イラク派兵延長強迫、韓米FTA圧力が露骨に
APEC反対国民行動
「ブッシュ訪韓反対、韓-米首脳会談糾弾」
ラウニョン記者hallola@jinbo.net
APEC闘争が本格化
APEC反対ブッシュ反対国民行動(国民行動)は今日(14日)の午前10時、米国大使
館近くの韓国通信前で記者会見を開いて、「韓米首脳会談糾弾、ブッシュ訪韓
反対、APEC反対闘争」を宣言した。

チョングァンフン国民行動共同代表は「APEC首脳会議が語る平和と繁栄ではな
く、それと反対の戦争と貧困を呼ぶ資本家たちの祭りに過ぎない」とし「世界
の民衆を貧困の奈落につき落とし、世界民衆に災難を持たらすWTOの尖兵であ
るAPEC会議を闘争で粉砕する」と明らかにした。
続いてムンギョンシク全国農民会総連盟議長も「コメ輸入開放に反対し、全国
各地で米袋を積み上げて座り込み闘争を繰り広げている。これらすべては、民
衆をドン底に落ちすWTOのためだ」と主張して、「15日のコメ交渉案国会批准
反対闘争をはじめ、18日には釜山で3万人の農民がAPEC会議を粉砕する闘争を
展開する」と話した。
またこの日の席では、最終高級事務レベル会議後に明らかになった首脳会議議
題への批判も続いた。

サラーム・イスマエル氏
一方、アジア保健フォーラムに参加したイラクの青年医師会に所属するサラー
ム・イスマエル氏も記者会見に参加、注目を集めた。イスマエル氏は、「ファ
ルージャ侵攻当時、現場にいた。そして私が働いていたハディス病院が米軍の
攻撃で焼かれた」という知らせと共に「米軍がベッドに寝ている患者を射殺す
るのを目撃した」と現地の惨状を伝えた。また「イラクの韓国軍もまた占領軍
と変わらない」とし「占領の経験がある韓国人には、イラク民衆が感じる占領
の苦しみを理解してくれることを望む」と訴えた。
韓米首脳会談17日慶州で
韓米首脳会談が17日に慶州で開かれる予定だ。APEC反対ブッシュ反対国民行動
は「首脳会談で、派兵再延長、自由貿易協定(FTA)など、戦争と新自由主義世
界化を強化する内容が緊密に連係される」と指摘、「米国の覇権戦争のための
韓国軍のイラク派兵、BSE牛肉輸入とスクリーンクォーター縮小などを強要す
る韓米首脳会談に反対する」という立場を明らかにした。
一方、盧武鉉大統領とジョージ・ブッシュ米大統領は、首脳会談ばかりでなく、
慶州の象徴的な文化遺産を見る予定だという。これに関し、先月から大統領府
と駐韓米国大使館の関係者は、慶州の史跡地を現地調査し、動き方についての
意見を交換した。現在、ブッシュ訪韓に反対しているグループも17日に慶州集
中闘争を提起している。「慶州」の「韓米首脳会談」をめぐる緊張が高まって
いる。
韓米首脳会談糾弾、ブッシュ訪韓反対、APEC反対闘争を宣言
11月17日に慶州で盧武鉉大統領とジョージ・ブッシュ大統領の韓米首脳会談が
開催される。しかし、われわれは、この会談で議論される議題に深刻な憂慮を
禁じえない。パンギムン外交通商部長官は、「韓米同盟発展方案、北朝鮮核問
題、経済-通商協力の深化方案」等が韓米首脳会談で議論されると話している
が、これは派兵の再延長や自由貿易協定(FTA)など、戦争と新自由主義世界化
を強化する内容と緊密に関連しているものと判断される。
イラク派兵再延長問題が今回の韓米首脳会談の中心的な議題になると予想され
る。恐らくブッシュと盧武鉉大統領は、韓米首脳会談で派兵再延長の正当性を
強弁しようとするだろう。去る2003年11月のAPEC首脳会議での韓米首脳会談で、
盧武鉉大統領はブッシュに追加派兵という贈り物を捧げた。しかし莫大な予算
と社会的費用を支出して、テロに備えると言って大騒ぎするのではなく韓国軍
のイラク撤収だけが国民の安全を保障できるということを理解すべきだろう。
われわれは、韓国軍のイラク派兵延長の企みを容認しないと断固宣言する。
今回の韓米首脳会談で、ブッシュと盧武鉉大統領がイラク派兵延長だけでなく、
韓米自由貿易協定締結を議論することになれば、これもまた深刻な抵抗に
直面するだろう。
4月に駐韓米商工会議所会長がワシントンに飛び、米国の高位官僚に「11月の
APEC首脳会議の時に開催される韓米首脳会談では、なにがあっても二国間自由
貿易協定と投資協定交渉を終わらせよう」と提案した。6月のAPEC貿易相会合
を経て、11月には具体的な了解覚書まで作る計画が議論された。LAタイムズは、
ブッシュが今回の韓米首脳会談でスクリーンクォーター縮小を主張するだろう
と報道した。
2003年12月、米国全土を強打したBSE騒動の記憶が鮮明だが、暇さえあれば米
国産牛肉の輸入を強要する米国政府は、これに乗じて米国産牛肉輸入禁止を完
全に解除することに対する確答を受けようとしているのは明らかだ。われわれ
は、これと共に米国の覇権戦争のための韓国軍のイラク派兵、BSE牛肉輸入と
スクリーンクォーター縮小などを強要する韓米首脳会談に反対する。
今、釜山は都市全体がまるで戒厳状況を彷彿とさせている。また慶州には、
100メートルに1人の警察を配置するほど警察力を浪費している。全世界の戦争
と貧困を拡大する悪の元凶であるブッシュを含み、小泉のようにアジア太平洋
で軍事主義の拡大をはばからない各国首脳の警護のために、政府と釜山市は数
千億ウォンの血税を浪費している。また路上生活者を強制収用し、露天商を排
除して、不審検問をはばからない。口では2005 APECのスローガンである「一
つの共同体」を語るという二重的な態度を見せている。
驚くべきことはまだある。政府はAPECに反対する海外参加者の入国を許さない
とし、998人のブラックリストを発表したばかりか、11月12日には外国人だと
いう理由だけで22人を抑留して調査をした。インドネシアから来た農民は4時
間も抑留された。これは深刻な『人権蹂躙』事態であり、人種主義的な蛮行と
して全世界的な恥さらしだ。
釜山APEC首脳会議は、「WTO(世界自由貿易機構) DDA(ドーハ開発アジェンダ)
交渉の妥結を要求する特別声明採択」、「アジア太平洋地域の貿易と投資の完
全自由化のためのボゴール目標中間点検および釜山ロードマップ採択」の議題
を採択するという。しかしこれら議題は貧富格差と貧困をさらに拡大する効果
を呼び起こす議題でしかないと言わざるをえない。
2003年にメキシコ・カンクン閣僚会議での決裂以来、今年12月の香港WTO閣僚
会議で基本骨格を妥結させようとしているDDA交渉の核心は、周知のように
「農業補助金撤廃、関税撤廃とサービス交渉の進展」だ。現在、350万の農民
が秋穀買い上げ価格が廃止された状態で、韓国の農業と食糧主権を守るために
コメ開放交渉の国会批准に反対し、死力を尽くして戦っている。また、多くの
人々が教育と医療は商品になってはいけないと訴えている。それなのに、APEC
でDDA交渉妥結を要求する特別声明を採択しようとしている。それでなぜ農民
と国民すべての荒々しい抵抗を受けずにいられようか? このようなAPECの議題
設定は、難航しているDDA交渉の妥結を先に立って要求し、他地域の開発途上
国を脅迫し、WTOが望むすべてのサービスの私有化と、超国籍農産物企業の全
世界の掌握という陰謀を実現するのだと公然と宣言するようなふるまいであり、
必ず全世界の民衆の荒々しい抵抗に直面することになる。
そしてAPECは、二酸化炭素排出量減少を、各国の強制的義務事項ではなく、各
国の自発的な努力に任せようという、仮称「APEC気候変化協約」の推進を議論
しようとしているという意味で、環境破壊的だ。このような「APEC気候変化協
約」の推進は、二酸化炭素排出量を強制的に縮小させることを主要内容とする
『京都議定書』を根本的に無力化させ、全人類の非難の標的になるだろう。
また、「人間の安保」というきらびやかな包み紙の中には貧困と差別、軍事的
覇権主義と非民主悪法などの内容がつまっている。ブッシュの侵略戦争支持、
テロ防止法といった非民主な悪法の制定の試み、開発途上国の貧困をあおるば
かりで、鳥インフルエンザ・ワクチンのような医薬品に接近する権利をさらに
制限する知的財産権の強化、移住労働者出入規制の強化といった内容がまさに
それだ。
このように、戦争と貧困を拡大し、環境破壊的な内容で進められるAPEC首脳会
議に反対するわれわれ韓国の社会団体の闘争は、世界史的な普遍性と正当性を
持つ。
『戦争と貧困を拡大するAPEC反対国民行動』は、国民すべてに来る11月18日の
ブッシュとAPECに反対し、釜山に集まろうと切実に訴えたい。全世界どこでも
歓迎されないブッシュと新自由主義世界化に対抗する新しい抵抗が、港都釜山
で実践されるだろう。先日、アルゼンチンでも恥をかいたブッシュは、釜山で
も韓国の民衆の美しい、しかし強力な抵抗に出会うことになるだろう。
今、釜山で進められているブッシュ反対、APEC反対闘争は、戦争に反対して新
自由主義世界化とWTO開放に反対する全世界民衆の願いを一つに結集し、戦争
もなく、貧困もない美しい新しい世の中に進む鮮明な道しるべになると確信する。
2005年11月14日17時36分
原文(チャムセサン)
翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容(仮訳)に従います。
Created byStaff.
Created on 2005-11-15 02:23:23 / Last modified on 2005-11-15 02:23:24 Copyright:
Default