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韓国:KT労働者、業務上のストレスによる精神疾患労災を承認
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KT労働者、業務上のストレスによる精神疾患労災を承認

[寄稿]労働者人権侵害で労災反復、再発防止のために社会的監視必要

チェ民(全北平和と人権連帯)/ 2010年04月15日14時52分

▲KTの不当労働行為と労働人権弾圧を告発して改善を要求する道内市民社会団体の監視活動は今も続く。3月25日キャンドル文化祭.

国連の経済的・社会的および文化的権利委員会(国連社会権委員会)は労働者に 『正当で快適な勤労条件に対する権利』があると規定している。

快適な勤労条件は労働者が怪我をすることなく働き、安全で健康に働ける環境 だ。国連が決めるその他の権利の基準のように、『快適な勤労条件の権利』も すべての国家が守るべき最低基準線と考えるべきだ。

しかし韓国の大企業が労働者を対象に取っている態度を見ると、最低の基準が 最高の水準に思われる時がある。

2004年労災にあったKT労働者に再び労災発生

4月8日、勤労福祉公団全州支社はKT労働者パク某氏の業務上のストレスによる 精神疾患を労働災害(以下労災)と承認した。

2004年、KTの監視と差別など精神的衝撃で労災にあった朴氏にまた同じ労災が 発生したのだ。

これまで使用者側は朴氏に対して日常的な差別と監視、名誉退職強要、人事考 課での差別などを継続的に行った。これにより朴氏はついに3月に一週間の入院 治療を受けなければならなかった。

現在、朴氏は扶安に発令され、南原にある病院で通院治療を受けている。

今回の労災の知らせを聞き、心が重かった。数年間労働者と市民社会団体が KTの労働人権侵害中断と再発防止を要求してきたが、KT内部の状況が全く 好転していないというのが朴氏の事例から明らかになったためだ。

しかも2004年に労災にあった朴氏にまた労災が発生したことは、KT労働者が味 わう使用者側の弾圧がいかに深刻かを立証することでもある。

KT労働人権侵害で類似の事例継続発生

国連社会権委員会が語るように、労働者が職場で安全で健康に働ける権利は人 権だ。そして健康に働く権利は労災承認を受け、治療費を補償を受ける問題だ けでなく、職場が労働者の健康を害する所になってはいけないということをい うものでもある。

したがって、企業は労働災害が発生した職場で労災が発生しないようにするの は当然だ。この当然のことが守られないのがKTだ。

朴氏の事例だけでない。3月に議政府で働くKT労働者が自殺を試みたことが知ら された。

過大な業務から来るストレスで起きた事件であり、幸い深刻な状況ではないと 伝えられたが、KT労働者が味わう業務ストレスによる精神的な苦痛がいかに 深刻かを端的に示す事件だ。

このように、昨年末の特別名誉退職など、KTの労働者構造調整以後に労働強度 はさらに強められてきた。夜9時を越える夜勤と休日にも休めず働く状況も続い ている。

このような業務ストレスと長時間夜勤、休日のない勤務は、過去2003年と2004 年に続いて発生したKT労働者の突然死の原因と指摘されることもした。

反人権的KT労務管理システム拡散...社会的監視必要

だがKTはこうした労働人権侵害には一言もなく倫理経営や恒久的な労使平和だ けを言論にまき散らしている。

このような問題は、KTだけではないだろう。だがKTの労働人権侵害は、社会全 般に影響を与えるという点で個別企業の事とだけ見てはないない。

一例としてKTが2004年に大々的に導入した労務管理システムのERPは、現在KTが 開発し、中小企業を対象にサービスする商品になった。

ERPシステムは会社が労働者をさらに効率的に監視・統制するシステムだと言わ れ、KT労働者が体験する業務ストレスと労働条件もこれと関連がある。

だから難なく労働者を監視・統制するシステムを商品化して拡散させるという 点で、KTの労働人権侵害を社会的に注目しなければならない。

労働者が健康に働けない会社が倫理経営を語るのは文字通り、ショーでしかな い。KTは反人間的な労働人権侵害を即刻中断し、朴氏の労災のような事件が再 発しないよう社会的な監視が必要だ。[全北インターネット代案新聞チャムソリ]

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-05-03 12:04:51 / Last modified on 2010-05-03 12:04:52 Copyright: Default

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