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韓国:都市鉄道機関士の恐慌障害は一般人の7倍
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都市鉄道機関士の恐慌障害は一般人の『7倍』

聖母病院産業医学科、国内初の都市鉄道機関士精神健康検診

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2007年10月25日12時17分

恐慌障害は7倍、外傷後ストレス障害は4倍

地下鉄5、6、7、8号線を運転する機関士は、一般人と比べて7倍も多く恐慌障害 に苦しんでいるという衝撃的な結果が出てきた。こればかりでなく、主な憂鬱 症は二倍、外傷後ストレス障害は4倍も多かった。

地下鉄機関士の健康は市民の安全に直結する問題で、社会的波紋が大きくなる展望だ。

この結果はカトリック大学校聖母病院産業医学科で行われた国内初の調査での 結果だ。これまで地下鉄と鉄道を含む機関士の精神健康問題は機関士の死亡と 労災承認問題などをめぐり提起され続けてきたが、専門医療機関で大規模に機 関士を対象として調査が行われたのは初めてだ。

24日、聖母病院産業医学科は、ソウル都市鉄道公社大会議室でソウル都市鉄道 公社労使が見守る中で最終報告会を開いた。今回の調査は、2003年8月に二人の 機関士が自殺し、労組側から問題提起が続けられたことで実施された。調査は 今年の1月から9月16日まで、ソウル都市鉄道公社で働く961人の機関士のうち、 836人を対象になされた。

▲24日、ソウル都市鉄道公社大会議室ではカトリック大学聖母病院産業医学科の最終報告会が開かれた。

特に精神衛生に焦点を合わせた理由について聖母病院産業医学科は報告書で、 「機関士が運転する空間は主に地下空間で、心理的閉鎖感が相当大きい」と指 摘した。

これだけでなく地下鉄で自殺を含む死傷事故が急激に増加している状況で、 「機関士たちは事故の発生が予測しづらく、予測不可能な状況で発生する事故 に対しては大きな精神的衝撃を受ける」とし「適切なプログラムがない状態で 事故を経験した機関士は、激しい精神的衝撃により外傷後ストレス障害、憂鬱症 などになる可能性が高い」と説明した。

機関士たち、死亡事故の死体を直接収拾して運転も継続

発表された最終報告での内容は衝撃の連続だ。

事故の経験の有無を別として、機関士は日常的に精神疾患に露出していた。最 終報告書によれば、主な憂鬱症は全国民の罹病率が2.6%であるのに比べ、機関 士は3%と高い数値を示した。これに対して聖母病院産業医学科は「一般的に、 会社員は社会生活だけでも重要な予防効果を持つという点で一般人口集団に比 べて低く出るのが一般的だが、むしろ高かったのは点はかなり意味のある結果」 と説明した。

事故を経験した機関士の精神健康状態はさらに悪かった。特に1年罹病率は、一 般集団より8倍高かった。この理由は、事故発生の過程を調べればわかる。地下 鉄での事故全体のうち死亡事故は53.6%に達する。死亡事故が発生すると機関士 の56.6%が直接死体を片づけるなどの事故処理をし、事故発生後に休暇を取った ケースは46.8%に過ぎなかった。また85.7%の機関士は事故発生後も運転を続け たことが明らかになった。これに事故を経験した機関士の17.7%が外傷後ストレ ス障害を体験していることが明らかになった。

精神疾患21人、転職、休職、退社者などを含めればさらに多く

こうした調査の結果、精神疾患を抱えている機関士21人が明らかになった。 彼らは現在治療をしていたり治療を受ける予定だ。

しかしこの調査は、労使が調査に合意した2005年から2年後に行われたもので、 この過程で転職したり休職または退職、死亡した機関士は含まれていない。 彼らを含めて調査をすれば、さらに高い数値が出てくるという提起も続いた。

ソウル都市鉄道労組のイ・ビョングン常務本部長は「ソウル都市鉄道公社が2年 間、実際に病気が重い人々を職務転換配置する過程があった」と伝えた。この 人員は30〜40人にのぼるという。イ・ビョングン常務本部長は「含めるべき多 くの人々が抜けても、これほどの結果が出てきたことは衝撃だ」と語った。

こうした結果について聖母病院産業医学科は、「死傷事故後には、機関士に産 業医学科や精神科とのカウンセリングを義務化する必要がある」と指摘した。

聖母病院産業医学科、「2人乗務を」

特に聖母病院産業医学科は、ソウル都市鉄道公社が現在施行している1人乗務の 問題点を指摘し、2人乗務の必要性を明らかにして注目を集めた。最終報告書で 聖母病院産業医学科は、「2人乗務は乗客の安全を担当する領域に追加1人が配 置され、普段に乗客の安全を担当して異例の状況が発生しても2次事故発生の予 防、事故発生機関士の精神健康保護になる」と明らかにした。

こうした結果は現在韓国鉄道公社などが施行しようとしている1人乗務の問題を 指摘するばかりでなく、1人乗務に反対している労働者に力を貸すものと見られ る。

都市鉄道公社現行復帰プログラムは問題が多い。「外国では会社が作る」

一方、ソウル都市鉄道公社が用意している復帰プログラムの問題も指摘された。 最終報告では、現行の復帰プログラムは「復帰プログラムが備えるべき基本的 な要素が含まれていない。専門家の介入と助言が用意されていない」とし、 「療養者の復帰が業務非適合者の探索や、さらに強制的復帰による心理状態の 萎縮を誘発しかねず、実際に業務復帰ができなくなる可能性もあるように見え る」と指摘した。

また最終報告書を発表した産業医学科のキム・ヒョンニョル医師は「事故以後、 機関士への復帰プログラムに対する外国の事例を調べると、この部分は労働者 の要求で実施されるケースはめずらしい」とし「熟練した機関士の作業能率を 上げ、彼らが安全に運転できるようにするために、会社側がプログラムを作る」 と伝えた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-11-05 04:01:22 / Last modified on 2007-11-05 04:01:24 Copyright: Default

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