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進歩陣営はなぜ民主労働党に背を向けたか

『死票論』さえない大統領選挙、権永吉惨敗の理由は

イ・ユノン記者 sisyphus@jinbo.net / 2007年12月19日22時52分

民主労働党の権永吉大統領選候補は、今年の大統領選挙で3%の得票率を得た。 惨敗だ。当初の目標だった10%得票率達成、最低300万票獲得に遥かに及ばない。 16代大統領選挙と較べると得票率は似ているが、今年の大統領選挙の低い投票 率を考えると、得票数は70万票で、100万票に迫った以前の大統領選挙より低調 な成績だ。

大統領選挙の終盤まで、権候補の支持率は2%台から上がる兆しを見せず、民主 労働党は「家のウサギでも捉えよう」と、民主労総、全農、全貧連などの大衆 組織攻略をした。今回の大統領選挙の結果は、それさえ思わしくなかったこと を示す。その上、今年の大統領選挙はハンナラ党の李明博候補の独走により、 いつもの『死票論』さえない選挙であった。

12月10日、ノ・フェチャン共同選対委員長は「李明博ハンナラ党候補の『BBK攻 防』等で政策選挙が失踪し、来年の総選挙を見据えた候補の乱立と単一化の未 完成で関心が分散したため」と不振の原因を測った。一理ある指摘だが、それ だけで進歩陣営の支持が得られなかった理由のすべてを説明できない。権候補 があれほど熱望した『100万民衆大会』の『100万』はどこに散ったのか。

『元祖進歩』権永吉は、なぜ『見せかけ進歩』のムン・グキョンに遅れをとったか

権永吉候補は10月14日に選対委を発足させ、傘下機構に非正規職撤廃運動本部 を設置して自分が直接委員長を担当、『非正規職候補』だと表明することに努 めた。また、来年の総選挙で『非正規職比例代表』選出を電撃的に提案して、 実際にこれを貫徹させることもした。非正規職一時的業務制限使用、派遣労働 廃止、特殊雇用職労働三権保障など、彼が提示した非正規職解決法は主要大統 領選候補6人の中で一番急進的だった。

それなのに、彼は『850万非正規職』の心をつかめなかった。その代わりに権候 補は『優しいCEO』、ムン・グキョン候補に非正規職問題を完全に先行獲得され た。ユファン・キンバリー社長出身という背景に、労働時間短縮、4組2交代制、 生涯学習体制など、斬新性と進歩性を含む公約は、『ムン・グキョン現象』を 作り出した。『政治入門3か月』のムン候補は、支持基盤である市民陣営だけで なく、進歩陣営も吸収して5.8%の得票率をあげた。

権候補がムン候補との差別化戦略に成功できなかった結果だった。「企業経営 と非正規職問題で、視点が似た部分が多い」という権候補の発言は、自ら失敗 を招く手法だった。ノ・フェチャン共同選対委員長は10月に「ムン・グキョン を『親ネズミ的猫』とだけ言うのも苦しい」と吐露したことがある。労働階級 をネズミ、資本階級を猫に比喩した表現だ。新自由主義勢力が多元化し、いわ ゆる『新自由主義左派』の登場に対する民主労働党の悩みがよく表われている。

『旬が過ぎた』大衆動員と政派対立

大統領選候補に選出された後、1か月近く支持率の低迷が続いた権候補は、 『100万民衆大会』で突破口を作ろうとした。韓米FTA阻止、非正規職撤廃、サ ムスン秘密資金問題解決などの議題を掲げる『反新自由主義戦線』で基層民衆 の支持を得る意図だった。しかし結果として11月11日には100万は集まらず、そ の後、権候補の支持率は2%台で底を打った。

大衆組織上層指導部を中心とする『上からの』古い大衆動員方式が、もはや通 用しないことの反証だった。民衆大会組織の中には候補の独断的な決定で全国 巡回が進められ、党は破裂音を出した。党地域委で何の準備もできず、各地域 の訪問日程は前日の夕方か当日の午前に急造され、「候補1人で1人デモする」 という冷笑と不満が党内から出てくることもあった。

競選時期からの政派問題も、大統領選挙の最後まで権候補に食い下がった。競 選で権候補を組織的に支持した自主派は、選挙の間ずっと影響力を行使して対 立の火種を提供した。自主派が『コリア連邦共和国』を主なスローガンに決め ることを押し通して、党はしばらく産みの苦しみを味わうことになった。『コ リア連邦共和国』と印刷された2千万ウォン相当の選挙ポスターの大量廃棄とい う事件もあった。

政派の対立による消耗戦で、権候補と民主労働党は争点である統一分野などの 公約を知らせる機会を失った。聖公会大のイ・グァンイル教授(政治学)は、 「現実からかけ離れた民族主義論争で民主労働党の支持者だけでなく、党に関 心のある多くの人々が食傷を感じて脱落していった」と話した。

民主労働党はどこへ?

大統領選挙以後、民主労働党は荒波に包まれる展望だ。大統領選挙の過程で自 主派への不満が最高潮に達した党内左派を中心に、『分党論』がもちあがって いる。今年は座礁したが、進歩大連合による外縁の拡大と進歩新党の創党も、 有効なカードだ。

今後の進路に対する主張は交錯しているが、「このままではだめだ」という切 迫感は政派を問わず党内に共通する認識だ。党の民主的運営を妨害する慢性的 な政派問題の解消、『大企業-正規職』中心政党から抜け出すための非正規職の 抱き込みが、彼らの主張する『党の革新』の要諦だ。

しかし、『党の革新』だけでは一掃できない課題も残る。『新自由主義左派』 指向の『ムン・グキョン政党』と差別化して政治的な鮮明性を浮上させられな ければ、来年の総選挙でも位置づけは保証できないということだ。『元祖進歩』 では、もはや大衆に受け入れられないというのが今回の大統領選挙の民主労働 党への教訓だ。

http://www.newscham.net/news/view.php?board=news&id=42013原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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Created byStaff. Created on 2007-12-27 15:30:07 / Last modified on 2007-12-27 15:30:08 Copyright: Default

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