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人物/話題446号 発行日2006-01-18

作成日:2006-01-18管理者

[インタビュー] 2005 『今年の独立映画』 〈土方〉を作った金ミリェ監督

「非正規職問題を体で体験しなければ」

韓国の社会の底辺に深く根差す非正規職問題。その末端には、建設現場で肉体 労働をする日雇い労働者の生がある。そしてそこにはわれわれのお父さんたち がいる。

昨年、韓国独立映画協会が今年の独立映画に選定した〈土方〉(金ミリェ監督) には、韓国と日本で土方暮らしをする労働者の人生が余すところなく表われて いる。そして作品には、金監督の父の人生も入っている。1月14日、ソウル市 弘済洞の金ミリェ監督の自宅で〈土方〉を共に見て、ドキュメンタリーについ ての因縁を聞いてみた。

「父は長い間土方仕事をしてきたのに、突然IMFの時雇用がなくなって、ある 日、路上生活者になると言われて衝撃を受けたことがあります。何がこんなに 私の父を疲れさせたのかを悩み、このドキュメンタリーを始めました。」

〈土方〉は、日雇い労働者たちが現場でどんな生活をしていて、賃金未払いの 後、彼らはどんな闘いをしているのかを淡々と描く。

「現場に行くと、日雇い労働者の福祉施設は想像できないほどみじめでした。 ちゃんとしたお手洗いがある所は一つもなくて、シャワーなどは思いもよりま せん。その上、賃金不払いはますます増えている状況です。」

金監督は建設日雇い労働者たちの生が疲弊せざるをえない原因は、複雑にから んだ建設業の構造だという。派遣先から続く専門業者、その下の下請けなど、 終わるところなく続くピラミッド構造の実体がそれだ。

その例として金監督は日本の事例をあげて、行くほどに深刻化する堅固なピラ ミッド構造は、いつか日本の建設日雇い労働者の街である釜が崎のように、 野宿者の街を量産すると主張した。

「釜が崎の建設日雇い労働者たちは、通りにブルーテントを張って野宿生活を していますが、数千名が仕事場を見つけることもできずに一日一日を生きていっ ているのです。派遣先から下請けにつながるピラミッド構造を改善しない以上、 いつか韓国でも野宿者の街ができるでしょう。」

97年以後、持続的に非正規職問題に関心を見せてきた金監督は、特に放送局が この問題を積極的に扱うことを要請する。

「私は、今まで一人でこのようにして非正規職問題を扱ってきました。その間、 困難も多くありました。脅されたり、告訴告発でカメラを壊されたりしました。 それでも放送局が出てくると、そんな脅しはなくなるような気がします。望む ことは放送局には多くの人材があるでしょう。記者やPDなどがこの問題に関心 を持つなら、いくらでも情報をあげます。表面的に非正規職問題を扱うより、 現場で体で体験すれば良い番組ができると思います」

金グアンソン記者

原文

翻訳/文責:安田(ゆ)


Created byStaff. Created on 2006-02-23 11:25:17 / Last modified on 2006-02-23 11:25:17 Copyright: Default

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