、中労委の職権仲裁決定の 直後に出した声明で、「職権仲裁は憲法に保障された労働者の団体行動権を破 壊するもので、廃止されて当然の悪法中の悪法」だと指摘したのは、まさにこ うした理由だ。

「職権仲裁」についての状況に注目すれば、政界の一角で今回の発電労組のス トライキを「不法」と「強力対処」と言うのは、あるいは既定の脚本に従った なう自然の進行とも思われる。上の展開によれば3段階目に来ているのだ。

一方、こうして職権仲裁が決定されるとすぐ、産業資源部と発電5社はすでに 退職技術者、軍人など約3500人の代替人材を投入する計画を出した。特に産業 資源部は、中労委の職権仲裁回付決定後も労組がストライキを続ければ、労組 執行部の検挙、ストライキ参加者への休業・無賃金の原則の適用など、強硬に 対応することを予告している。警察庁もまた労組指導部20人に逮捕令状を取り 検挙すると言っている。これは籠城場に公権力が投入されるという観測にも発 展する。脚本のとおりに進められるのだ。あるいは脚本はすでに3段階を越え、 最後の4段階に入っているのかもしれない。

だからだろうか。発電労組は4日午後4時30分、事実上ストライキを撤回した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-09-05 06:14:24 / Last modified on 2006-09-05 06:14:25 Copyright: Default

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