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民主労働党「進歩大連合」初の公開討論会

早ければ26日中央委で選挙連合など案件提出予定

イ・ユノン記者 sisyphus@jinbo.net / 2007年05月18日14時47分

党内外の最大問題の「進歩大連合」に対して民主労働党としては初めて公開 討論会を開いた。

民主労働党大統領選挙準備委員会は17日「大統領選挙・総選挙勝利のための進 歩大連合実現方案」を主題として党内の公式討論会を開催した。討論者は、ソ ウル市党のチョン・ジョングォン委員長、ソウル市中区のキム・インシク委員 長、チョン・ソンヒ前機関紙委員長、ユン・ヨンサン前政策委員会副議長、イ・ ヨンヒ民主労総政治委員長、パク・ミヌン全国農民会総連盟(全農)政治委員長、 イ・ジョンオク全国女性農民会総連合(全女農)政治委員長で、党内組織別立場 を代表する人々で構成された。

これに先立って大統領選挙準備委員会はこれらの討論者と二度にわたり、非公 式な対談を進行したという。司会をしたキム・ソンジン大統領選挙準備委員会 対外協力委員長は「対外協力任務のうち一番上が進歩大連合実現だと思う」と し「委員長職を任命され重大な任務を担当し、万感が交錯した」と複雑な心境 を伝えた。それだけ進歩大連合が党内では敏感な事案だという反証だ。

「進歩大連合で党が分裂することもあり得るので」人にも公式に会ったことが なかったというキム・ソンジン委員長は「進歩大連合推進は党内合意できなけ れば一歩も出て行けない状況」という言葉を二回繰り返し、「進歩大連合と進 歩陣営単一候補実現のために党員の意見を積極的に聞く」と話した。

この日の討論者は進歩大連合の必要性と基準および連合範囲などについて意見 を述べた。進歩大連合に賛成する討論者は、△進歩連席会議による選挙連合、 △反韓米FTA選挙連合、△大統領選挙協調宣言後に政治交渉など多様な方案を 提示したが、合意点に至らなかった。イ・ヨンヒ政治委員長は「民衆参加選挙 戦制(民衆選挙戦制)」再推進を、ユン・ヨンサン前副議長は進歩大連合議論自 体に対して否定的な立場を表明した。

まとめの発言でキム・インシク委員長は「選挙連合の時計は党内でも霧の中」 とし「言葉では表現されないが、互いに対する政治的な疑いが実際に作用して いる」と述べた。大統領選挙準備委員会は、来る19日に開かれる非公開討論会 で進歩大連合に対する草案を作成する計画だ。これを土台に来る26日の中央委 員会でも次の中央委で進歩大連合の具体的な基準と方式を案件で提出するとい う目標をたてている。

「『民主労働党第二中隊党』も検討可能」

党内の自民統系と言われるチョン・ソンヒ前機関紙委員長は「大統領選挙勝利」 の条件として、△韓米FTA闘争、△民衆参加、△進歩大連合を掲げた。進歩大 連合に対しては、望ましい方式の順で、△進歩新党創党、△選挙連合、△政策 連合を提示した後、「今年の大統領選挙で進歩連席会議を構成し、最小限選挙 連合形式の進歩大連合を実現しなければならない」という目標を明らかにした。

チョン・ソンヒ前委員長は「民衆参加形式の進歩大連合はしないでも良いが、 違うといわなければ危機だとすれば飛躍」とし「盧武鉉政権とヨルリンウリ党 に失望して背を向けた国民層を引き寄せられなければ、中道改革勢力と分派が いわゆる新批判的支持をかかげて、私たちの菜園を攻略するだろう」と警告した。

進歩大連合の前提に対して「韓米FTA闘争を抗争水準に押し上げるのにすべて の力を集中しなければならない」と言及し、「進歩総集結に最高の好材料とし て進歩大連合での民衆参加を保障する有力な方案にもかかわらず、党代表の断 食以後、中央党で何のプログラムもない」と党の粗雑な対応を批判した。

また「民衆の自主的参加方案をあちこちで講じなければならない」とし「最高 に良いのは党大会を再招集して、民衆選挙戦制に力をつける方法だが、次善策 を用意しなければならないだろう」と話し、民衆選挙戦制に対する残念さを示 した。

チョン・ソンヒ前委員長は、進歩大連合の範疇として△新自由主義反対、△自 主的対北朝鮮政策、△帝国主義に対する自主的態度、△国家保安法撤廃など、 一般の民主主義に対する意志を問いつつ「私たちがまっすぐ頭をあげ、視線を 高めれば真正性がないと思われる。既存の政界や改革的市民団体は無条件にだ めだという姿勢を捨てよう。政治団体も、左は社会党、労働者の力から、右は 未来構想左派まで開いて調べよう」と話した。

チョン・ソンヒ前委員長は進歩陣営が攻勢的態勢を備えよと力説しながら「必 要なら未来構想を私たちが破ることもできる、分裂させることもできると思う。 進歩陣営が用意周到で攻勢的に対応すれば『民主労働党第二中隊党』を作るべ きだという点を強調したい」と話した。

この日の討論会では180余人の人波がおしかけ進歩大連合に対する党内の関心を見せた。

「ハンナラ党は4度も変えたのに私たちはなぜだめか」

民主労働党が党大会再招集を拒否し、民衆選挙戦制が失敗に終わる危機に処し、 イ・ヨンヒ民主労総政治委員長は発言中「苦しい」という言葉を3度も使って 苦しい感情を隠さなかった。

イ・ヨンヒ政治委員長は「大統領選挙というとても良い時期に、出しても遜色 ない良い候補がなぜ4ケ月(民主労働党選挙戦が9月にある) も時間を浪費する のか。確かな支持基盤作りのために100万人を対象に事前選挙運動をしようと いうのに受け入れられず、民主労総は苦しい」と憤激を爆発させた。

「民主労総が現場で選挙運動に積極的にでてくれることができないか」という チョン・ジョングォン・ソウル市党委員長の注文に、イ・ヨンヒ政治委員長は 激昂した語調で「選挙法上、可能な選挙運動はせいぜい候補の名刺を配る程度。 (民衆選挙戦制をすれば)祭りのような選挙運動ができるのに、それはせずに小 銃を持って選挙運動をしようと言うのなら、そんなバカな運動がどこにあるか」 と反論した。

討論者の多くが提起した進歩大連合に対しては「容易ではない」と否定的な立 場を示した。進歩陣営単一候補を直接投票で選出するためには「ペーパー政党」 を作って民主労働党大統領選候補が党を離党してペーパー党に合流する手順を 追わなければならないという。

イ・ヨンヒ政治委員長は「開放型選挙戦制の否決以後、民主労総で進歩大連合 推進から急旋回した」として「ラクダが針の穴を通過する不確実性で大統領選 挙には臨めないと判断したため」と明らかにした。

続いて「韓国労総が組合員総投票を二回行う間、民主労総が大統領選挙で指を くわえているのにこれは心配ではないか」とし「現実に可能な議論をしよう。 ハンナラ党も(選挙戦ルールを)4度も変えたのにわれわれは一度も変えられな いのか」と話し、民衆選挙戦制の再推進を再度強調した。

一方、進歩大連合の基準に対しては「包括的で抽象的な概念を使ってはいけな い」と釘をさしながら、「新自由主義反対の代わりに非正規職法反対と韓米 FTA反対、韓半島(朝鮮半島)平和と戦争反対の代わりに615共同宣言履行のよう に、具体的で狭く、明確な基準を定めれば良い」と伝えた。

「社会党、労働者の力、選挙独立防げ」

党内左派指向の意見グループ「前進」に身を置くチョン・ジョングォン・ソウ ル市党委員長は「労働者庶民中心の進歩的代案を推進するすべての政治勢力と 大統領選挙協調に乗り出すことを大衆に公開的に宣言しよう」と提案した。

連合範囲に対しては「左は社会党、労働者の力から右は非ヨルリンウリ党改革 政治勢力」と規定する一方「チョン・ソンヒ委員長のような方のために批判的 支持の亡霊が出てくるということ」と直説批判もした。

チョン・ジョングォン委員長は民主労働党がヨルリンウリ党との差別性を大衆 に知らせることができず、「一緒に上昇、一緒に下落」した支持傾向に対する 根絶と、「進歩」のアイデンティティーを明確にしながら、執権のために外部 勢力を糾合しようと努力する姿勢を見せるべきだという根拠で、進歩大連合の 支持者と認識を共にした。

しかし「党の独自性に基づかない連合は野合」とし「進歩大連合で度量が大き いことが積極的で、難しい基準を突きつければ消極的という偏見を壊さなけれ ば、進歩大連合はできない」と釘を刺した。

チョン・ジョングォン委員長は既存の政界に門戸を開放しなければならないと いう立場に対し、「過去を問わず合意できる権限は私たちではなく大衆にある」 とし「キム・グンテ・ヨルリンウリ党前議長が過去と断絶して連合するのは大 衆に対する説得力がなければ不可能だ。そうでなければ『ヨルリンウリ党と区 別できない民主労働党』を繰り返すこと」と警戒した。

続いて「未来構想に候補があるのか、社会党、労働者の力に候補がいるのかと いうことも重要だが、彼らが私たちと連帯する意味は、未来構想が右傾化し、 旧与党に行くことを防ぎ、社会党と労働者の力などの非民主労働党勢力が独立 して別途に選挙を行うことを防ぐこと」と明らかにした。

チョン・ジョングォン委員長は「代議員大会を開いて大統領選挙協調に対する 対国民的立場を表明し、さらに大統領選挙協調を土台に進歩統合新党を作ろう」 とし、△5〜6月大統領選挙協調宣言、△7〜9月選挙連合連席会議構成および政 治交渉開始、△9〜10月単一候補組織化過程および大統領選挙対応体制整備など の具体的段階を提示した。

討論者の発言を聴く党員。席が足りず、あちこちに人々が立っている。

「金持ちの家が没落すれば、その金が自分の金になるのか」

党内左派指向意見グループ「革新ネットワーク」のユン・ヨンサン前政策委員 会副議長は、討論者のうち進歩大連合に対して最も否定的な意見を示した。ユ ン・ヨンサン副議長は「民主労働党の中心性強化が現実的で実現可能な方法」 と話し始めた。

進歩大連合の支持者の「ヨルリンウリ党に失望した国民を抱き込めば、執権に 成功できる」という論理に対して、ユン・ヨンサン前副議長は「金持ちの家が 没落して燃やされているのに、その上に金が空を舞うのを見て『あの金は私の ものだ』と言うように、陶酔した考えではないのか」と批判した。むしろ「私 たちの党の能力を拡大して大衆にアピールする機会を放棄し、進歩大連合に虚 しく歳月を送っているのではないのか」を自省すべきだという。

ユン・ヨンサン前副議長は「民主労働党が大統領選挙で100万票を超えられな いというのが専門家の大まかな展望で、韓米FTA反対の世論も一時は40%まで沸 き上がったが、実際の闘争は熱くなかった」とし「現実を直視して出発地点を 明確にしなければ、10年間積み重ねた民主労働党という資産を失い、空っぽの 土地で慟哭する結果を持たらす」と警告した。

続いて「韓米FTA阻止汎国民運動本部(汎国本)を巻き込む進歩大連合はレトリッ クに過ぎない」と批判し、「本当に韓米FTA国会批准を止めようとすれば、汎 国本が政治的に自由にできるようにして、もっと多くの政治勢力を引き込むよ うにしなければならない」と指摘した。

ユン・ヨンサン前副議長は「2004年の院内進出成功以後、報道機関と大衆の期 待に相応できなかったことに対する冷静な評価なく、無条件に外縁の拡大を議 論してきたことを反省しなければならない」とし「選挙戦よりは本戦の過程に 集中し、すべての国民の目と耳をひきつけるTV討論で民主労働党だけの問題意 識を提起して、それを極大化する勢力を育てなければならない」と明らかにし た。

民衆選挙戦制に対しては「民衆選挙戦制の本来の趣旨を生かす方向で党員の直 接選挙制を補完、強化しなければならない」とし「排他的支持団体と非党員の うち民主労働党に友好的な国民を選挙戦過程に巻き込む方案を積極的に模索し、 至急、代案を用意しなければならない」と伝えた。

「韓米FTA闘争は『政治的クリーム』」

党内意見グループ「タハムケ(All Together)」に所属するキム・インシク中区 地域委員長は、反韓米FTA選挙連合による進歩陣営選挙連合を主張した。ハン ナラ党の泥仕合と旧与党の離合集散をはじめ、主流政界の危機が高まる状況で、 党が進歩的代案を要求する「改革念願大衆」を正しく抱き込めずにいるという 分析からだ。

キム・インシク委員長は「改革念願大衆」の性格を、△未組織非正規労働者や 疎外階層、△急進的要素と保守的要素が混在されたまま、民主労働党とNGOを 含む多様な進歩政治的要素を折衝した状態と規定した後、「政策宣伝だけでは 限界がある。彼らの政治勢力化のための果敢な戦術で選挙連合が必要だ」と主 張した。

続いて「指導部の政治工学ではなく、反戦反新自由主義運動を土台に選挙連合 を建設しなければならない」とし「韓米FTA反対運動を中心に『反韓米FTA選挙 連合』を結成すれば、30〜40%に達する韓米FTA反対世論を民主労働党支持勢力 に引いてこれる」と話した。しかし「民主労働党の中心性が選挙連合の前提条 件に映ってはいけない」と線を引いた。

キム・インシク委員長は、韓米FTA反対運動を「ケーキ」に喩え、「韓米FTA反 対運動にとっては単なる貿易問題だけでなく、韓国社会の制度と慣行、法、経 済モデルなどに対する総体的な立場を要求し、相当な水準の政治的な濾過機能 をする『政治的クリーム』がある」と明らかにした後、「韓米FTA反対という 『政治的クリーム』で選挙連合をした後、戦争問題や民主主義実現、国家保安 法廃止などの具体的な事案に対する選挙綱領を作っていかなければならない」 と明らかにした。

韓米FTAを中心にした選挙連合が「批判的支持の亡霊ではないか」という指摘 については「最近キム・グンテ、チョン・ジョンベ議員が韓米FTAに対して過 去と異なる立場を出しているのは事実だが『新自由主義反対』に政治的基盤が 移動したと見るのは難しい」とし「これらの政治家が大衆に流布する政治的な 幻想に対抗するために、大衆と接点を作っていくという趣旨で選挙連合が提起 されるだろう」と反論した。

キム・インシク委員長は選挙連合に対して「成功の可能性が高いから始めるわ けでは決してないが、期待利益を見て出発する」とし「大統領選挙結果が良け れば常時的な共同戦線に位置することができ、再党創立まで考慮できるのでは ないか」と述べた。

民主労総に対しては「民衆選挙戦制と進歩陣営選挙連合の対立は望まない」と し「進歩陣営選挙連合に民衆選挙戦制を導入すれば大きな影響があり、進歩陣 営団結を追求できる」と伝えた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


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