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韓国:国会環労委は非正規法案処理を留保
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環労委、非正規法案処理留保

12月6日と7日の公聴会を経て法案小委に上程、 法案処理は事実上、次の会期に

ユンテゴン記者 peyo@jinbo.net

非正規改悪案、実質的に留保

国会環境労働委員会は、下半期労働界の最も熱い懸案である 政府の非正規改悪法案を公聴会に回付することに決定した。 関心が集中した非正規法案の法案小委回付は、 ひとまず日程としては留保され、国会環労委は政府法案をめぐって 二日間の公聴会を開くことに決定した。

複雑な説明と議論の過程で公聴会実施をめぐって解釈が混乱したが、 イギョンジェ環労委委員長は 「今回の臨時国会会期で無理に政府の法案を処理できないという意味」 だと明らかにした。

12月1日に環境関連法案の審査小委が予定されていて、 2日に労働関連法案審査小委が予定されている状況で、 二日間の公聴会の日程をすぐ決定するのも困難で、 公聴会でさまざまな意見を取りまとめ、法案小委に渡すことになるが、 その過程で結局今回の定期国会会期は自動的に期限切れになるという説明だ。

29日の午前10時、イギョンジェ環労委委員長の司会で 250回定期国会12次環境労働委員会が始まり、 開始と同時に委員長は27本の法案の上程可決を宣布した。 その中には「期間制及び短時間勤労者保護等に関する法律」と 「派遣勤労者保護等に関する法律中改正法律案」、 「公務員の労働組合設立及び運営等に関する法律案」も含まれていた。 また、段炳浩議員が代表発議した 「派遣勤労者保護等に関する法律廃止法律案」もまた同時に上程された。

問題法案をめぐって熱い論議、関心が集中

今日の環労委は記者の取材の熱気も普段より熱く、 環労委の議員も普段の国会での姿とは違い、熱を帯びた姿を見せた。

まず段炳浩議員が発議した6件の法律案が上程され、 代表発議者の段炳浩議員が法律案説明にたった。 段炳浩議員は、派遣制度は常時的な雇用不安と労働基本権の無力化を 引き起こすので、派遣制度をすぐに撤廃しなければならないという意見を 述べた。派遣労働者が自分達を奴隷と呼んでいると話した段炳浩議員は、 「臨時の需要が必要なら、期間制で解決できる」という意見まで見せ、 派遣制撤廃を強調した。

またゴルフ場のキャディ、生コン車両の運転手などの特殊雇用職労働者による 労働組合設立の権利を保障して、公務員と教員の労働権を保障する 労働組合関係法改正案も提出した。 国会専門委員の検討報告が進められている午前11時頃、 金属連盟のペクスンファン委員長と韓国労総のチェデヨル教宣本部長を含む 6人の労働者が傍聴のために入場し、 国会の警備員が彼らを隈の席に案内し、両側を取り囲んで座った。

段炳浩議員が提出した法案についての討論の過程でハンナラ党のコンソンジン議員は 「一昨日ゴルフ場に行ったところ、キャディが一か月に25日働いて 350万ウォンを稼ぐのだから、数十万ウォンを取られる労組は必要ない」と言った。 これに対して段炳浩議員は「一般のキャディは百余万ウォンを稼ぐ状態だが、 それだけ儲ける人があるとしても、そんな人は本当にめったにいない。 それなのに労組を嫌う人がいれば、労組を作る自由を与えるのをやめようという 話は、道理に合うか」と答えた。 「羊とオオカミの間に鉄条網を張り、数匹の羊を犠牲にすれば 大部分の量が健康になる」とコンソンジン議員は自身の特有な持論をまた強調して 質疑を終えた。

昼食で会議が中断した時間に二大労総の委員長がイギョンジェ環労委委員長と 面談し、会議が進められる午後には数十人の二大労総幹部たちが 会議場の周囲を守った。

キムデファン労働、政府法案に消極的な与党議員を圧迫

議員が提出した二十件ほどの法案に対する議論が終わった後、 午後五時頃にキムデファン長官は政府が提出した7本の法案について説明を始めた。 長官の説明が終わり、これまで数回指摘された政府法案の問題点が また論議され始めた。質疑にたったヨルリンウリ党の議員たちも、 ほぼ非正規関連政府法案の問題点を指摘した。 むしろ野党のハンナラ党議員とキムデファン長官の呼吸が合うという場面が見られた。 ハンナラ党のチョンドゥオン議員が 「どんなに悪い勤労条件でも、失業よりはましではないか」と長官に聞くと、 キムデファン長官は待っていたというように「そのとおり」と相槌を打った。

政府法案のうち、非正規法案についての質疑の途中、 ヨルリンウリ党のウウォンシク議員が国会前と中での 労働者のテント籠城をはじめとするさまざまな闘争が行われていることを指摘し、 「今年、必ずこの法を通過させるべき理由があるのではないか」と 長官の同意を求めた。キムデファン長官は 「法がなければ、非正規職が量産される」と答え、 国会を信じたいが、既に党政調協議が終わっており、 与党の議員が政府日程に個人的な意見を主張することは問題があるという ような圧迫を加えることもした。

問題政府法案、12月6日と7日の両日間に公聴会回付、公務員法は予定通りに審議

結局、午後7時30分頃にイギョンジェ環労委委員長は公聴会回付を宣言して、 拮抗していた会議場の緊張感は一瞬解除された。 以後、ゆったりとした雰囲気の中で数人の議員の質疑が続いた。 午後8時10分頃、イギョンジェ委員長は利害当事者の議論が不足していることを 上げて「非正規関連法案と公務員労組関連法案を 12月6日と7日に公聴会に回付する」と公式に宣言した。 これに伴い、非正規関連二法案の 「期間制及び短時間勤労者保護等に関する法律」と 「派遣勤労者保護等に関する法律仲介政法律案」は公聴会の場に持ち越さる ことになった。一方、「公務員の労働組合設立及び運営等に関する法律案」と 「勤労者退職給与保障法案」は日程通りに審議されることが予定されている。

非正規改悪案を公聴会に渡したことで会期内の処理は留保されることになったが、 今後、法案審査小委への上程が規定事実になったという点で 「法案審査小委回付時に闘本代表者会議の決定により 12月2日にゼネスト突入」を決定した民主労総の今後の対応が注目される。 民主労総は今晩、闘本会議を開催する予定だ。

2004年11月29日20:42:57

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2004-11-30 00:46:49 / Last modified on 2005-09-05 08:16:22 Copyright: Default

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