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韓国:公務員労組組合員への政府の攻勢が極に
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「まさかはない」と政府、約束は守る

公務員労組組合員への政府の攻勢が極に

ユンテゴン記者 peyo@jinbo.net

ホソングァン長官、「まさかはない」

罷免、解任、告発、刃を振り回す行政自治部

全国公務員労組のキムヨンギル委員長がストライキの一時中断を公式に宣言した中で、 公務員労組組合員への政府の攻勢が極限に駆け上がっている。 「今回は‘まさか’はない」というホソングァン行自部長官の公言を守るかのように 公務員労組組合員への懲戒手続きが着々と進められている。

行政自治部は17日、ゼネスト関連の罷免、解任など、 重懲戒の対象を2,488人と集計し、このうち1,062人に対しては 懲戒委員会回付などの懲戒手続きに着手したと明らかにした。 また、その他の人員に対しても最大限迅速に懲戒手続きを進めるように 各地方自治体に指針を命令した。

これは、16日の午前にホソングァン長官の 「政府の方針により、15日午前9時に出勤しない人員は、 別途事由がない限り全員が懲戒の対象」という発言に含まれる 3,042人と較べると、500人程度少ない。 しかし行政自治部が地方自治体別のストライキ参加人員に対する 最終確認作業をすすめている状況を考えると、 さらに増える余地が十分にある。

一方、個別の地方自治体の懲戒委員会は、 要式的手続きになる展望だ。 行自部では重懲戒要求の原則は変わらないとしながら、 懲戒委員会で情状を参酌しても懲戒の程度を停職以下にはできないと 釘を打った。

また、民主労働党に所属する地方自治体長に対する刑事告発手順も進行中だ。 行政自治部は、蔚山東、北区の直属上級団体である蔚山市名義で東、北区庁長を 刑事告発することを推奨したが、政治的負担を感じたパンメンウ蔚山市長は いろいろな理由を挙げて行自部の要求を避けている。 行自部の関係者は蔚山市長が応じなければ長官名義で彼らを告発すると語り、 蔚山市に対しても特別交付金支援中断等の措置を行なうと刃を振りあげた。 この関係者は、連合ニュースを通して 「遅くとも今週末以前に告発問題に決着をつけられるようにする」と述べた。

自分の目の梁を見ず、他人の目の塵だけを見るようなもの

労働部のキムデファン長官も抜けることなく一役買っている。 キムデファン長官は17日の定例ブリーフィングで 「全国公務員労組のストライキについて重懲戒の方針に変わりない」と述べた。 全国公務員労組は労組ではないため、 公務員法により処理されるというのが政府の一貫した主張だが、 労働部長官が何の資格で重懲戒を語るのか理解できないという指摘がある。

またキムデファン長官は 「国民の支持を受けられない全公労の集団行動は無理なストライキだった」 と付け加えた。ところが去る11日に発表された世論調査結果によれば、 現政権に対する国政運営支持率は22.4%である。 これについて会社員のキムジヌァ氏は 「現政権の支持率が底であることを考えると、自分のことは反省せずに 公務員労組に対する国民の支持を話題にする長官の発言は、 自分の目の梁を見ずに他人の目の塵をみるようなもの」と厳しく忠告した。

チョンヨンセ院内代表の車両を強制停車・検問捜索に民主労働党が激怒

一方、民主労働党のチョンヨンセ院内代表の車両に対する 警察の強制停車検問捜索の波紋も一波万波に広がっている。 去る11月16日の夕方、汝矣島国会前でチョンヨンセ議員室の イソンニプ補佐官が運転していたチョンヨンセ議員の車両に、 ソウル警察庁の4機動隊に所属する警察20余人が一斉に駆け寄り 「全公労関連の手配車両なので捜索をする」と運行を防いだ。

運転中だったイソンニプ補佐官が 「民主労働党のチョンヨンセ議員団代表の車両で、自分は国会補佐官だ」と 公務員証を提示して車両捜索を拒否する意思を表明したが、 警察はこれを物ともせず威圧的な姿勢で捜索の意思を伝え、 結局、車両の捜索を強行した。 後で警察は「チョン議員の車に公務員労組の手配者が乗っているという情報を 入手し、やむをえず車両を捜索したが、チョン議員は乗っておらず、 手配者もいない」と弁解した。 公務員労組への政府の攻勢の程度を推察させる点だ。

現在、民主労働党は議員に対する国会出入妨害事件と イヨンスン議員に対する警察の暴行事件に続き、 警察の連続する遺憾の表示にもかかわらず今回の事件が発生したことに激怒している。 民主労働党は、警察次元の問題ではなく、 政権次元で民主労働党に加えられている政治的暴挙と規定し、 強く対応するという立場を明らかにした。 公務員労組ストライキ宣言の前から民主労働党舎に警察力が配置され、 出入する者と党役員への検問を行っている状況で、 今回の事件を黙過することはできないという意向と考えられる。

一方、海外を歴訪中の盧武鉉大統領が帰国する前までに 全国公務員労組キムヨンギル委員長を検挙しろという内部指針が 警察に下されたという証言が出ているが、 ブラジルを訪問中の盧武鉉大統領はブラジルのルラ大統領と会って 「私たち二人の政治経歴が似ている」とし、 「同じような労働運動の経歴と両国の民主化」をめぐり、 和気あいあいと談笑したという。

2004年11月17日17:09:51

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


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