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韓国:ゼネストインタビュー:公共連盟イホドン委員長
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「笑ってナイフで刺す政権」

[ゼネストインタビュー3]公共連盟イホドン委員長

既に拘束決意、ゼネスト闘争勝利が絶対絶命の課題

キムヘスク記者

メディアチャムセサンは26日のゼネスト闘争を控えて、 民主労組運動の主な指導部との連続インタビューを企画した。 民主労総イソクヘン事務総長、金属連盟ペクスンファン委員長に続き、 公共連盟イホドン委員長の声を聞いた。

イホドン委員長は、盧武鉉政権の労働政策が 「一方で笑いながら、一方で刀を差し出すもの」と話し、 「10年に一回あるかないかの総攻勢」と現情勢を眺めた。 イホドン委員長は、連盟の選挙について 「ストライキ闘争の過程で行われる選挙だけに、 選挙でも連盟の革新と統合を成し遂げるために努力する」と同時に 「連盟委員長として、ゼネスト闘争勝利に全力投球する」という意志を表明した。

*19日に民主労総中執、中央委員連席会議が行われた。26日-29日のゼネスト闘争決議などの重要な決定があった。公共連盟での準備状況はどうか*

連盟は7月1日の週五日制施行を控えて組合員1/3以上がストライキを、 連盟全体組合員の半分以上が賃上げ闘争を展開した。 それからいくらもたたない時点なので、今回のゼネスト闘争の決意には 困難が多かった。だが民主労総中央委員会の決定により、 10月末から11月初めまでストライキ賛否投票を行い、 過半数以上の組合員が投票して可決した。

*特に軌道単位が難しかったようだ*

かなり無理があったのは事実だ。職権仲裁が入った事業場がストライキから 数ヵ月あとにまたストライキをするのは容易ではないことで、 ソウル地下鉄と都市鉄道は現場の弾圧も少なくなかった。それでも現場では 現在、非正規職改悪に多くの怒りが表われている。その結果、98の労組が 投票に賛同し、計68%が出席、65%以上がゼネスト闘争を決定した。 大衆的憤怒が十分に表出されたため、実質的にストライキ闘争に突入できる 労組を中心に連盟次元で最大限組織化に傾注している。 先ず、26-29日のゼネスト闘争に組合員が最大限動くことが関門だ。

*盧武鉉政権の新自由主義世界化攻勢が特定の産業、特定部門に向いているわけではないだろうが、公共部門への構造調整と生存権威嚇がさらに大きくなっている。連盟の主要事業場の闘争懸案や状況はどうか*

なによりも、夏のストライキ以後、軌道労働者は現場闘争を弛まず展開している。 88日間のストライキを行った大邱地下鉄労組も復帰以後、現場闘争を続けている。 また、来年1月1日からは国営鉄道から公営鉄道に転換する鉄道労組が 闘争を準備している。150日を超える占拠籠城とストライキ闘争を展開している 定立会館籠城は、連盟としても少しも退けない闘いだ。文化芸術労組 世宗文化会館支部の芸術公共性争奪闘争と施設管理労組、警察雇用職労組、 学校非正規職労組、勤労福祉公団非正規職労組などの非正規職闘争に 万全を期している。非正規職闘争を勝利に導くことが何より重要だと思う。 公共連盟で解雇者が出た所も1つや2つの事業場ではなく、 解雇者復職闘争も進行中だ。何個所という程度ではない。 ほとんどの事業場が闘争中だ。

*単位事業場に対する連盟の日常的支援はどうか*

一般的な闘争事業場に対する連盟の支援は、連盟組織力の整備過程とともに 推進しており、定立会館では連盟中央からも150日以上、籠城当直として参加し、 死守闘争を展開している。非正規職部門は他の連盟が包括できない 公共部門を中心に加盟を受けて支援している。

*公共連盟は今年の公共連帯活動に力を注ぐ等、新自由主義世界化攻勢に対する積極的な姿勢を示した。政策的側面で開放反対・公共部門私有化阻止を超える代案の水準で社会公共性拡張を強調しているようだ。連盟はどんな政策内容と基調を持っているのか*

今のように、公共サービス市場の開放速度が速くなると、 労働者に直接の構造調整の強風が吹き付けて、公共サービスの質は 低下するだろう。そのために公的領域を死守・強化することは退けない闘いだ。 労働組合運動の次元で社会公共性の争奪は、組合員だけの利害ではなく、 民衆全体の利害と噛み合っている。金大中政権の時から本格化した 新自由主義政策は、産業の全部門と社会全体を資本中心に再編した。 盧武鉉政権になって医療、教育、文化などの公的領域の基盤まで威嚇している。 公共連盟は、これまで私有化阻止と公共性拡大のために弛むことなく闘ってきた。 組合員の生存権の問題と同時に、民衆の生の基礎的な領域を守る闘いだった。 今後、資本の攻勢を正確に把握しつつ社会公共性拡大のための領域別の 議題開発と具体化作業を本格化しなければならないと考える。

*国会は労働法改悪立法を予告している。政府の態度に対してどう思うか*

盧武鉉政権は、上半期に大企業労組と民主労総に対する イデオロギー攻勢を強化したが、社会的交渉で手招きし、 民主労総指導部も歩調を揃えたという側面がある。 社会的交渉を推進したのに非正規立法を予告をしたことからも分かるように、 政権は労働運動をパートナーとは考えていないということが今一度確認された。 資本の要求による労働市場柔軟化政策の法制化の試みは、 総資本の総労働に対する直接的な攻撃であり、 労働市場秩序を根本的に変えようとする試みで、 10年に一回あるかどうかの挑発であり攻撃だ。

*民主労組運動がきちんと対処できなかったという指摘が多い*

労働運動陣営が資本の挑発の前に断固として闘争で対抗すべきないのに、 社会的交渉をめぐる内部の摩擦で数か月間苦しんだのは事実だ。 さらに夏の闘争で組織の疲労が増えたため、現在の労働法改悪局面を 正面から短時間に突破するのがたいへんだという側面がある。 だが事案の大きさを理解して、中央委員会と代議員大会を経て ゼネスト決議をし、賛否投票を通過させ、いま決戦を目前にしている。 いまは本当に重大な状況だ。

*10年に一回あるかないかの挑発だとまで言う理由はなにか*

結局、新自由主義世界化攻勢の全面化で、またそれに照応して 彼らの表現を借りれば韓国労働市場そのものを柔軟化することで、 私たちとしては労働運動自体が抹殺されることなのだから、 そう言わずにどう言えばいいのか。労働法改悪は、 この機会にはっきりと労組無力化を制度化するということだ。

*政府の一角では、現在提出された法案の留保か部分的な修正という話を流している*

公式には一度も確認されていない。留保でも修正でも、一考の価値もない。

*今年、正規職、非正規職の区別なく、民主労総の闘争が続いたが、政権の攻勢を效果的に防御して突破できていない。政府の対労働運動に対する戦術をどう考えるか*

これまでの政府の対労働戦術は、二大ナショナルセンターに対する 抱き込みと排除の戦略が大きな軸だった。 ところが、今年は民主労総内部を集中的に撹乱し、大工場の労組と正規職に 集中的なイデオロギー攻勢を繰広げた。下半期はますます多く出てきた。 盧武鉉政権は、単に民主労総内部を撹乱するばかりでなく、 労働運動全体を排除するという総攻勢を展開し始めた。 ところがここで注目すべき点がある。 盧武鉉政権の対労働戦術が変わった背景には、資本の状況がそれほど 切迫していることがあることを意味している。資本の危機がそのまま 労働者に対する攻撃として、法制化による柔軟化の完成につながっている。

*26日-29日のゼネスト闘争の展開によって、今後国会での立法に影響するだろう。今回のゼネスト闘争の政治的意味、労働組合運動の発展という文脈でゼネスト闘争が重要な意味を持つ*

今回のストライキで、新自由主義世界化の尖兵としての盧武鉉政権に対する 労働者の憤怒がどのように表出されるのかについては 連盟の委員長としてばかりでなく個人的にも大きな関心を持っている。 一方では笑いながら、一方ではナイフで刺す政権の二重的な態度に 明確に線を引くべきだ。未熟な期待は禁物だ。闘争を通して 私たちの要求を貫徹しなければならないことを 骨にしみるほど確認する過程になるだろう。 困難に直面する労働組合運動の跳躍の契機にすべきだ。

*盧武鉉政権は非正規法改悪ばかりでなく公務員法も強行している。教育特別法、企業都市法などの市場化開放化関連法案上程も予告されている。日韓FTAなどの自由貿易協定も急速に進められている。政府がそれだけ自信があるとも解釈できる。これが阻止できなければ今後労働者にどんな影響が及ぶか*

そんな仮定はしたくない。公共部門全体への構造調整の冷たい風が 予想されるからだ。今、政権の思い通りにすべてが貫徹されれば、 IMF救済金融以後、つまり97年以後約7年間に行なわれた構造調整の影響よりも、 これから2-3年で進められる構造調整の影響のほうが大きいと予想される。 公共部門の労働者の生存権は蹂躙され、 公共サービスの質が悲惨な水準に落ちるというのに、無駄なことを言っても しかたがない。

*鉄道労働者たちも闘争を準備している*

鉄道は、来年1月1日付で公社体制への転換が進められている。 体制転換による特別団交が問題で、それによる雇用問題が深刻な状況だ。 勤務体制の転換は、公共鉄道死守の問題につながる。 これも座視できない重大な問題だ。

*拘束を決意しただけに、現委員長としてゼネスト闘争に全力を尽くすということだが、今回のゼネスト闘争は連盟の選挙日程ともからむ*

優先順位を見るとゼネストが優先で、選挙は後でしかない。 26日-29日のゼネスト闘争だけでなく、連盟の選挙日程と政府の法案上程、 及び立法推進の日程がからんでいる。ゼネスト闘争過程で行われる 選挙人選挙でも、連盟の革新と統合をするために努力する。 だが、現場をまめに回るのは難しい状況だということを代議員と組合員も 理解してくれるだろうと信じる。今回のゼネストは民主労総の方針で、 その方針に徹底的に服務するために既に拘束の決意も語った。 主要連盟の委員長として、ゼネスト闘争を勝利する闘争にすることが 現時点で絶対の課題だと考える。

2004年11月22日21:37:09

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2004-11-23 23:45:38 / Last modified on 2005-09-05 08:16:21 Copyright: Default

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