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韓国:公務員労組と政府の対立極限に
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公務員労組-政府の対立極限に

週末に全国2万人が労働三権保障を要求…警察は194人を連行するなど摩擦深刻

9〜10日の全国公務員労組によるゼネスト賛否投票を控えた週末が過ぎ、 政府と労組間の摩擦が強まっている。

二大労総と公務員労組は6日、全国的に2万人の参加でソウルをはじめ 14地域で集会を開催した。警察は指導部逮捕組を編成する一方、 不審検問で集会に参加しようという公務員を連行した。

また、公務員労組の一部支部はゼネスト賛否投票を前倒しで強行し、 これらの支部に対して警察は押収捜索を行い、 組合員を拘束する等の強硬な対処方針を曲げなかった。

労働界、声をそろえて「公務員労働基本権保障要求」

ソウルでは、二大労総と公務員労組、民主労働党党員など、 1千人あまりの参加で午後3時に汝矣島国会前で 「公務員労働三権争奪二大労総決意大会」を開き、 公務員の労働三権完全保障を要求した。

イスホ民主労総委員長はこの日の集会で 「全教組結成当時、盧武鉉大統領は 『労働基本権は一つの権利なのだから三権に分けることも間違い』と批判したが 今はこれを弾圧する張本人」とし 「公務員労働者の運命をこんな無責任な政府に任せず、 私たち自身が闘争して勝ち取らなければならない」と闘争を督励した。

続いてイヨンドゥク韓国労総委員長も 「清潔な公職社会を作るために公務員労組が闘っているのに、 政府は一方的にこうした権利を奪っている」と批判し、 「韓国労総は、今回の闘争に公務員労働者とともに最後まで闘う」と約束した。

ミンジョムギ公務員労組副委員長は 「政府が労働三権を保障しないのなら、ゼネスト闘争にたたざるをえない」と あらためてゼネストを闡明し、 チョングァンフン民衆連帯議長とキムチャンヒョン民主労働党事務総長も 連帯闘争にたつことを明らかにした。

この集会には、ソウルなど公務員労組組合員200人あまりが参加したと伝えられ、 警察は「公務員の集会参加を源泉封鎖する」という方針により 集会場周辺に警察20中隊2500人あまりを配置、不審検問で4人の公務員を連行した。

また、公務員労組執行部を検挙するために 50人あまりの逮捕組を結成して集会場所周辺を取り囲み、 彼らの動きを監視した。それに対して民主労働党と民衆連帯会員およそ20人は 人権侵害監視団を構成して不審検問などの警察に行動に抗議した。

この他に、全国14地域でも同時多発的な 「公務員労働三権争奪のための集会」が開かれ、 全国的に警察との摩擦が絶えなかった。

特に慶尚南道地域の公務員たちは、 昌原市中央洞の中央体育公園で集会を開催した後に道路を占拠、 1時間ほどデモを行って警察と衝突した。 警察はこれに先だち、集会に参加しようとしていた巨濟市の公務員21人など、 11市郡の公務員70人あまりを連行した。

また、全南本部所属公務員と労働者などおよそ千人も、 警察の源泉封鎖によって集会場所を当初の光州東区錦南路から 朝鮮大野外劇場に変更して集会を開いた後自主解散した。 江原地域の公務員も、春川市三遷洞のコンチ川野外音楽堂でおよそ400人の参加中で 警察の源泉封鎖を突破して集会を開催した後、 警察の強制解散に対して1時間ほど激しい体当たりを行った。

大邱・慶尚北道地域と済州地域も 各々およそ100人と200人の参加で慶北大民主広場と済州市庁前で集会を開いた。 この他に全羅北道、忠南地域本部でも各々集会が開催された。

警察はこの日に全国で開かれた公務員労組の労働三権争奪決意大会で 194人を連行し、このうち168人を帰宅措置したと明らかにした。

一部の支部でゼネスト投票操り上げ実施…警察と摩擦

週末と休日、公務員労組の一部の支部ではゼネスト賛否投票を 予定より操り上げて実施しようとしたが、これを阻止しようとする警察と 大きな摩擦が発生した。警察は「ゼネスト投票を事前に無にする」という 政府の方針によって、公務員労組組合員を連行し、 労働界の大きな反発をかっている。

公務員労組の谷城支部は6日、谷城郡竹谷面など管内面事務所で ストライキ賛否投票を実施し、警察と摩擦を生じた。 谷城支部企画部長チョ某(36・8級)氏と次長の金某(24・9級)氏は この日の午前9時から50余分にわたり管内モクサ洞とチュッコク、石谷面など 3面で公務員39人に対して賛否投票を実施していた現場で検挙され、 同支部政策部長のファン某(41・7級)氏と渉外部長朴某(42・7級)氏も 同じ嫌疑で連行された。

警察は谷城支部で投票箱2個と記票された投票用紙39枚を含む 投票用紙93枚を押収して行った。

警察関係者は「検挙された幹部から投票経緯などについて調査しており、 上部の指示を受けて身柄を処理する方針」と話した。

また、警察はゼネスト賛否投票が実施されたという情報により、 公務員労組支部事務室2か所に対する押収捜索を強行した。 ソウルの江西警察署は6日夜11時頃、江西区庁江西支部事務室への 押収捜索令状の発行をうけて賛否投票計画書と投票人名簿などの 関連書類とハードディスク四台、CD4枚など26種74点を押収した。

また、済州西帰浦警察署も7日の午前7時頃、 西帰浦市庁の西帰浦支部に対する押収捜索令状執行を実施した。

警察は、江西支部長と済州西帰浦支部長など公務員労組関係者6人に対して8日までに 警察に出頭するようにという出席要求書を発送したと明らかにした。

しかし公務員労組釜山地域本部傘下の組合員は、 政府の強硬対応方針にもかかわらず争議行為賛否投票を中断せず進めた。 釜山地域本部傘下の市支部は投票に先立ち、8日の午前、 市庁広場で指導部検挙令撤回と賛否投票妨害中断を要求する記者会見を開き、 賛否投票を計画通り推進する方針を再闡明した。

釜山鎭区、西区などの一線基礎自治団体公務員の労組も投票所設置をはじめ、 一部の投票箱を室・課をまわって行われる巡回投票などで摩擦を減らす一方、 争議行為賛否投票を積極的に進行するようにした。

ゼネスト控えて労政間摩擦一層強まるもよう

これと共に公務員労組は6日の午前10時、 ソウル地方警察庁のホジュニョン長官と ソウル地方警察庁キムサンファン警務部長を 警察官職務執行法違反罪、職員乱用罪、不法逮捕・監禁罪などの嫌疑で ソウル地方検察庁に告発した。

公務員労組は「10・31の公共労働者決意大会に関して、 集会場に直接参加せず電車の駅など周辺にいた公務員労働者に対し、 集会への参加が確認されない状態で警察は不審検問により一方的に連行した」 と彼らに対する処罰を要求する等、本格的な対応闘争を始めた。

また、労組はゼネスト投票成功のために投票場封鎖、投票箱撤去などに対応して 死守隊結成や退勤後の外部集結地投票など、最善を尽くすという方針だ。

しかし、政府は公務員のストライキ賛否投票参加を服務外の集団行動として 司法処理の対象だと規定し、参加者に対する懲戒とともに 刑事処罰を並行する等、厳しく対処するという強硬方針を繰り返し明らかにしている。

特に行政自治部は、自治団体長が選挙などを考慮して、 微温的に対処すれば、該当地方自治体に対して特別交付税支援の中断など、 行政・財政的不利益を与える等の対策の準備を進めている。

これに対して公務員労組の関係者は 「投票箱奪取などに対する対策を用意する等、 政府の弾圧と妨害にも組合員の意思を集めて力強く抵抗して行く」と話した。

キムボンソク記者 seok@labortoday.co.kr 2004-11-07 午後6:22:19入力 (C)毎日労働ニュース

原文

翻訳:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2004-11-08 03:19:58 / Last modified on 2005-09-05 08:16:18 Copyright: Default

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