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[韓半島討論会](3) - 『韓米関係の批判的検討と新版作り』
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「虚構的恩人論、恩返し論を振り切って、韓米友好親善協力関係を」

[韓半島討論会](3) - 『韓米関係の批判的検討と新版作り』

チョ・シネ記者 shin@jinbo.net

カンジョング東国大教授は「韓米関係の批判的な検討と新版作り」という題名 で、韓米同盟が持つ根本的な問題と、韓国に存在する韓米同盟擁護論の虚構性 を批判し、最近変化している韓米軍事同盟の問題とその代案の摸索について発 表した。カンジョング教授のこの日の発言は、最近議論になっている教授の他 の文とほとんど同じ内容で、この日の討論会の後に再び保守言論の集中砲火を 受けている。

カンジョング教授は、「今年は解放60年、分断60年、駐韓米軍駐留60年、韓米 同盟60年の年」とし、「やみくもに続けてきた韓米同盟、駐韓米軍から脱して 根本的に評価しなおし、再検討し、今後どんな方向に持っていくかを考える時 点」という言葉で発表を始めた。

カンジョング教授は「韓米同盟には未検証の通念が存在する」とし、「外交、 軍事、経済などのすべての領域で米国との緊密な関係が必要であり、これが国 益に役立つのだという通念、それとは別に韓米同盟は典型的な反民族性、隷属 性、反平和性、盲目性、朝鮮戦争恩返し論的捕虜性、反統一性が、本質的な属 性になっている」と主張した。

「崇米自発的な奴隷主義根性を捨てろ」

特に彼は『崇米自発的奴隷主義根性』という表現を使い、韓国の外交安保官僚 の対米関係での取る隷属性と盲目性を強く批判した。カンジョング教授はその 例としてイラク派兵問題をあげ、「駐韓米国大使が『韓国の自由と独立を守っ てくれた』米国が困難な状況だから、韓国が助けなければならないという恩返 し論を持ち出し、経済副総理、国防長官、外交通産長官、駐米大使、統一部長 官がまるで脚本があるかのように相次いで派兵賛成または早期派兵論の事大主 義合奏曲を歌いまくった」とし、「結局、参与政府はその年のAPEC首脳会談で ブッシュに会う直前に派兵を決定した」と指摘した。 また龍山基地移転交渉で外交部と国防部交渉官僚が「盧武鉉大統領やNSCは反 米主義者だから、この問題への介入を最小化させる」ことを前提とする基調に して米国との交渉に臨んだのも、自発的奴隷主義の根性を見せる端的な例とし て提示した。

米国が6.25戦争で韓国を助けたという『恩人論』と『恩返し論』の虚構性につ いて、さらに強く批判した。カン教授は「戦争のために生命を奪われた4百万 人のほとんどにとって、米国は命の恩人ではなく命を奪った敵」だと主張し、 「もし他国の内戦に米国が介入していなければ、戦争は1ヶ月で李承晩政権の 敗北に終わり、死傷者は1万人にも満たなかっただろう」と主張した。

続いて「米国が勝手に韓半島に38度線を引いて解放空間を二分しなければ、わ れわれは民族分断と戦争という民族の悲劇と苦しみを味わわなかったのではな いか? そして6.25という統一内戦に、外国軍である米国が介入しなかったとす れば、これほど多くの戦争被害があっただろうか、民族が今も分断されていた だろうかという本質的な問題が提起されなければならない」と主張した。彼は また、南北連席会議と6.25戦争、7.4共同声明と6.15共同宣言などの南北和解、 協力、平和、統一の局面ごとに米国が邪魔し妨害してきたと指摘し、韓米同盟 の根本的な新版を作りなおせと声を高めた。

「駐韓米軍が撤収すれば外国資本の韓半島投資はさらに活気を帯びる」

カンジョング教授は、韓米同盟擁護論の根拠はすべてが虚構だと批判した。 「北朝鮮の戦争威嚇論の歴史的真実は、米国の戦争威嚇論だ」とし、韓半島で の11回の戦争の危機のうち、9回は米国によると指摘して「南が北の軍事力を 凌駕する過剰な抑止力を持ったため、南韓軍劣勢論は一種の詐欺行為」だと主 張した。東北アジア勢力均衡論も、韓米日の軍事費4700億ドルに対し北朝鮮、 中国、ロシアは600億ドルに過ぎずに虚構であり、東北アジアの平和と勢力の 均衡のために駐韓米軍は撤収されるべきで、韓米、日米同盟は解体すべきだと 主張した。

カンジョング教授は『経済実利論』を批判して「韓米関係は軍事同盟から脱し、 ロシアや日本とのような友好親善協力関係に変えられる、駐韓米軍が撤収すれ ば、韓半島はむしろ長期的な平和が保障されるため、韓半島への外国資本の投 資はもっと長期的で安定的な投資になり、活気を帯びるだろう」と話した。こ れは、新自由主義と世界化の属性だという話と一緒であった。カン教授の発言 には価値判断は含まれていないが、韓米同盟擁護論者の言葉と違い、超国籍資 本の利害と現在の米国政府の利害は異なるため、彼らの主張に反して駐韓米軍 が撤収すれば、むしろ資本の投資が活発になるという話だった。

「現在の駐韓米軍再編は、第2の日清戦争を誘発する可能性がある」

続いて彼は韓米同盟の根本的な転換につながる最近の情勢について、現在の方 向は前よりもっと退行的だと批判した。カンジョング教授は、駐韓米軍が迅速 機動部隊を中心に再編され、平沢基地を中心に再配置されていることについて 「今、韓国軍が韓半島を専門に担当し、駐韓米軍は東北アジア、地球村水準の 迅速機動部隊として再編されている。こうした駐韓米軍の地位の変化は防衛領 域内同盟という性格を持っていた韓米軍事同盟を、侵略的な域外同盟に変えた」 と指摘し、「これはたいへんな歴史の異常な進行」と主張した。

カン教授はまた駐韓米軍の転換は「第二の日清戦争への誘発性に直結する」と 主張した。彼は「反国家分裂法を通過させた中国は、台湾が独立を宣言すれば 直ちに武力侵攻するだろう。米国はすでに中国全土を攻撃する全面作戦を樹立 しているが、このような米国の最前方基地は平沢になる。中国はワシントンの 前にここを攻撃するだろう。それを念頭に置くべきだ」とし、「これがすなわ ち第二の日清戦争で、これが韓半島で起きる」と主張した。カン教授は「もち ろんその可能性は高くないが、これがまさに駐韓米軍の属性だ」と付け加えた。

カンジョング教授は、「韓米同盟を撤廃して駐韓米軍を撤収させる韓米関係の 新版を作り、米国の帝国主義的なくびきからはやく抜け出さなければならない」 と話し、「さらに平和統一の時代にふさわしい民族協調と日米非同盟中立の位 置で東北アジアの均衡者と平和調停者の戦略を駆使し、東北アジア共生構造を 創り出すべきだ」という主張で結論を結んだ。彼は、「韓米関係を完全に断絶 しようというのではない」と強調し、「私たちが進むべき方向は、韓米友好親 善協力関係、換言すれば軍事的同盟ではない経済的関係を維持する関係だ」と 主張し、「このような隷属的な韓米同盟はもうこれ以上容認すべきではない」 と繰り返し強調した。

2005年10月04日5時09分

原文(チャムセサン)
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