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韓国:冗談を言う自由もサムスンが決める
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冗談を言う自由もサムスンが決める

LAタイムズ、サムスンに100万ドル訴訟された英国ジャーナリスト理由報道

ホン・ソンマン記者/ 2010年05月12日10時20分

5月10日(現地時間)、LAタイムズは英国出身のコラムニストがサムスンから名誉 毀損で100万ドルの訴訟を受けた理由を報道した。

記事によれば、マイケル・ブリーン氏が2009年12月25日にコリアタイムズに書 いたコラムがサムスンの名誉を傷つけ、サムスンの未来価値を傷つけたという 理由でサムスンが100万ドル訴訟を提起したという。

[出処:LAタイムズ]

理由はこうだ。

マイケル・ブリーン氏は定期的にコリアタイムズにコラムを書いているコラム ニストだ。ブリーン氏は2009年クリスマスの日に合わせて、李明博大統領や歌 手ピといった有名人を風刺することに決めたという。ブリーン氏は「人々がク リスマスに受け取ったもの(What People Got for Christmas)」という題のコラ ムで、有名人ばかりでなくサムスン電子も風刺した。

ブリーン氏はコラムで、サムスンは全職員に李健煕会長と会長の息子の写真を 送り、それぞれ壁に掛けておけと書いた。また「2010年の希望を込めて政治家、 検事、記者に年賀状と5万ドルの商品券を送った」と書いた。

サムスンはこのコラムに猛烈に怒った。2009年12月29日、李健煕会長が赦免さ れた日、サムスンは会社の名誉と未来収益を傷つけたという理由でコリアタイ ムズと編集局長、そしてマイケル・ブリーン氏に100万ドルの訴訟を提起した。

サムスンは「このコラムを読んだり聞いた人が、これが事実ではないと思って も、冗談で話せばあっという間に広がり莫大な被害を与える」と訴状で訴訟の 理由を明らかにした。

するとまずコリアタイムズが釈明書(clarification)を二回掲載し、サムスンは コリアタイムズと編集局長への訴訟は取り下げた。しかしブリーン氏への訴訟 は引続き進めた。(二つの釈明書の一つはサムスンが直接書いたものと新聞社側 はブリーン氏に話したという。)

ブリーン氏は、自分が書いたコラムが政治的風刺でしかないと釈明した。LAタ イムズも記事で「韓国には『Saturday Nnight Live』スタイルの政治風刺家は あまりいない」と明らかにした。

また、LAタイムズは名誉毀損に対する韓国と米国の差にも言及した。米国では 公人や会社の名誉毀損は、内容が偽りで、極端に悪意を含むものでなければな らない。だが韓国では事実かどうかが重要ではなく、誰かの名誉を傷付けたか どうかしか判断しないと明らかにした。

コリアタイムズ側では、ブリーン氏にサムスンに謝罪するよう伝えたという。 これに対するブリーン氏の回答は次の通りだったとLAタイムズは伝えた。

「良心にかけて、いったい誰に謝り、また何を謝れというのか、私には分かり ません。いったいいつから金持ちで強い人が、何が滑稽なことなのかを決める ようになったのでしょうか?」

これまで、この内容は韓国内のマスコミでも知らされなかったが、LAタイムズ に掲載され、今この訴訟は国際的にも関心を引くようになった。この記事が掲 載されたLAタイムズのインターネットのサイトには、サムスン不買運動まで提 起する読者のコメントも書き込まれている。

『大企業集団の力、名誉毀損、風刺、表現の自由に対する異なる視点』と、こ の事件の性格を明らかにした記事の導入部と共に、韓国でのサムスンの力と影 響力、財閥とジャーナリストとの訴訟、韓国で表現の自由の問題などがこの事 件を通じて国際的な関心の対象になっている。

この裁判は5月12日に開かれる。

英語の原文は以下で読める。 原文

翻訳/文責:安田(ゆ)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-05-15 05:22:32 / Last modified on 2010-05-15 05:22:35 Copyright: Default

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