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韓国:サムスン エバーランド労災認められるか?
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サムスン エバーランド非正規職飼育係死亡、労災認められるか?

サムスン側の遺族懐柔で『労災申請』妨害...労災保険法の立証問題も

ユン・ジヨン記者 2012.01.30 11:10

1月6日、サムスン エバーランド動物園で働いて敗血症で死亡した故キム・ジュ ギョン氏の労災申請をめぐり、サムスン側と遺族側の対立が続いている。

遺族側は、キム氏が長時間労働と過労に苦しんでいて、勤務中に負傷して敗血 症になったのに、サムスン側は懐柔で労災申請を妨害していると主張している。

[出処:労働と世界イ・ミョンイク記者]

『半導体労働者の健康と権利を守る会パノルリム』のムン・ウンギョン労務士 は、「ジュギョンさんは週6日勤務、1か月に4回の休日、朝8時出勤と8時退勤で 12時間勤務、夜間開場やシーズン時はもっと遅くまで働いていたという」とし 「特に場所が野外なので、寒さや暑さに露出する作業環境で、10か月間で10kg も体重が減ったことから、業務強度がとても激しかったと推論できる」と説明 した。

キム氏は昨年2月、非正規職アルバイトとしてサムスン エバーランド動物園に 入社した後、馬の餌やりなどの管理および厩舎清掃、繁殖センター作業、入場 者の乗馬などの業務を遂行してきた。

このような状況でキム氏は昨年12月9日、エバーランド動物舎の鉄格子に顔をぶ つけて怪我をして、同月15日、寄宿舎で倒れた後、病院から敗血症と診断され て集中治療室に移された。その過程でサムスンの労務管理職員は、『顔の傷は 友人と二人で酒を飲んで倒れてできた傷』と主張した。だが遺族が故人の携帯 電話とミニホームページなどを確認した結果、『動物舎の鉄格子にぶつかり 顔に怪我をした』という記録を発見した。

ムン・ウンギョン労務士は30日、SBSラジオ[キム・ソウォンのSBS展望台]と のインタビューで「サムスンはひとまず顔の傷をめぐる相反する主張に対し、 疑惑をはっきりさせていない」明らかにした。そればかりかサムスン側では、 この事件を隠蔽、歪曲しようとする動きが絶えず続いていると説明した。

ムン労務士は「ジュギョンさんが集中治療室で生死の境をさまよっていた時、 同僚は一人も見舞いに来ず、会社は光州の遺族の家にまできて、労災申請を放 棄して寄付で終わらせようといった」とし「労災は労働者が申請するもので、 会社は全く関与できないのに、はっきり労災申請放棄を勧めているのは、この 事件が外部に明らかになることを望まず、隠蔽しようとしているのだと考える」 と説明した。

サムスン側が労災申請を準備している遺族とサムスン労組の動向と行動を管理 文書に記録していたことがわかり『反倫理的労働政策』という非難も強まって いる。労組が入手した会社側の『コ000氏関連状況報告』という文書によれば、 事件発生後、1月16日まで、日付別、時間別に面談記録と遺族移動経路、遺族と サムスン労組の動き、遺族説得の試みなどが詳しく記録されていた。また報告 書には、使用者側がサムソンエバーランドの役職員に対し3回にわたりキム氏の 死亡に関する件について説明会を開き、サムスン労組が真実を歪曲して、遺族 をだましているという内容も記述されている。

一方、サムスン側の労災申請懐柔の動きに関してムン労務士は「サムスンが労 災を認めるということは、サムスンという無欠点の企業イメージに汚点や打撃 を受けることなので負担を感じている」とし「一流企業のイメージは勤務条件 や福祉も一流であることだが、労災が発生するのは矛盾」と説明した。

遺族はその後、キム氏の労災申請をする計画だが、現在の労災承認手続きによっ てキム氏に労災が認定されるかどうかはわからない。サムスン側の労務管理で 周辺の証言を確保するのに困難があり、労災保護法上の限界も困難に陥らせか ねないからだ。

ムン労務士は「現在の労災保険法は、労災が起きたという業務との関連を立証 することを労働者に要求しており、業務環境や作業内容などに事業主が積極的 に協力しなければ、労働者が立証するのはとても難しい」とし「事実上、法が (労働者を)完全に保護することができないのが現実」と説明した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-01-30 19:43:46 / Last modified on 2012-01-30 19:43:48 Copyright: Default

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